紙の本
失われた大切なものを徐々に取り戻す話です
2019/07/05 19:04
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投稿者:ぱぴぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとびとの失った宝物を探しに「心の海」にもぐっていく短編連作集。はじめのころは、登場人物たちのわちゃわちゃ感についていけなかったが、3巻ぐらいから落ち着いてきて読みやすくなった。
はじめの頃は、他人の失われた心の宝物を取り戻す手伝いをしていた主人公が、徐々に自分の心の宝物を取り戻していくようになる。忘れていたもの、あえて忘れてしまったものをもう一度受け入れるには、時が必要だし、タイミングもあるから、主人公がすべてを一気に取り戻さないで、4巻分かけて少しずつ取り戻していくところが、よかった。全巻通して3.5点。
わたしは海より鉱物のほうが好きだから、同じ作者の『水晶庭園の少年たち』のほうを高評価するが、海好きのひとには、こちらのほうが楽しめるかもしれない。海のシーンも多く、アニメ化したら綺麗なんじゃないかと思った。
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今回はシータがバラバラにしていった倫太郎の心の宝物を探す話がメイン
倫太郎と大空兄ちゃんの思い出の場所サンシャイン水族館を巡る
もっと生きていたいっていう大空兄ちゃんの言葉が切ない・・
ブレイクタイムは華舞鬼町シリーズのポン助が登場
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「ダイオウグソクムシのタルト」
心の傷が消えた時。
辛い思い出だとしても、誰かと共有した大切な時間として記憶の片隅にでも残しておくべきだとは思うが余りに辛いなら忘れるのもありなのかもな。
「センジュエビのハニートースト」
見つけた欠片の内容は。
忘れてしまった事を思い出そうとする時、何も記憶のピースが揃っていないとどれだけ考えても何も浮かばないのだろうな。
「ユメナマコジュエリーゼリー」
思い出した思い出の数々。
大切な思い出だったとしても月日と共に少しずつ失われ新しい思い出に塗り替えられてしまうのかもしれないが、何かの拍子に少しでも思い出せたら幸せなんだろうな。
「カワウソウォーキングタイム」
偶然出会った動物は。
何処から来たのか分かった時、別の作品に登場する彼の事を思い出しこんな子だったなと少し笑ってしまったが彼が今存在する種の中で最後の一人かもしれないと考えると別の種のカワウソとの会話の瞬間がなんとも言えないワンシーンになるな。
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20191113読了。
一冊丸々、リンちゃんの心の海探検でした。
大空兄ちゃんとの思い出を、大空兄ちゃんの姿そのものな深海と一緒に思い返しても、怯まず前向きにとらえることの出来たリンちゃんは、とても強いなぁと思いました。
短編は、やっと確信しました。これ、蒼月さんの別作品とのコラボなんだね。全部同じシリーズのコラボか分からなかったけど、どうもそうみたい。他のシリーズも読めたらいいな。
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リンちゃんの宝物が見つかったとみる。
色んな人の悩みを側で見て、自分の悩みに向き合って、自分の望みを見つけた。これから望みを叶える強い人になっていくのでしょう。
こう在りたいね。
でもなぜか、宝物を無くした人しか見つけられない深海のカフェには入れている様子。続くのか?