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個人的に後味が・・な作品でした。章ごとに中心人物が変わり様々な目線から見た人物像がしっかり描かれててそこはよかった。うーん、スクールカーストが実在するのはわかるけど、本の中で出てくるとやっぱりやな感じだ
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一応は、朱音という1人の少女の自殺理由を明かすストーリーなのですが、ラストまで読めば、「この物語に探偵はいらない」の意味がわかります。
一つ一つのパズルのピースが絶妙にズレあうストーリー展開がすごかった。スクール版「藪の中」とでも言おうか。
印象が何度も何度も塗り替えられてのラストシーンは圧巻です。
1人の女子高生の死をきっかけに、それぞれの登場人物たちの心が明かされていくのですが、読むほどに息がつまるような気がします。
途中、何度もミスリードがあり、最後まで読みきってあれはそういう意味かと理解できる。
叙述トリック的な手法。
結局、世界は自分がどう見るかということか、というところ。朱音のキャラクターがラスト二編で理解できる作りなのも、キャラクター性というのか、周りとの関係性を感じさせる。
解き明かしていい気持ちのする謎ではないけれど、その気持ち悪さは、ラストまでで爽快感に変わるかもしれない。後味の悪さの痛快感。
夏川さんのセリフ、「世界は生きている人のためにある」これがある意味でこの物語のテーマなのかもしれない。この読後感、独特です。
誰も朱音を理解してなかったんだなぁと思うと、いたたまれなくもなるのですが…。
この年頃の女の子の、身勝手さ、人への依存、自分でいっぱいいっぱいなところ、とても繊細に描いていると思います。
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学校の屋上から飛び降りた川崎朱音。彼女の自殺の原因は―そもそも本当に自殺だったのか。ネットに流れる自殺現場の動画を撮ったのは誰?映っていたのは誰?いじめはあったのか、遺書はあったのか。クラスメイトに配られたアンケートから見え隠れする、高校生たちの静かな怒り妬み欲望…。少女の死が浮き彫りにした、箱庭の中で生きる子供たちの本当の顔。ヒエラルキー、マウンティング、役割分担、キャラ設定…。青春小説界の新鋭が描き切った「わたしたちの」物語。
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タイトルの朱音は、プロローグですでに屋上から飛んでしまう。その後は、章ごとに視点を変えて、クラスメイトたちが語り手になる。各章の冒頭には、事件の後に行われたアンケートが配されている。読み進めるごとに、少しずつ謎が解消され、最後に朱音が飛んだ本当の理由が明らかにされる物語だろうと思いながら読んだのだが、それだけではなく、語り手各人の胸の裡に隠し持ったものの手強さを知らされることにもなる。誰が悪いのか、誰が悪くないのかを突き止めることはまったくの無駄で、アンケートなどほぼ何の役にも立たないことがよくわかる。ひとことで総括でき、万人が納得できる理由などどこにもないのだろう。高校という狭い世界のなかだからこそ余計に凝縮された、人間の怖さが沁み出してくるようでもある。ちょっと人間が信じられなくなるような一冊でもある。それでも彼女たちは、ごく普通の大人になるのだろうな、と思うと、なおさら怖い。
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この世は生きてる人のためのもの。
りおんの祖母の教えがこの物語を貫いている。そして、したり顔で自死した理由を遺された側が色々推察する虚しさも。うーむ、そしてエピローグが壮絶。りおんは賢く本質を見抜くが、悩まないところに人間味が感じられない。咄嗟に遺書を見せて、破く、、そんなこと対応できるか??
