紙の本
幻想の街
2021/02/15 20:36
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投稿者:くり坊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
地図を見ながら、小樽を意識して情景が浮かんだ。その狭い町で、いろいろな事が起こり、皆、その過去にとらわれていくことが、場所は違えど、その中で堂々巡りになり、閉塞していく感が誰にでもあると思う。でも、それはあくまで自分の頭の中で描いてしまった幻想であり、それを壊して、また新たに生きていこうと思った。
紙の本
砂の街路図
2019/03/22 10:25
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投稿者:kon - この投稿者のレビュー一覧を見る
架空の街が詳細に描かれています。不思議な小説ですね。主人公の気持ちがわかるようなわからないような奇妙な気持ちです。父の謎解きは引き込まれましたが、幽霊船は必要なのか。架空の街は北海道にありそうですね。今の札幌ではないですね。
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場所が、自分に縁のあるところならもう少し感情移入できたかもしれないが、どうにも想像力を喚起させる気力が湧かない体質になってしまったのか、なかなか物語に入り込んでいけなかった。過剰なまでの状況描写は自分にとっては裏目になってしまったようだ。
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北海道にある架空の町で起こった20年前の出来事を調べる一人の男の話。
私はあまり北海道に詳しくはないのですが、小樽のような風情のある街をイメージさせる描写が、とても架空とは思えない繊細な描写でした。佐々木さんの描く美しい北海道の街なのでしょう。何よりもそれが印象的です。
事件を掘り起こす描写は佐々木さんらしいジワジワと核心に迫るような展開です。ただ、その事件自体があまりに悲しい事件であり、主人公の男が結局、この架空の街に移り住みそう(?)になる点、何か蟻地獄にはまっていくようであり、何か全てが解明された後に重たいものが残る感じがあまり私の好みではありませんでした。
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長い人生の中で疾しさと無縁の人間はいない。人は傷を負いながらも生きていかねばならないのだと思う。壮大な物語ではないがひとりの男の苦悩が胸を打つ。
あらすじ(背表紙より)
なぜ父は幼い自分を捨てて失踪し、死んでしまったのか―。母の四十九日を終えた岩崎俊也は、両親が青春時代を過ごした北海道の運河町へと旅立つ。二十年前、父が溺死する直前まで飲んでいた酒場の店主によれば、同じ法科大学漕艇部員だった女性の密葬に参加するために滞在していたらしい。さらに、昭和四十四年に漕艇部で起きたある事件を機に、快活だった父の人柄が激変したことを知る。父は事件に関係していたのか?家族にさえ隠し続けていた苦悩と死の真相とは!?会心の野心作にして、まったく新しい「家族ミステリー」が誕生!!
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今まで読んだ佐々木譲の中で ぶっちぎりワースト。
たぶんこの記録は破られないと思う 笑。
面白く無いだけじゃなく 主人公の子供っぽいセンチメンタルジャーニーに付き合わされて ウンザリというか辟易しながらやっと読み終わった。
だいたい内容だって やんわり想像つくでしょ。
自分のちっぽけな感傷で やっと何とか折り合いをつけて暮らしてる他の人の心をかき乱していいわけない。
あなた 何様?と思う。
誰にでも どんなに親しい人にでも言いたく無いことのひとつやふたつあるでしょう。まして 親しくも無い人なら尚更のこと。家族だからって 亡くなったからって そこに土足で上がり込むって ほんと嫌。ほんと気分悪い。ある種すごいイヤミス。
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いまいち
街が主人公の物語
そう考えるべき
ストーリとしては、
父親の死の真相を知るために、北海道の運河町に旅立った岩崎。
20年前に父親が家族を残し、その町の運河で溺死体といて発見。
父親はなぜ、その町に行ったのか?
なかなか話をしない当時の人たち。
ようやくたどり着いた人物から、法科大学の漕艇部の女性の葬儀に参加するために訪れたことを知ります。
なぜ、葬儀に参加しに来たのか?
そして、なぜ、死んでしまったのか?
父親の大学時代に起きた漕艇部の事件。
その真相は?
といった展開です。
これでもかというぐらい、街の詳細な描写が続きます。
ななめ読みして読み飛ばしてしまった(笑)
しかし、その街の独特の雰囲気がこの物語の骨格を作っているだと思います。
最後に明らかになる父親の苦悩と真実。
一部は想定内、一部は意外...
淡々と物語が進み、最後はあっという間に真実が語られました。
とくに盛り上がるわけでもなく、終わっちゃいました(笑)
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北海道の架空の町を舞台に、幼い頃にそこで事故死した父の行動の背景を調べていく青年の話。
ミステリーに分類することには疑問がありますが、運河や煉瓦造りの倉庫、ロシア人街など、北海道ならではの魅力がある町を地図を見ながら主人公の足跡を辿っていくのはとても面白い。作品全体の雰囲気や登場する地元の人々の言動はどこか日本離れしていて、まるでヨーロッパの小説を読んでいるようでした。
道警シリーズのような内容を期待する佐々木ファンは別として、純粋に小説として評価がこんなに低いのが不思議です。