紙の本
文章のリズムがいい
2019/08/23 13:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編それぞれの内容がおもしろいことも当然ですが、文書のリズムがすごく心地よいので何度も読み返してしまいます。結局、電子書籍で購入。いつでも手元で読めるのがうれしいです。
電子書籍
現在に続く物語
2019/05/05 15:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SN - この投稿者のレビュー一覧を見る
お題が自動運転、ドローン、インターネットの自由に暗号通貨と、難しいトピックなのに分かり易く痛快。実際の出来事も下敷きにしており、
フィクションながらも、この世界を感じられるのも醍醐味です。
ITエンジニアがネットを通じて世界を少しずつ変えていく痛快さは、理想主義に過ぎる感もありますが、抗えないところでは妥協もしつつ、最後は現実的な着地を試みています。
主人公の立ち位置は、日本人としては結構共感できるものではないかと。
電子書籍
パソコンは
2019/04/09 10:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネットを見る中心で、いろんなことは使いこなせてないので、この小説を読んでもピンとこないような気もするが、自分も少しでも使いこなせるようになりたい。
投稿元:
レビューを見る
題材の選択が出来すぎな程にちょうど良すぎる。
卑近でありながらも、こうも物語を作り上げられるのか。
いつも思うけれど、書けそうで書けない物語を書く作家さん。
作中で通して感じるのはフットワークの軽さとスピード感。
電車の待ち時間でawsでサーバ用意してABテストするみたいなのとか、演出としても良い。
在り方が啓蒙的にも感じる。
腰の重さは駄目だよね、と。
あとは社会に対して何かできることはあるのかという、焦燥感のようなものへの応答。
自己啓発本とか読んだことないけれど、こんな気分になるのかも知れないなぁ。
投稿元:
レビューを見る
メチャメチャ面白い。
近未来を描いてるんだけど、もし明日、この作品の中で描かれていることが現実になっても、そこまで驚かない。それくらいリアリティを感じる。
と言うか、僕程度の知識の人間が読むと、本書の中で描かれていることのうち、どこからがフィクションなのかが、分からないくらい。
それにしても、サラッとコード書けてしまう奴ってカッコイイ。僕も勉強しよう。
投稿元:
レビューを見る
近未来、数年後のかなり近い未来を描いている。最後の話の国債とビットコインを絡める話とか、ビットコインを個人の儲けにしない、ユニバーサル・インカムにする的な話は難しく、たぶん3割ぐらいしか分かってない。
なぜ楽しめたのだろう? 小学生の頃、友達の家の押入れで発見した家族計画の本。中学生の時、古本屋で見つけた横溝正史。高校生の時、夢中になって読んだ落合信彦。自分の年齢(あるいは知識、能力)よりちょっと歳上向けに書かれた本は、なぜか(分からない所が多くても)面白いと感じてしまう。これを【背伸び効果】と名付けよう。
投稿元:
レビューを見る
181209.書店でジャケ買い。
前半は登場人物の名前も覚えにくく(脳内音声化出来にくく)、ありがちなスーパープログラマがささっとイメージを具体化してしまい、内容もイマイチ薄いかな、という印象でした。
中盤のドローンあたりから、SF版世にも奇妙な物語か?となりましたが、
後半から急に面白くなりました。
インターネットやツィッターの心情、経緯、主人公の芯にあるものなど、急に血の通った物語になった感じです。
仮想通貨のマイニングをサイコロ振りに例えたのは非常に分かりやすかったし、どこからがフィクションか分からないですが、仮想通貨乗っ取りの話は脅威を感じました。
通貨インフレの影響や意味合いなど何も分かっておらず勉強になったし、とても面白いアイディアだと思った。
作者自身、このネタをどう伝えたいかという事が原動力になっているのでは?と感じました。
投稿元:
レビューを見る
あまり日本では見ないプログラマー、ITの人が主人公のある程度のテクニカルなフィクションで楽しい。色々な社会問題、ブロックチェーン、暗号化されたメッセージングプラットフォーム、自動運転。ボヤッとはしているものの読んでいてかなり楽しかった。
投稿元:
レビューを見る
ドローンの開発会社にいたり、iPhoneアプリを開発したり、IT周辺のいろいろなことに関わっている文椎泰洋を主人公とした連作短編。マレーシアのパプア州政府、Google、Twitter、ビットコインなど実在のものがたくさん出てくるが、まだ実現していないことも書かれているので、SFに分類されるようだ。
評判は良いようだが、あまり好みではなかった。
