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フェイクニュース現象を計算社会科学という知見をもとに仕組みを紐解いた本。フェイクニュースを単発の偽情報として扱うのではなく、デジタルテクノロジーを駆動し、情報の生産者や消費者の様々な利害関係の中で蠢き合う「情報生態系」として捉えたのが特徴。
フェイクニュースは、人間の持つ認知バイアスをもとにSNSなどのデジタルテクノロジーによって増幅することで、人々の興味関心や偏見、経済的あるいは政治的な思惑を拡散する。事実よりも誤情報は遠く深く早く幅広く拡散し、誤情報の訂正はそれよりも拡散しずらい。また、訂正する情報を与えても様々な認知バイアスによって、誤情報を修正するばかりか、かえって誤情報を信じる信条が強化され逆効果になることすらある。
デジタルテクノロジーも、エコーチャンバーやフィルターバブルといった現象を誘発し、フェイクニュースという現象に拍車をかけている。
こういったフェイクニュースに対抗するにはメディアリテラシーやファクトチェックなどの個人や社会の取り組みを活性化させ、さらに、フェイクニュースに対抗する法の整備などしていく必要がある。
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フェイクニュースの特徴、拡散を促進させる認知バイアスと環境、対策について、わかりやすく全体像を紹介してくれる一冊。
自分の興味対象外の情報や考え方に敢えて触れることは重要だな感じた。その点で、自然といろいろ目に入ってくる図書館やリアル書店は貴重だ。
■虚偽情報を分類する三要素
種類:パロディ、誤解、嘘文脈、偽装、操作、捏造
動機:煽り、金儲け、政治的影響、プロパガンダ
様式:SNS、ボット
■認知バイアスと他人からの影響
・情報過多や時間不足による補完、単純化、一般化、編集
→見たいように見る
・感情、特に負の感情ほど伝搬する
・訂正ツイートは拡散されない
・他人の「いいね」に影響される
■嘘情報伝搬のメカニズム
エコーチェンバー:似た情報や興味関心事に閉じていく。確証バイアスと他人からの影響の相乗効果による。
フィルターバブル:パーソナライズアルゴリズムによって情報フィルターが個人別にカスタマイズされる。
■人間の注意力は希少資源
アテンションエコノミー:情報過多の社会では人のアテンションは希少資源で経済的価値がある。
■フェイクニュースへの対処
ニュースとジャーナリズムの博物館(ワシントンDC)のESCAPE:エビデンス、ソース、コンテキスト、オーディエンス、パーパス、エグゼキューションの頭文字。メディアリテラシーの要点
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本文より
フェイクニュースはなぜ生まれ、どのようにして拡散し、われわれ人類の脅威となるのでしょうか。
その仕組を理解することは、情報と虚偽情報が混在する複雑化社会を生きていくうえで重要です。
本書では、フェイクニュース現象を、情報の生産者と消費者がさまざまな利害関係の中で
デジタルテクノロジーによって複雑につながりあったネットワーク、
つまり、「情報生態系(Information Ecosystem)」の問題として捉え、
その仕組みについて紐解いていきます。
目次
第1章 フェイクニュースとは何か
一 フェイクニュースの全体像
二 フェイクニュース小史
三 フェイクニュースの科学
第2章 見たいものだけ見る私たち
一 認知の癖
二 みんなからの影響
第3章 見たいものしか見えない情報環境
一 噓がこだまする部屋
二 フィルターに囲まれた世界
第4章 無限の情報、有限の認知
一 情報過多世界
二 希少資源としての注意力
第5章 フェイクニュースの処方箋
一 偽ニュースを見抜くスキル
二 フェイクに異を唱える社会づくり
終章 情報生態系の未来
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まさに現代の問題となっているフェイクニュース。これほど、フェイクニュースが広まり、人々に害を与えるのは、人間本来の性質に加え、SNS特有の仕組み、そしてネットの進歩による情報過多の社会が、組み合わされる事で自然と広まる仕組みができてしまった。
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2018年の本だが、フェイクニュースについて考える際に抑えておきたい用語などがかなりわかりやすく整理されていたのが良かった。(エコーチェンバー、フィルターバブル、認知バイアス、情動感染など)