紙の本
そうなのか
2019/07/03 19:32
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
築地は仕事で少しお世話になりました。
そんなもんかなーと思いますが、資源は大切にしないと、取り返しがつかなくなりますね。
投稿元:
レビューを見る
> 鈴木智彦著『サカナとヤクザ』補稿
> http://yatasuzuki.hatenadiary.jp/
投稿元:
レビューを見る
面白かったです。
銚子の話は現代とは関係ない?みたいなので読み飛ばしてしまいましたが。
特に根室の話は興味深かったですね。
北海道民でないと北方領土の話はなかなか縁遠いのですが、理解が深まった気がします。
ちょいちょい出てくるお姉ちゃんとの関係が気になります。
投稿元:
レビューを見る
ヤンキーとかヤクザは重力に逆らわない。重力に素直だとも言える。車の車高は低く、すぐ地べたにウンコ座りする。ヤクザは山登りしないだろう。元猟師のヤクザも殆どいないのではないか。農業関連のヤクザは殆どいないが、漁業関連のヤクザは多い、という話もわかる気がする。漁業とヤクザの相性の良さは、この本を読んでよくわかった。ヤクザは低きに流れる。それどころか闇夜の海に潜る。潜る、というのもなんだか示唆的だ。
町や市場、低地や海にヤクザがいるとすると、築地とヤクザの相性の良さには納得。築地市場は豊洲に移転してしまったけど、築地の昭和っぽさとか懐の深さが無くなるとしたらちょっと寂しい気もする。流れ者の居場所がまたひとつ無くなってしまう。ヤクザは消え行く運命なんだろうか。
普段口にしている水産物が裏社会を通過したものだったなんて!と書きたいところだけど書けない。ここに出て来るような水産物を食べる機会はほとんどない。高いし。ウナギの話は以前にネットで読んでたしなー。密漁の手口はスリリングで読んでいておもしろかった。
読みにくかった点として、人間関係の相関や市場の仕組み、ヤクザのしきたりなど、ちょっと読んだだけではよくわからない箇所がいくつかあった。かつて栄えていた銚子のヤクザの話をこんなに詳しく書く必要あったのかな。いろんなエピソードを細切れに詰め込み過ぎな気もする。
投稿元:
レビューを見る
漁業と闇社会の癒着。
つか、汗かかずに儲かると思うとどこでもこんな風になるんや。
北海道から九州台湾まで。
ソ連も絡んだ北方領土の話もある。
法治国家やんな、日本は。ほんまのとこ、どこぞの国と殆ど変わらんわけや。
相変わらず著者の体当たりなルポには頭がさがるが、文章が読み辛くて叶わん。
投稿元:
レビューを見る
サカナの取引には漁業権をはじめとする様々な規制があり、規制のあるところには現実との乖離があり、乖離からは濡れ手に粟の機会があり、その機会をヤクザが暴力で独占する。
アワビ、ナマコ、カニ、ウニ、ウナギなどの高級とされる海産物の密漁と不正取引(ロンダリング)のレポート。
銚子と根室の話は近代史という感じで、現代の密漁現場レポートとは趣が違うが、それはそれで興味深く、サカナをシノギとすることの時間的空間的パースペクティブが広がる面白さがある。
投稿元:
レビューを見る
潜入ルポもあるが、戦後の銚子港のヤクザが跋扈したくだりや北方領土での決死の密漁の話など、過去を掘り起こした話が長く、築地や現代の密漁メインを期待していると肩透かしをくらうので注意。
投稿元:
レビューを見る
サカナとヤクザ:暴力団の巨大資金源「密猟ビジネス」を追う。鈴木智彦先生の著書。サカナとヤクザにこんなつながりがあったなんて驚き。ルールを守って真面目に働いている漁師さんたちからすれば、ヤクザ・暴力団による密漁ビジネスなんて絶対に許されないし言語道断。しかもそれがヤクザ・暴力団の資金源になってるなんてあってはならないこと。政治家や農林水産省のお役人はヤクザや暴力団による脅しや報復におびえずにきちんと仕事をして密猟ビジネスを取り締まってほしい。
投稿元:
レビューを見る
ラジオ番組「荻上チキSESSON-22」に著者がゲストで来ていて興味を持ったので読んでみた。
魚の密漁の実態に迫るドキュメント。非常に、とっても、ベリー面白かった。
東北でのアワビの密漁。そしてさらに深く取材するために、築地の仲卸業者のアルバイトまでする著者。あのターレーは1トンもの荷物を積めるそうだ。
そして取材で北海道へ。ナマコの密漁でしこたま儲けた者たちの話。その手口。さらに千葉へ。ヤクザが漁業に思いっきり関係していた街、銚子。そしてまた、北海道へ。今度は根室。カニの密漁と、北方領土でのロシアとのせめぎ合い。レポ船という言葉の意味がやっと分かった。日本の情報をロシアにレポートするスパイ行為をする代わりに密漁を許された船という意味だそうだ。
最後はウナギ。我々の口に入るウナギは密漁されたものかも知れない。台湾はウナギの輸出を感じているそうだが、日本の業者のオーダーに応じて、台湾から香港にシラスウナギを密輸し、香港から中国に輸出(関税がかからない)し、中国から日本に輸入する。またヨーロッパウナギはワシントン条約で輸出が感じられているはずなのに、それも密輸されている。もちろん日本に。