マストドン、ビットコインなどの話題については、だいぶ理念が盛り込まれているようだが、ちょっとついていけなかった。いつの間にかすごい人になっていくナルシシスト的な展開にちょっと白けた。キザな文体もあまり好きではない。特に翻訳のような典型的な女性の喋り方(〜なのよ、〜したわ)は本当にやめてほしい。
投稿元:
レビューを見る
GPS 週のデータ
週は10 bit 1024までしか割り当てなし
運用が始まった1980/1/6から1024週後の 1999/8/22にリセットされて0にもどった このとき初期のカーナビで不具合 次のリセットは2019/4/7
ビットコイン 発行上限 2100万
投稿元:
レビューを見る
「ハロー・ワールド」★★★
「行き先は特異点」★★★
「五色革命」★★★
「巨象の肩に乗って」★★★
「めぐみの雨が降る」★★★
投稿元:
レビューを見る
自称何でも屋のプログラマが主人公の小説(本人はプログラミングの能力はたいしたことないと思っているよう。というより、周りにすごい人が多いだけな気が……)
主人公は同じだけど、基本的に一話完結形式の5話構成の話に思えた。そういうことを知らないで読み始めたので、1話で起きた事件が、最後のほうで解決するのかなと思ったらすぐに解決し、2話目は舞台が日本からアメリカに変わっていて主人公の名前もなかなかでてこなかったので、てっきり2話を読み始めた時は短編小説集だったのかと思った。
それにしても、主人公がすごい。ソースコードは汚いみたいだけど、発想と行動力がすごい。あちこちの国に行きすぎだろと。それと、1話目で人が死ぬ映像を見てビビっていたのに、最後の話では誘拐されても銃を突きつけられてもくっしないのは、すごい変わったなと思った。
ところで、インドネシアは三百の民族がいるけど、五百を超える言語を使うって、初めて知ったけどどうしてそうなったんだ。まあ、日本語の方言も、別の言語のようなものだということもあるし、そういうもんなのか。
ちょっと笑ったのが、右手を高く上げて小指でリターンキーを勢いよく叩いた人がでてきたこと。いったいどういう状況だよと。なぜ、人差し指や中指じゃなくて小指なんだ。
2019年4月7日問題なんて初めて知った。GPSが週数を10ビットで管理しているため、その日にリセットされるらしい。1999年8月21日も週数がリセットされたそうだけど、その時もちょっと問題が起こったらしい。それより、GPSの週数って何に使ってるんだ。必要なのか?
ところで、中国が舞台の話で、逮捕から1日も立たないうちに裁判が行われて判決もでた(しかも、懲役50年)という話があったのだけど、実際中国ってそんなスピード感なのだろうか? さすがにそんなに早くないだろって思ったのだけど。証拠集めて精査するだけでもっと時間かかりそうだけど、そのへんいい加減なんだろうか。
投稿元:
レビューを見る
結局こういうインターネットや仮想通貨、ドローンなど
最近のガジェットとかの話になると
要は使う人のモラルに頼っているという大原則が浮き彫りになるが
まさに使う私達の意思が問われている気がした。
そういう意味では文推は『ハローワールド』と『めぐみのあめが降る』では別人である。
なんでも屋だからという殻を破ったとき
彼はあるべき姿を見つけていた。
投稿元:
レビューを見る
「小説現代」に掲載された4編に書き下ろしを加えた5編の連作集。
習作で始めたアド・ブロッカーが、なぜかインドネシアだけで売れ始める、いったい何が起きているのかー
という魅惑的な導入。
個人から始まった制作に、わずかな(しかし有能な)賛同者が加わって小さいプロジェクトが始まり、それが世界に繋がり、個人の人生が変わり、世界を変えるに至る、一連の大きなうねりは、『オービタル・クラウド』に通じるものを感じる。
この主人公は、一瞬著者本人ではないか、と思ってしまうほどに筋が通っているし、技術動向に関する幅広い知識を有している。
その上で、自ら「専門を持たない「何でも屋」エンジニア」と言う文椎は、トップIT企業に入れるような特段鋭いスキルを持たない普通のエンジニアである自分には、とても共感しやすいキャラクタになっていた。IT系エンジニアは大体「何でも屋」になるのではないか?そして「動くコードを目の前にしないと一歩も進めない」ということにも、共感する。
一方で、彼の手の速さ・行動力やコミュニケーション力、スタートアップでありながら社長の右腕として世界を飛び回り、という姿が徐々に明らかになると、それは憧憬に変わる。可能性を拓くポジティブSFであると同時に、主人公キャラクタはやはりヒーローだった。
ただしヒーローの資質は、これで行くという「覚悟」を受け入れることができるかどうか、だと示しているのだ。
投稿元:
レビューを見る
タイトルから分かるようにプログラマーが主人公の短編集。ソフトウェア会社に勤務経験のある著者らしくディテールの描写が細かくてエンジニア心をくすぐられるw「海外諸国におけるインターネットと自由」というテーマが全体を貫いており、SF小説が未来予想図の側面を帯びてきた事を考えると非常に示唆的な内容。日本も遅かれ早かれああなるのだろうか…