紙の本
幸せという美しい蝶
2019/04/04 16:14
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
国連による「世界幸福度ランキング2019」が先ほど発表されていました。
それによると日本の幸福度は58位。
その順位を高いとみるか低いとみるかはそれぞれの判断ですし、そもそも幸福度などを比較することに意味があるのか、幸福は自身が感じることで人から言われるものでもないと思います。
但し、いつまでも消えないいじめの問題や児童虐待、あるいは親子の間の殺人など、人を思いやる気持ちが薄れているように感じる昨今で、幸福といえるとも思えないのですが。
この本は詩人谷川俊太郎さんが書名のとおり「幸せについて」記した短文を集めています。
どのページを開いても「幸せ」について書かれていて、例えば「水はひとしずくでも幸せ」といった本当に短いものもあれば「幸せはささやかでいい、ささやかがいい、不幸はいつだってささやかじゃすまないんだから。」といったものもあります。。
ちょっと沈んだ気持ちになった時、この本を開けば少しは「幸せ」になるかもしれませんが、最初に書いたように「幸せ」は自身がそうだと感じれば「幸せ」だろうし、人から教えられるものではありません。
私はこうして谷川さんの本を読めただけで「幸せ」ですから、他愛もありません。
ちなみにこの本の「あとがき」で谷川さんはこんなことを書いています。
「幸せについて語る言葉は掃いて捨てるほどありますが、どれも明快なものではありません。幸せという美しい蝶は、ピンでとめて標本にすることが出来ないもののようです」。
どうか、美しい蝶をのがさないように。
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谷川さんが幸せについて思うことを
自身が読者に語りかけるように
温かみを感じる言葉で綴られています。
とても読みやすいため、
私は一気に読み終えました。
読み終えた後も、
心が疲れた時などに
またページを開いて何度も読み返したくなる1冊です。
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20181223 詩人の表現方法はひねくれてて美しい。普段考えない方向からの幸福論。読みやすくスイスイページをめくってしまうが後で何か凄い事を読み飛ばしたと言う記憶が残る。何度でもどこでもページを開けば幸せに逢える。
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幸せ、という言葉を聞いたとき、私はじんわりあたたかい“温度”とささやかさをイメージするなぁ。
なんて思ったりした。
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幸せは特別なことじゃなく自然なもの。肩に力を入れ幸せを語るような部類ではなく、もっと自然体で起こるものなんだなと。短い文章だけど、一言で本質を突いている。それでいてあたたかい。
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救われる
そうだ、自分は間違いなく生きていた、
そして幸せであったと気づくことができる本
じっくりじんわり沁みていく
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わらう
いくつことばを
おぼえても
かなしみは
なくならない
だからいまここに
わたしはいて
おかあさんに
わらいかけるの
芝生、地球へのピクニック、そして絵本かないくんへと続いていく谷川俊太郎さんの生きるとか、死ぬとか、幸せについて考えさせられる一冊。
わたしは、幸せというものについて、こんなに真剣に考え、内省したことはなかったかもしれない。反省と後悔も込めて、読んでいる。
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じんとした。
ときどき思う、
死んでからヒトは、生きていたことが、
生きているだけでどんなに幸せだったか
悟るんじゃないかって。
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自分の中のカテゴリを悩むところ。。
一言一言があたたかい。それに尽きる。
肯定するでもなく、否定するでもなく。
幸せとは結局なんなのか。それぞれの幸せがある中で、考え方の豊かさを知ることができた。
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谷川俊太郎も、言葉にならない言葉を喋るのか、ああ俺だけじゃないのかと安心した。ぐえあああぼあんっとか、そういう俺とマイケルが宇宙言語、あるいはマッシュ語って呼んでる言葉に、ばかばかしいことには、野放図なエネルギーが溢れてると言ってる。その通りなんだ。
それから、それぞれの詩も穏やかにいろんな形の幸せを描いてくれることで、ぼんやりとした幸せの輪郭、見えてるようで見えない、持ってる時には気づかないけれど、探そうとすると消えてしまう幸せという言葉を優しく表現してくれてる。
巻末のことばも、よかった。ささやかな幸せ。コトバがあるからある幸せ。言葉がなければ、不幸せにもならなかったかもしれない。でも、このことに気づけた幸せは感じる、そんな矛盾や曖昧さが真実であると。僕も、そう思う。
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今月で88歳になられた谷川さんの幸せについての考察。
幸せというものは人それぞれだけれども、普遍的な幸せというものもあって
「目の前にいなくても、その人がいると思うだけで幸せになれる、そんな「その人」がいるのは幸せだ。」
きっとこの幸せは人種も年齢も性別も関係ないんだろうな。
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幸せについて、という本をコーヒー片手に家でのんびり読んでる休日。
間違いなく幸せ。
まだ谷川さんほど達観してなくて、過去も未来も気になるけど。
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過去が気にならない、未来も気にならない「いま、ここにある」のがぼくの考える幸せの基本形です。
これは共感できました。その他にも素晴らしい詩がありました、また少し歳を取ったら読み直したい。
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ホモサピエンスは群棲動物だから、生まれた直後から立って歩くようなことはできなき。どうしても他の存在に依存せざるを得ない。否応なしに他に依存ないしら他と協力して生きざるを得ないのが人間で、幸せもその事実と切り離せない。
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心ががくがくっと崩れそうな時に、さらっと読める。
本を読むのは少し疲れるな、と言うときや寝る直前におすすめ。
プレゼントにもいいとおもう。