ベニクラゲのように生きたいか?
2019/03/27 16:59
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
クラゲは水族館でも人気のようである。
本書は「癒し」のクラゲではなく、「若返りする」クラゲ。どんなふうに「若返る」のか。このクラゲとの出会いや研究の話も含め、著者が観察・実験してわかったことを紹介する。
ヒトとはかなり違うクラゲの一生などの基礎知識は、高校で生物をとっていても習ったかどうか、というところではある。しかし著者の文章もわかりやすいので、高校程度の生物知識があれば読むのは難しくない。クラゲの写真は少しわかりにくい(何しろ小さいし透明な部分も多い)のでスケッチなどにしてもよかったのかと感じた。
著者は「人類の未来にも希望が生まれるに違いない」「ベニクラゲの恩恵でもたらされる希望に満ちた将来を一緒に夢見ていこう」と書いているのだが、そのあたりは受け取り方は人それぞれだろう。ベニクラゲのように体細胞の一部からもう一度やり直せることが「自らの不老不死」と納得できるのか?「ポーの一族」のような不老不死でも周囲の「死」の悲しみ、苦しみはあるし、本当にみな不老不死になりたいと思うだろうか。
ベニクラゲについて、まずはわかることをしっかり伝えてほしいと思った。
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存外面白かった。ベニクラゲという一種に限ったことで、かつ、理屈も何もわかってないのだが。
筆者の研究過程も淡々と描かれてるが、そこが意外に面白かったのだ。
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若返り生き続けるベニクラゲについて、研究の第一人者が語ります。
ベニクラゲの生活サイクルや、これまでの研究生活が楽しく綴られています。
飼育しながら若返りをさせる世界一の技(忍耐力と努力)を持っていることに脱帽しました。
不老不死はいずれ可能になると思いますが、人間がそれに値する存在かについては著者同様に疑問です。
研究の進展に期待しながらも、彼らの秘儀のままで良いのではないかと思ってしまいます。
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クラゲ研究者である著者のベニクラゲの若返りについて書かれた本。「Life science(吉森 保 (著))」で 不老不死のクラゲがいると読み、本書を探して読んでみたものの、確かに若返るが、飼育では2回までしか若返りを実験できておらず、条件が難しいとすぐ死んでしまうので、不老不死というほどではない。そもそも不老でも、不死でもなく、単に若返るということ。
しかし、生体からポリプになるということは確かめられているので、条件さえ整えれば、不死かもしれない、ということで本書のタイトルになったのかと思います。
「Life span: 老いなき世界」を読んだ後に、本書をワクワクしながら読んでみたものの、若返りの機序等の話はなかったので少し残念。でも、ベニクラゲも含めて、健康寿命に関係する研究は今後も進んでいくと思われるので、ウォッチしていきたいと思いました。
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第1章 死なないクラゲ、現る
地味にスゴイ!不老不死クラゲ
老いない秘訣は紅色にあり!?
不老不死の進化は新しい
第2章 ベニクラゲの一生
クラゲはずっと“クラゲ”なわけではない!?
クラゲたちの複雑怪奇な成長過程
生き残るためには二刀流が基本
第3章 ベニクラゲとの日々
運命の出会い
すべての原点は海にあり
進化の謎ときは種の分類から
第4章 若返るベニクラゲ
日本産だって若返る
突き刺し実験で急所を発見
若返りのトリガーは無限にあり
第5章 人間は不老不死になれるのか
死の起源、不死の起源
ベニクラゲと人間のつながり方
若返りのメカニズム
永遠の生を得るために必要なこと