最後はホラーに思えた。
朱音は朱音が世界に勝利するための駒に過ぎなかった、、命を粗末にしても何もならない。当てつけで命を捨てても何にもならない。遺された人がどう受け取るかは絶対にコントロールできないから。
作者の意図はわからないが、これで虚しい自死が無くなるといい。
同級生が校舎から飛び降りるという強烈な出来事に、飛び降りの動画をアップしたり、反応が無機質過ぎる子供達にゾッとしたが、それでも周りからどう思われているか、内申に響くかも、と妙なところで神経質なところも怖い。動画をアップした学生も、自分が投稿したことが、ある子にバレたことで初めてコトの重大さに気付くのも興味深い。
人間の本質を突いてるところもあるが、嫌われたくない、悪く思われたくない、一人になりたくない、でも人のことには無関心、、心の底から冷える。最後、出版元のページまで読むとさらに怖い。
世代が離れているせいか、女の子達の名前や性格を読み分けるのが難しかった。それでも、意外な人物が物語の重要なキーパーソンで、中編あたりでフォーカスしてるあたりは上手いと思った。思春期の生きづらさや、ジェンダー、スクールカースト、学生生活のさまざまな要素が盛り込まれていた。
最後に。
花言葉で自分の思いを伝えるとは、これだけで陰湿に感じる。花言葉を覚えてしまった。
ユリ→無垢
ラベンダー→不信
スイセン→自惚れ
紫陽花→冷淡
ドクゼリ→あなたの命取り ←これが後で効いてくる
勿忘草→わたしのことを忘れないで
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高校2年の朱音が校舎の屋上から飛び下りた。
遺書は残されていなかった。
クラスメイトや同級生7人が語る朱音とその日。
朱音の死の真相は。
モヤッとしてます。
きちんと読み込めていないところがある気がして。
最後にわかる莉苑の行動、莉苑は何故あんなことをしたのか。
朱音は困った子ではあったと思うけど、その他のみんなも、高校生らしく利己的で、ある意味とてもリアルだと思います。
各章のラストにあるサブタイトルが上手いなと感心しました。
途中からとても楽しみになり、章の途中で読むことがないよう注意を払いながら読みました。
タイトルにだから何?と書き文字で。
ゾワゾワしますね。
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たまにはイヤミス作品も!と、読んでみました。
エピローグで書かれている「その日、朱音は空を飛んだ だから何?」という一文、これに凝縮された物語でした。
各章の冒頭の生徒へのアンケートの白々しさが学校全体の雰囲気を物語っているけれど、結局自殺なんてバカらしいと思わせる感じはいいおさまり方なのかもしれません。
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莉苑ちゃん、恐ろしい。1人だけ高校生とは思えない。
他の子達は高校時代特有の嫉妬や負の感情だったり、些細な事で嬉しくなったり優越感感じたりとなんとなく理解できる部分があった。
ラストが怖い。幸せから地獄に落ちるってこの事かぁっとほんまに怖かった。
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登場人物に、自然と自分の友達の顔が重なってイメージされました。すんごい面白かったです!章ごとに主人公がかわるのですが、どの子にも感情移入出来てしまう、不思議な体験でした。
色んな子の立場からの視点で、徐々に真相がみえてくるのでついつい先が気になってしまう。
イマドキ感溢れる1冊でした。
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周囲から嘲笑われて、幼なじみ以上の心友"純佳"に見捨てられた。存在価値を喪失した朱音は
自暴自棄に走った。自分の存在をいつでも示せる根拠をもちたかった。だから、純佳に他人よりも私は優っていることを明示するために、身に纏う武器を変えた。しかし、それは単なる見せかけであった。純佳に一方的に依存し空回りしただけだった。
とにかく感情が整理できない。誰もが悪かった気がするし、「全ては朱音の自己を確立し、制御できない容態故の顛末だった」気もする。「朱音が優位性を周囲に見せて自滅した」だけとも取れる。
朱音は、純佳に執着するだけ執着して純佳に図々しいと煙たがられてしまったのだ、と。思った。個人的には、朱音に唯一手を差し伸べようとした莉苑が、朱音の待つ屋上に行けば助かった命だったと考えた。
二つ惜しい点を挙げたい。
