紙の本
登場人物に魅力なし
2019/01/25 01:49
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投稿者:葉隠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物に魅力がないので、読み進めるのがつらかったです。
魅力がないのに無駄に物語が長いからしんどさ倍増。
紙の本
塾を経営する困難な時代を表現しています
2022/05/29 07:40
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投稿者:みえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
気の強い女、気の弱い男、という登場人物が多く占めています。文部省に敵対心を持ちすぎて、イヤな気持ちになりました。
最初は、戦後の大変な時期に塾を経営する敏腕女性の話が面白く、引き込まれましたが、あまりに時代設定が長く、主人公もコロコロ変わるので、徐々に飽きてきました。みんな我が強く個性的過ぎて、ちょっとゲンナリ。家族がわだかまりをなくして再集合した辺りで締めくくったら良かったと思います。
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親子三代に渡る教育大河小説
長く児童文学という形で子どもに関わってきた作者ならではの視点はどこまでもまっすぐで潔い
学校教育で1人1人と向き合って
それぞれの個性を伸ばす教育を行うことは難しい
これはどの時代でも同じこと
でも近年特に意志を持たない虚無の目をよく見る
わからないからやらない
恥をかくから手を上げない
子どもたちから主体性を奪ったのは
1〜5の数字や⚪︎×を主観で示すようになってから
ではないか
ひとりの人間が目を手を伸ばすことができる人数は少ない
その限られた人数で飽き足らず
組織になった時対応できる人数は増えるが
初心を忘れず同じように真摯に向き合うことは難しい
教育の需要と供給はいつまでたっても
対応することはなく
子どもたちを主として語られることも
なかなか難しいと思うとやるせないなと思ってしまう
作品を通して刺激がたくさんあった
まずはスホムリンスキーを読もうと思う
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『欠けている自覚があればこそ、人は満ちよう、満ちようと研鑽を積むのかもしれない』
三日月の自覚はあれど研鑽には程遠い毎日を送っている我が身を棚に上げても、子供達に関わる大人の心の片隅に遠くても手が届かなくても目指すべき満月があることを願ってしまいます
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テーマもユニークで、ストーリーも3代に渡る充実したもので、楽しめた。語り口を大変よく、かなりの長文小説だが、引き込まれて、楽しんで読み勧めた。同作者の風に舞い上がるビニールシートもテーマが面白くて楽しめたが、他の小説も読んでみたくなった。
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戦後教育史を背景にした、大河小説。すごい本だ。森絵都さんは、なぜ、こんな本が書けるのだろうと思う。
テーマが、教育史というのだけでもすごい。「教育」には、本音と建て前が入り乱れ、実像が分かりにくい。文部省の施策だけを並べてみても、教育史の本当のところは、見えてこない。
自分の子に高い教育を受けさせ、将来は人よりもいい生活をさせたいという、ひと昔前の庶民の願望が、塾の隆盛をよんだのだろう。私も、塾に通っていた頃があったけど、塾のことは大っぴらに言うべきことではなく、特に、学校では内緒で、だけど、塾での友達は、学校での友達とは少し違ってて、それはそれで楽しかった。この物語は、影の存在である塾を経営することになる家族の物語。
戦前戦後の教育のあり方に怒りを覚える一人の女性が、満足な学歴はないが、子供に勉強を教えることに天分のある青年と出会う所から物語が始まる。少なくとも前半の主要人物である彼女は、まるで信長のように、自らの信念に従い、のめりこむように塾を経営する。どう見ても、人から慕われるタイプではない彼女が、晩年に差しかかった頃、絶交していた娘と再会し、野菜の値上がり一つをとっても、昔は教育の材料になったものだと語るところなど、胸を突かれる。この報道の発信源はどこか、野菜の高騰が冷夏によるものであるとするのは誰の判断か、このキャスターにこのニュースを読めと指示したのは誰か・・・あらゆる角度から、みんなで検討し、何事もうのみにせず自分の頭で問い直すことを学ぶのだと。
