紙の本
☆魔眼の匣の殺人☆
2024/04/21 10:34
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投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
《クローズドサークルと予知能力》
これが、今回の事件のメインテーマであろう。
前回の凄惨な事件から数か月が経ち、比較的落ち着いた日々を葉村と剣崎は送っていたのだが・・・ ある雑誌の記事をきっかけに、事件へと足を踏み入れてしまう。雑誌には、あの前回の事件を予期していた謎の人物や、班目機関と思われる話が掲載されていたのだ。
調査をすべく、葉村と剣崎は真雁村に足を運ぶのだが、その道中で、スケッチブックで直後の出来事を予見できる女子高校生に出会う。不思議な女子高校生達とともに訪れた村は、周辺の町に比べれば隔離されているようではあるが、人が1人もいない。やがて、墓参りに訪れた女性や道に迷った男性と歩き回ると、1軒の怪しい建物《魔眼の匣》へと辿り着いた。
「2日間で、男女2人ずつ、計4人が死ぬ。」
ここで、予言者サキミ様の以前言い放った驚愕の予言を知ることとなる。
どうやら、ここには嘗て、あの班目機関の研究所があったらしい。そして、サキミ様は、嘗て研究所の研究対象として招かれたらしい。次々と班目機関の真実が判明していくのだが、それと同時に、予言どおり、人が亡くなっていく。
これは、予言どおりの超常的事件なのか? 殺人事件なのか?
剣崎達が、信仰心に支配された事件の全貌を解き明かす。
前回の『屍人荘の殺人』は、ミステリーで攻めたいのか、ゾンビもので攻めたいのかが中途半端な気がして、そこまで面白いとは思わなかった。
今作は、個人的には、前作よりもロジック的なミステリーと、論理を超えた超常現象とが上手く融合できているような気がして、面白かった。
電子書籍
伏線回収がすごい
2021/10/30 10:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のほほんと - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の伏線回収がすごいです。途中まで全く気がつきませんでした。もう一度読み直したいと思います。続きも楽しみです。
紙の本
楽しみにしていたけど
2019/09/09 08:29
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり楽しみにしていた作品なのですが、正直に言ってやたら強引な展開とこじつけが気になりました。
奇をてらい過ぎ。
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本当によくできてる。
事件の解決も鮮やかだし、そこからさらにオチがあるのは驚いた。
斑目機関という設定のおかげで今作の予言やネタバレになるので書かないが前作のある要素等の非科学的、非現実的な要素も受け入れやすい点もいい。
次回作を匂わせる終わりだったけど次はどんな設定で勝負をするのか今から楽しみだ。
これからのミステリ界を牽引する作家になると思う。
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せ、切ねえ………!
ミステリに女は不要論者の私ですが、比留子さんは別です!例外中の例外です!彼女はどうしてあんなに魅力的なんだろう?葉村くんも勿論魅力的ですし、明智さんも魅力的でした。本当に素晴らしいシリーズが生まれたものです。次回作はいつでしょう…!(少しは「待て」を覚えろ自分)
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面白い。前作ほどのインパクトはないものの、スーパーナチュラルな要素を絡め、二重三重に論理的に展開して行く解決編は、読み応えがあります。苦言を言えば、小説的には、早々と死んでしまう登場人物が勿体無いように思うのですが、本格推理もののロジックとしては、これで良いのかな?
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シリーズ2作目。
前作ほど驚きは正直なかったけど、充分楽しめた。
前作はゾンビ。今回は予言と合わせる物を生かし読ませるのがすごい。
斑目機関の謎が深まるばかりで、次作が早く読みたい!
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オカルトチックな特殊ルール下のクローズドサークルにおけるロジカルな本格ミステリ、第2弾。
前作よりも「特殊ルール」はライトだが、探偵役がロジカルの鬼と化す推理パートは最後の最後まで激ハードかつスリリング。
新たな本格の旗頭となるでたろう本シリーズの萌芽を見ることが出来たことが素直に嬉しい。
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図書館より。
ようやく読めた!でも、何となく消化不良気味か。
サキミとか、預言はあんまり信じてないからか(トストラダムスは楽しんだけど(笑))、正直読むのがツラかったかな。
最後に意味深な呪いの方が気になったよ(笑)
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やっぱりインパクトは前作が上なんだけど、設定を生かした作りは今回も健在。
序盤のあれ嬉しかったから続けて欲しいな。
次回作も匂わせてたから楽しみ。
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前作の『屍人荘の殺人』も面白かったのですが、本作でも予言や超能力といったオカルト要素とクローズドサークルなど本格ミステリーがうまく融合していて面白かった!至る所にミステリーファンを楽しませる要素が盛り込まれているところも楽しい。
葉村君と比留子さんのコンビの活躍と、誰が犯人なのか、どんなトリックなのか先が気になって一気に読んでしまいました。続編が楽しみすぎる!