象牙がけ抜かれて殺された象の姿を見ると、中国人が象牙だけ欲しがったんだろう、などと思うけれど、ウナギに関しては日本人食いすぎなのかも知れない。
というような、身近な魚に関して、深い取材をしないと分からないような話だらけで、すごく楽しませてもらった。タイトルほど「スキャンダラスでいい加減な飛ばし記事」っぽい感じはせず、硬派なドキュメントだった。
投稿元:
レビューを見る
さすが話題になるだけあって、強烈なインパクトの一冊。漁業というものに対する見方が変わってしまいそうだ。
何も知らず「いただきまーす」と食べていた魚の背後に、これほど黒々とした闇があったとは。しかもそれがほとんど公然としたもので、知らない関係者などいないと断言されていることが最も衝撃的だった。あれがうまいとか好きだとか、安いだの高いだの、好きなことを言いながら、一方で「資源保護」と言われればウンウンそうだよねとうなずく「普通の消費者」は、この実態をどう考えればいいのか。
最初の方の、アワビやナマコについては、へぇ~、そんなカラクリがある(あった)の!と驚きつつも、まだまだ気楽に読んでいたのだ。自分は食べないし、関係ないもんね、と。ウーンと唸ってしまったのが、後の方のカニとウナギ。いや、たまにしか食べないんだけど、それだけにご馳走感が大きいわけで、でも、これまで食べてきたののおそらく半分以上は密漁品だったんだろう。
取り締まる側も漁業者も流通から小売り関係者も研究者も、皆知っていて、でもどうにもできない底知れない闇。法規制を強めても、必ず抜け道が作られる。第一、本当に密漁や密輸を完璧に閉め出したとしたら、一体魚一匹にいくらの値段がつくことになるのか。「食べない」という選択を私たちはできるんだろうか。考え込んでしまう。
ヤクザや香港マフィアがからんだ密漁・密輸の実態の他にも、著者が潜入取材した築地市場の有様や、銚子港の荒々しい来歴など、驚くべき話がいろいろ出てくる。著者はヤクザ取材が長いそうだが、腹を据えて書かれただろうことがひしひしと伝わってくる。ただ私には、著者の文章にはちょっとひっかかる感じがある。ことの性質上、詳細を書けずにぼかしてあるところも多いことは重々わかっていて言うのだが、前後関係がよくわからなかったり、すっきり腑に落ちない箇所が結構あった。元週刊誌記者らしい読みやすい文章でもあり、他にそういう意見を聞かないので、ごく個人的な感覚かもしれないが。
投稿元:
レビューを見る
都市部では昔ほど見なくなったヤクザっぽいヤクザの話。どんな風に、どんなところにいるのか、そこで何をしているのかが垣間見れて面白かった。
投稿元:
レビューを見る
今年のノンフィクションの中でも出色の仕上がり。
漁業は、荒くれな職場で荒くれな人たちが働く職業。一攫千金も夢じゃないし、一方突然命を落とす人もいる。
そんな職場だからこそ、ヤクザが入ってくる。そしてヤクザ独特の流通網を作ってしまう。
これまでに全く語られてこなかったヤクザと密漁ビジネスの関係を暴く。果たして築地が豊洲に移ってこの関係はどうなっていくのか、非常に興味がある。
投稿元:
レビューを見る
好きな人はいるかもしれない。自分としては歴史よりも、ヤクザとの関わりをもっと知りたく、今の話を読みたかった
投稿元:
レビューを見る
不可視化された日本の漁業課題の特殊性を反社会の文脈から読み解くノンフィクション。著者の専門性を端緒に実地調査と文献から、ヤクザ社会と漁業の密接なシノギの実態を描く。なぜ日本の漁業に絡まり解けない面妖な構図が生まれたのか、遡れば戦前から始まる海のシマを巡る物語を見るにつけ、読者自身も反社会勢力の末端構成員であることを突きつけられる。巨大な権利と利権とが後戻りできないまでに縺れ合い、四方を海に囲まれた国の一端を象徴する。
投稿元:
レビューを見る
これは面白かった。
密漁を良いとも悪いともいわず、両面を淡々と捉える。
全てを書くことができない事情があるのだろうか、若干表現がわかりにくい部分もあるようにも思えるが。
丁寧に取材されているのか、制度の仕組みや背景事情なども含め、できるだけ正確に書こうとしている感はあった。
今までピンと来ていなかった北方領土問題や根室とロシアの関係なども歴史も丁寧に書かれていたため、一応の腹落ちはできた。
制度が新たに作られれば、その抜け穴を使って闇ビジネスは確実に生まれる。
完璧な制度を作ることは難しいから、その抜け穴がどのくらい大きいのか、裏から考える視点も必要だ。
闇ビジネスがないと、毛ガニもウナギも高騰して消費者の手に届かなくなる。
それをどう考えるか…
「シラスウナギに名前はつかない。盗品と知らなかったと言えばいい」とか、罰金払っても稼ぎの方が全然勝る、とか。
カニは、統計上の漁獲量と同量が密漁で、これがなくなったら価格が高騰してしまうとか。
このルポのはじめの方で、密漁が多い理由としては、県域ごとに規則が違うこと、漁業法の罰則が甘いことなども理由として挙げられていたが、後者については、今回の法改正で、罰則を最高まで引き上げることができるようになるとか、盗品と「知った」上で受け取った人も罰せられるようになった。
これが、密漁にどんな影響があるのか…
それにしても、「ヤクザ」のひとたちのベンチャー企業顔負けの転身の早さ。