自分の頭で考える力を伸ばす教育への思いが、後半に向けて、行間から感じられる。誰かにとって都合のよいタイプの人間を点数で競争させて大量生産するような教育ではなく、不条理に抗う力を身につけるための教育。
というのも、この物語の一面に過ぎない。夫婦の物語であり、母と娘の物語であり、未開の大地を進む人たちの物語でもある。昔の先生方の息吹を感じることもある。
そして、この家のペットの変遷・・・野良犬出身のショコラ、猫のしろう、フェレット、亀と数えるだけでも、面白い。
今日もまた、教育に関する報道がやかましい。神戸市のベテラン教師から若手教師へのいじめ問題や、民間の英語検定試験の入試への導入についてのいざこざやら。教育についての不祥事の報道は、後を絶たない。だけど、大事にしないといけないことは、一時の報道をうのみにして批判を繰り広げることではないのだろう。
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昭和から平成にかけて、教育行政と塾業界と社会の関わりを背景に大島吾郎とその家族が歩んだ道を登場人物の心情と共に見せてくれる。彼はのんびり、妻はシャカリキ、子供たちは様々に。
私が過ごした小中高時代の教育と自分の子供たちが受けた教育を深く考えた事は無かったと気付く。教育だけで人間が出来上がるわけではないけれど、人としての核をどう作るかは大事だと思う。
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新刊の広告を見て、早速とばかり本屋さんに行く。
昭和36年に千葉で学習塾を立ち上げた夫婦と家族の50年に亘るお話しが600余頁にずっしり。
細かな経緯の描写を排して昭和から平成の時代をダイナミックに切り取る章立て。
淡々とした筋の運びだが、私たちの世代が歩いてきた道と重なることもあるからか、何気に最初から惹き込まれる。
教育に対する思い、教える側と教わる側の呼吸、理念と経営の両立、夫婦の情愛の機微、子育ての苦労、血の繋がりの不思議…、色んなテーマが綯い交ぜになった連続テレビ小説の体。
夫々のテーマについて考えさせられるところがあったけど、仕事に悩む今の私の心には、登場人物の誰もが自分のやりたいことを探し出し人生をかけてしっかりとそれに取り組んでいる姿がしみじみ沁みた。
せちがらい競争で人生潰してきたかもしれないけどさぁ…、もう戻れないもんね。
『どんな子であれ、親がすべきは一つよ。人生は生きる価値があるってことを、自分の人生をもって教えるだけ』という言葉に、もう一度立ち上がる気持ちを貰ったと思おう。
人生まだまだ『満月たりえない途上の月』と。
最後の章だけ多少トーンが違ったが、かつて私たちが受けたに違いない“子どものための教育”が能力主義と国家主義に取って代わられてきている現状に対する失望と憤りが、小説として無理のない形で分かり易く語られていて、これには共感。
全編通じて、色々響くところがあったが、最後の終わり方も余韻あり、じんわりときた。
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三世代に渡る話で長かったけど、教育がテーマでとても興味深い話だった。そしてとても大切な話をだとも思った。でも一度に読むには長すぎたような気がする。
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これは見事という他ない。教育業界のダイナミックな変化、そして大島家の奮闘に、ワクワクしっぱなし。大島家の人たち一人ひとりみんな個性が強く魅力的。吾郎さんが女性に弱かったり、千明が猛女だったり、次女が危なっかしい性格だったりと、実在の人にしか思えない。
仕事も家庭も山あり谷ありの、長い長いものがたり。塾と文部省の対立や、塾どうしの抗争など興味深い問題も多く盛りこまれ、読みごたえずっしり。
とくに最後の1章、孫の一郎くんの活動には胸をうたれて涙がとまらなくなってしまった。家業がイヤでたまらなかったのに、勉強できない子どもたちのことが心配でたまらなくなるとは。血がつながっていようがいまいが、人は人から影響を受けて成長するのだ。
教育という険しく高い山に、あっちからこっちからいろんな方角から、それぞれのルートを模索して、どうにか登ろうとする大島ファミリーの情熱がすごい。胸を打たれずにいられない。教育って、それだけ奥行きと魅力のある底なし沼なんだなあ。
八千代台に津田沼に船橋に勝田台……千葉県育ちにとっては身近すぎる場所がたくさんでてきて、それも嬉しかった。