一つは、アンケートに答えた人物で章立てが為されていたが、章末のサブタイトルは不要ではないかということだ。なぜなら、それにより章毎に完結しているように見えてしまう。朱音と純佳は互いの思惑を相補し合っていたが、章を跨いで関連し合うことを想起させてほしかった。
もう一つは、行動における心理を上手く回収し切れていない点だ。それぞれの人物の言動に隠された心理と行方は読者の想像に委ねる内容になっている部分がある。ミステリとも学園ものとも取りづらい中途半端さがあると感じた。減点星-1です。
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赤根が学校の屋上から飛び降りた。それぞれに揺れるクラスメイト達。朱音はクラスの女子全員に死ぬから屋上に来てほしいと、手紙を机に入れておいた。でも、誰も来なかった。ただ一人、幼馴染の純佳だけが遅れてやって来た。そして朱音は飛んだ。
関係する6人の高校生たちと朱音のそれぞれをたどり、朱音の遺書と本心を最後に明かす。
朱音のエゴと言ってしまえばそれまでなのだが、あまりに幼い思考に恐怖すら覚えた。
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読み終わるまで女子高カヌー部の話書いた人だって気が付かないで読みました。まさかあの爽やかの権化のようなお方が、こんなダークサイド学園ミステリーを書くとは。
ある日屋上から投身自殺を遂げた「朱音」を取り巻く生徒たち一人一人を主人公にした、章立てのミステリーになっております。
第一章から投身自殺をたまたま撮影した男子生徒が、SNSに身動画を投稿する辺りからうんざりした気持ちになりました。ああ、また屑どもが跋扈する学園ものか・・・と。
しかし、読み進めていくと先の読めない上に、一人一人のエピソードに痛みとドス黒さがあり、先に進めば進むほど止められない止まらない状態になります。
これは全く情報入れずに読んだ方が楽しい本なので詳しい事は書きませんが、最終的に近本の主人公は誰なのかな?と考えて読むと面白いかもしれません。
重大な鍵を握る少女の存在がこの話の面白さを一段上に引き上げていると思います。
ミスリードっぽい所もありますが、そこはひねくれ尽くしたミステリーミスリード界隈としたら、全くかわいいものです。ちなみにミスリード嫌い派なんで逆に好感持ったくらいです。
個人的に超おススメ。
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進学校の空気、一人称の書き分けが見事で、高校時代に意識が引き戻された。章の終わりに明かされるタイトルも、ウィットが効いていてクスりとしてしまう。
すごくワクワクして読み進めていた、
だからこそ、朱音の人物像がわかってくるについて嫌な予感が…。
後味はかなり悪い。
読んでいる時のワクワク感で評価するなら星5だが、私なら友達には勧めないだろうということで星3に。
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高校の屋上から川崎朱音が飛び降りた。幼馴染の純佳の目の前で。飛び降りた瞬間からは動画でネットに拡散され様々な人の目に。彼女が飛び降りた理由は?苛め?それとも?クラスメイトや仲の悪かった人物、友人の友人や恋人、そして純佳の視点で朱音を取り巻く状況が語られ、飛び降りるまでの経緯が見えてくる。ある人物が語る真実が次の人物では解釈が変わっていき、人は他人にはそこまでは興味がない事、だけど周りの視線を気にして足掻いてしまう高校という狭い世界の中で淀む閉塞感がリアルに響いてくる。それぞれの立場からの真実が語られた後、最後の朱音の章で痛感する「世界は君の思い通りにはならない」が鳥肌。ラストページのタイトルに添えられた手書きの文字が全てか。上手い。
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出てくる人達がほぼ全員少しずつ狂ってて怖い。
前情報無し。ポップな表紙に惹かれて手に取ったけれど相反する後味の悪さ。巻末の手書き文字怖い。
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少女が自殺した。
そのことについて同級生6人(と本人)が回想し、なぜ死んだのかを考える話。
いじめがあったと考える子、落ちる瞬間を動画に収めて悦に浸る子、本意を知って行動する子と、あえて行動しない子。
それぞれの視点は、それぞれちょっとずつ歪んでいて、だけどまるでパズルのようにきれいに真実にはまっていく。
彼女の「計画」は成功するのか。
自殺は復讐にはならない。死んでも、いずれ一切なかったかのように周りは日々を過ごす。
「世界は、生きている人のためにあるべきだからだ。」
ミステリーかと思いきや、最後はちょっとホラーだった。