余談ですが、劇場版『屍人荘の殺人』を観てしまったので、葉村君と比留子さんは神木くんと美波ちゃんにしか思えず、ずっと二人をイメージしながら読みました(笑)。
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「魔眼の匣の殺人」
ミステリ界を席巻した「屍人荘の殺人」シリーズ第二弾。
「屍人荘の殺人」では、思わぬ形でクローズドサークルを完成させた。加えて、主人公でホームズ役だと思っていたキャラの意外な展開と剣崎比留子の背負った運命、葉村譲を巡るホームズ対決とネタが詰まっていた。今回は屍人荘を引き起こした元凶と思われる斑目機関に一歩近づく。ほんの小さな一歩ではあるが。
斑目機関とは、葉村譲と剣崎比留子、そして旧ホームズ・明智恭介が巻き込まれた娑可安湖事件の首謀者の私物と見られる手帳に書かれていた組織の名前だ。その後、比留子の知り合い探偵による調査で、斑目機関の組織が戦後確かに存在したこと、贅沢な資金を投下していくつもの研究を行っていたことが分かる。斑目機関の研究を知った首謀者が、研究成果を悪用したことにより、娑可安湖事件が引き起こしたのだ。
その斑目機関が、あるオカルト雑誌の記事に登場したことから今回の物語が始まる。その日、“魔眼の匣"を葉村と比留子を含めた九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主であり、予言者と恐れられる老女・サキミだ。サキミは来訪者達に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げる。そして、外界と唯一繋がる橋が燃え落ちる。
外界と唯一繋がる橋が燃え落ちることで、クローズドサークルが完成する。前作では思考を凝らした形だったが今回はシンプル。代わりにサキミの予言で次々と死人が出るミステリに力を入れている。ミステリ小説の小ネタが組み込まれ、犯行には正統派な香りがする。また、予言により犯行の動機付けもされている。閉ざされた空間にいる上に絶対に当たる預言者の未来。この二つにより、犯罪が誘発される。
この上にもう一人の超能力者である十色がスパイスとなり、一段階複雑なミステリになっている。十色の底知れぬ未知なる力が四人の死を暗示するが、それが人によるところなのか、サキミの予言通りなのか分からない。彼女の力を逆手に取るように仕上がっている辺り上手いな〜と。
葉村と比留子は、彼女達のような力は無いが、代わりに実務に精を出す。四人の死の謎を解く仕事だ。この謎解きには比留子の強い想いが込められる。前回には見せなかった攻撃的な意思だ。十色と自分を重ね、一人また一人と死んでいく真相を突き止める。しかし、真相を突き止めた時の比留子の胸のうちは計り知れない。予言を考えればそれは意味をなさなかったからのだから。そして、真相を突き止めた後、比留子はもう一つの真相を暴く。
前回は葉村が壮絶な体験をするが、今回は比留子である(とは言え葉村はまだ完全復活とはいかず、中盤までワトソンになれないままであるが)。しかし、前回との違いが一つある。それは比留子と葉村の信頼関係だ。自らの運命から人を遠ざけようとしていた比留子にとって、葉村はかけがえのない相棒になっている。だからこそこの予言による呪いのような事件に立ち向かうことが出来たのだろう。
終わりを見るに次回作は間違いないなさそうだ。斑目機関に関わる過去が少し明らかになり、これからどうなるか注目。
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比留子さんシリーズと言っても二冊目の著書だが。
今回もオカルトミステリでクローズドサークルで班目機関である。予知能力者サキミにより4人の死が予告された村に、比留子さんと原口君の他、もう一人の予知能力者の女子高生、その友人、大学教授親子、バイクのイケメンツーリストに、村の住人関係二人がサークル内にいる。
そこで事件が起こり始め、比留子さんは予言の阻止を目論み、色々な策を練っていくが、予言は次々と現実になっていく。事故か自殺か殺人かも良く判らないまま予言期限は刻々と過ぎていき、このドキドキ感が(前作も)この作者の大きな魅力である。
謎解きは難しい。人間心理的に追い詰められればそうなのかなと思うし、話の筋も(前作もそうだが)細かい所も注意して読んでいれば…と後悔。(プレゼントの会話とかも不自然だと思っていたのだが)ラストも更に深い話があり面白かった。
斑目機関の謎も残ったまま解明されていないし、次作も期待。
比留子さんは実に良い。雰囲気も話し方も大好きです。
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前回の屍人荘の殺人も斬新なクローズドサークルの作り方で面白かったが、今作は前回のあの驚きはないものの、前作よりも更に緻密なトリックとストーリーは読みやすいく、とても読み応えがあり、一気に読んでしまった。
私の読解力の問題かもしれないが、若干わかりづらい部分があったのが少し難点。しかし、未来視という超常現象ゆえに引き起こされる事件と物語に散りばめられたキャラクター達の裏面が非常に論理的な推理によって鮮やかに詳らかにされていくのはとても面白かった。
また、最後に主人公達の今まで見えてはいなかった一面が明らかにされて物語が結ばれるのは次回作への期待が更に高まった。
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シリーズ2作目。
デビュー作でもあった前作はかなり話題になったが、本書も既に評判になっている。それが納得出来る作品だった。
さて、前作とは違い、本書にははっきり『続く』となっているわけだが、3作目が一体どういう仕掛けになるのか、今から楽しみだ。なるべく早く出るといいなぁ。