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森 絵都さんは「カラフル」以来です。
「カラフル」は傑作でした。
当時中学生の娘にすすめて、好評でした。
今回はテーマとして「塾」を取り上げ、一家三代に渡る大河小説になります。昔読んだ北杜夫の「楡家の人びと」を思い出しました。
内容は、個性豊かな、特に性格なキョーレツな女性に、人に教える才能を持った男性が振り回される、ものがたりですね。
1970年小学校4年生の時から、塾に行っていた自分と重なると言えば重なりますが、小学校の反動で、中学、高校とは塾的なものは敬遠していました。おかけで、浪人して駿台予備校のお世話になりましたが。
5年ほど年下のいとこは、日能研というチェーン塾に行ってました。
息子がその後中学受験で日能研にお世話になった。
娘は小学生2年からサピックスに通った。
子どもたちも考えてみると、基本中学、高校と塾などへ入っていない。
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狂気と冷静の狭間。
長編は好きです。
テーマに関係なく、人間の機微が細かく描かれ、時に怏々しく、時に荒々しく、時にさめざめしく、一人の人物の起伏が心に沁みわたる事も感じれる。
3世代の長い小説になっているけど、時代でも年齢でも性別でも立場やお金すらも関連なく。
そんなどれも当てはまらず、また、どんな関係性の中でも、人が人や組織や何かを動かす時というのは、ある程度の瞬発的な狂気であり、その後に訪れる自分自身に対しての冷静さの繰り返しが、そうさせるのだろうと感じました。
「こんなふうに立ちどまり、のんびりと月を仰いだのはいつ以来だろう。全力で走ってきた~道なき道を、ただがむしゃらに、闇雲に。」-P163
私自身、今はその狭間にいるのかもしれないですね。
だからこそ、読んで心に刺さったんだと思う。
途中の何章かを、疑問に感じながら普通の物語かな?、と惰性で読んでいる時間に感じた。
最終章の新月、特に最後の数ページで心揺さぶられ、その全てを昇華させて幸せな気持ちにさせてもらいました!
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こんなに分厚い本なのに、どんどん読めた。
塾のない時代に塾を立ち上げたところから、家族の話、そして子ども、孫の歩む道へと話が流れていく。
間、時間が飛んでいるテンポのよさがまた読みやすさのポイントなのかもしれない。
子どもの貧困問題、教育格差。
メディアでは聞いている問題をフィクションの読み物で読んでここまで気持ちが震えることはなかなかないと感じた。
自信がなくてもやってみる。
その一歩が大事。
結果はついてくる。
一郎は頼れる身内が多すぎるな…とも思ったが、うじうじまずは考えてしまうというありがちな思考や、親、祖父祖母の偉大さに尻込みしてしまうところに共感。
そんな彼が一歩踏み出した行動には勇気と希望をもらった。
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本屋大賞2位受賞作ってことで、文庫化を待って早速入手。というか、2回目の恩田陸より、こっちが受賞すればよかったのに。『蜜蜂と~』をくさしている訳じゃなく(あれも素晴らしい)、公平性(?)という意味で。それはさておき、好物の”ある一家の物語”ということもあり、徹頭徹尾、ひたすら楽しませてもらいました。こんな家族の物語、としての見どころも満載な上、サブテーマたる塾のあり方の変遷も興味深く、600頁越えの長編ながら、飽きさせられることなく読み進められる内容。素敵。
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17
学校が太陽なら、塾は月。
こんなにも分厚い大長編を、夢中で読ませる森絵都の筆力!とにかく読みやすいし当たり前に面白い。
教育に真っ向から立ち向かい、激動の人生を送る大島家の話。赤坂の三姉妹がみんなユニークで面白いんだな~最も、一番は千明だけどね。夢に向かって猪突猛進なところが無謀でもありかっこいい。あと神楽坂がとてもすきです!補修を開くと決めた時、わたしも心が震えた。
吾郎さんはさ~経営とか難しいことを全部放り投げて理想論だけで生きてる気がしてあんましすきじゃなかった。女の人に弱いし!でも美味しいところは持っていくし、人生すきなことだけで生きてるし。
正直に言う、羨ましい!
最後の一郎のシーンがほっこりしたな~。
笑いもあり、涙もあり、夢中にさせる面白さだった。
要所要所に出てくる、みかづき、と言う言葉が毎回意味することが違ってそれもうまいなと思った。
最高でした。
2019.03.12