紙の本
300年をたどる
2021/03/16 18:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の漫画史をたどる意欲的な一冊。
思っているより深く長い漫画の歴史。
今までの流れと記録かメインなのであまり読む部分がない。
投稿元:
レビューを見る
「日本の漫画本300年:「鳥羽絵」本からコミック本まで」
さあ、振り返ってみる。
日本が世界に誇るカルチャー「漫画」には、300年ほどの歴史がある。鳥羽絵と言う存在があったからこそ、我々は漫画を楽しめている。
鳥羽絵は江戸時代中期に大坂で流行った滑稽な絵である。手足が異様に細長く、目は黒丸か「一」文字に簡略化され鼻も低く大きな口を持ち、誇張と動きがある。鳥羽絵は日常生活に潤いをもたらしていく。その後、画図百鬼夜行などの妖怪物、北斎漫画、奇妙図彙などの遊び絵物といった劇画本が続く。江戸中期、明治、大正、平成と徐々に我々が知っている漫画に近づいていく。
経過した時間は300年。これは長いのか短いのか。個人的には短いと感じる。たった300年で、一枚の絵から本の形式が生まれ、物語が創られ、人々に潤いや夢、勇気をもたらしていく。そして、日本文化の一部となって、今は世界に誇るカルチャーだ。こりゃ凄い。
驚いたのは漫画の歴史には、外国人も関与していたことだ。特に明治前半な劇画本が最も停滞した時代であり、文明開化運動と近代化政策により欧米の漫画文化も流入してきた。この時、最も影響を与えたのはイギリス人のC・ワーグマンであり、彼が主宰した「ジャパン・パンチ」である。また、明治20年代から劇画本を刊行したのは、フランス人のG・ビゴーと小林清親である。
特に、G・ビゴー。やたらに出てくる。代表作「あさ」の登場は突然だった様だ。石版刷なのだが、今で言う切り絵のような仕上がり。日本の政治家の夜の楽しみである大商人が招く宴会を描く18コマの影絵漫画だ。小さい絵が挿入されており、全てが見れないのが残念で、展示会があれば是非見たい。当時の時代を風刺してるのだろうが、とにかくめちゃおしゃれに見えるのだ。
おしゃれ映えでもう一つ挙げるならば、河鍋暁斎による骸骨シリーズだ。躍動感ありコミカルで、明るい。このセンス、間違いなく今も通じるなとニヤニヤ笑。というか、たまにある骸骨キーホルダーのあの骸骨って、これが原点じゃないの?と笑。とにかく必見であります!
勝手に気になったのは、平成期で登場する漫画たち。そのセレクト基準が気になる。ゴリラーマン、ベルセルク、幽☆遊☆白書、クレヨンしんちゃん、コナンにるろうに剣心と数々の作品が登場する。
あれ、ドラゴンボールは?見落としたのかな?ヒストリエは、なんか嬉しいチョイス!パノラマ島綺譚て?荒木飛呂彦はこの作品?ゴールデンカムイ、あざす!などなど色々ぶつぶつ言ってしまった。どんな基準なんだろうか。
全体的に歴史を追っていくまでの書きぶりではなく、鳥羽絵からコミック本まで、簡潔に記されているのは少し残念ではあるが、江戸期や明治期を振り返る機会はそうそうないので、その点で言えば適切な本である。喚起されて、展示会があれば、行きたいと思った。
投稿元:
レビューを見る
江戸時代の鳥羽絵(目が点、長い手足)から、明治のポンチ絵、マンガまで。風刺画で有名なビゴーが日本にいて、色々な絵を描いていたとは知らなかった…戦後のマンガからは、よく知っている作品の紹介になります。最後は「BEASTARS」など。