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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生からすすめられました。高校生でも、わかりやすくダーウィンな、170年ほど前に、唱えた進化論のその後……。大人とはいえ、大して
生物学の知識無い者にも、分かりやすかったです。
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いやあ、おもしろい。そして、わかりやすい。読んでいるときはよく理解できた、と思う。けれど、いつものことながら前半で残っているのは「退化は進化の一種だ」という名言だけだ。そう、進化というのは何もより良くなるということばかりではない(何を良しとするかはまた別問題だが)。時代を追って変化していくということが進化の意味するところだから、退化だって立派に進化なのだ。後半の最近読んだ章は具体例も多く、いくらかまだ覚えている。ほ乳類の歯は、特殊化しているため作るのが難しい。よって生え変わるのは1回だ。だが、作りが簡単な魚類とかは虫類の歯は何度も生え変わる。恐竜の化石といっしょに羽毛の化石が見つかっている。羽毛というのは体温を一定に保つために持っていたはずだ。よって恐竜は恒温動物であったのだろう。マグロなどの魚は泳いでいないと死ぬ。呼吸ができないからだ。口から入った海水がえらを通ることで呼吸をしている。えらで酸素を得た血液は全身に運ばれる。心臓にもどってくる頃には酸素が少なくなっている。進化して肺ができると、取り込んだ酸素はまず心臓に運ばれ、それから全身に行くようになった。人類が直立二足歩行をするようになった理由。サバンナに出ても直射日光を浴びにくい。しかし、森の中にいる頃にすでに直立二足歩行を始めていたらしいので、この理由は成り立たない。立ち上がることでまわりがよく見渡せ、大型の肉食獣から身を守ることができた。しかし、二足歩行の人類は足が遅い。クマにだって勝てない。だから逃げてもムダである。よって、遠くが見渡せるというだけでは理由にならない。直立二足歩行はそれほど良いものではないのだ。人類は集団で生活しながら一夫一妻制で子育てをするようになった。オスとメスの割合がほぼ同じくらいで、メスの発情期というものがなくなったため(常に発情期になったため)メスを奪い合う必要がなくなった。それで、犬歯が小さくなった。と同時に、二足歩行であいた手を使って食料を運ぶことができるようになった。こうして子孫を多く残せるようになる。これならば、唯一人類だけが直立二足歩行へと移行してきた理由としてもよさそうだ。こういった研究も日進月歩のようだから、これからの動向にも気をつけていきたい。
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タイトルに引かれて。
前半授業、後半課外活動。
ダーウィンの種の起源から熱量が増した進化論の中で、ダーウィンの提唱した説と、今の進化論と、その他の多くの人が提唱した進化論を比較し、何が違うのか、どういった意味なのか、今の進化論でいうとどれに当たるのかなどを解説している。
課外活動部分も面白い。恐竜から鳥への進化や、人間の進化について仮説、著者の考えが書かれている。
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自然選択だけが、進化を引き起こすわけではない。
どちらの遺伝子が伝わるか、は偶然による。
そのため、遺伝子の出現頻度が集団の中で変わる。
これを遺伝的浮動といい、これも進化を引き起こす。
後半は、人間がなぜ、直立二足歩行か、の話が特に面白い。
直立二足歩行により、食べ物を持ってこれるようになる。
そこでとくをするのは、配偶者と自分の子供、
このとき、子供が自分の子である可能性がたかいほど、
運んでくる方にメリットがある。
直立二足歩行と同時に、人類は牙をなくす。
これは、オス同士が争う必要かなくなったから。
それは、一夫一妻という形態をとったから。
このため餌を運ぶ相手は、自分の子、となる。
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進化論の変遷や詳しいことを知りたいと思って手に取った。前半は非常に自分の需要にマッチしていて、ダーウィンの進化論がどのように解釈されたり誰がどのような主張をしたりしたかがまとめられていてよかった。
しかし後半はちょっと違う毛色だったので残念だった。
欲を言えば中立説などの話については数学的な解説が欲しいと思っていたので、他の本をあたってみようと思う。
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ダーウィンの進化論についての自分もどれだけ誤解していたか、理解が表面的だったか気づかせてくれたのは○。教科書寄りの淡白さが少し残念。素人向けにはもう少し図表を増やしたり、噛み砕いて説明してくれた方がよかったです値。
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イギリスには王権神授説のジェームズ2世を断首刑にした実績があり神意よりも民意を優先/生命の目的とは?“生命の継続、発展”/19世紀には数々の遺跡、発掘化石から目をそらし「世界はBC4000年に始まった」と敬虔に信じられていた/進化evolutionとは環境に有利なように変わること。情緒的価値判断を採らなければdevolutionと同義/20世紀後半、戦勝国の“平和攻勢”によって人類個体数は4倍に/マルサスは増えすぎた人口は負の圧力を受けると説いたが、ダーウィンも天敵がいないヒトが生態系を破壊する危険を警告
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更科功(1961年~)氏は、東大教養学部卒、(民間企業を経て大学に戻り)東大大学院理学系研究科博士課程修了の生物学者。東大総合研究博物館研究事業協力者、明大・立大兼任講師。専門は分子古生物学。進化論、生物学に関する一般向け著書多数。
本書は、ダーウィン及び進化論に関して、そもそもダーウィンの考えを間違えて理解している、或いは、現在の進化生物学とダーウィンの進化論が異なることを知らないなどの理由により、多くの誤解を受けているとの認識のもと、(第1部)ダーウィンを中心にして、誤解されやすい進化の学説について、(第2部)生物の進化の歴史において、誤解されやすいポイントについて、解説したものである。
章立ては以下の通り。
<第1部:ダーウィンと進化学> 1章:ダーウィンは正しいか、2章:ダーウィンは理解されたか、3章:進化は進歩という錯覚、4章:ダーウィニズムのたそがれ、5章:自然選択説の復活、6章:漸進説とは何か、7章:進化が止まるとき、8章:断続平衡説をめぐる風景、9章:発生と獲得形質の遺伝、10章:偶然による進化、11章:中立説、12章:今西進化論
<第2部:生物の歩んできた道> 13章:死ぬ生物と死なない生物、14章:肺は水中で進化した、15章:肢の進化と外適応、16章:恐竜の絶滅について、17章:車輪のある生物、18章:なぜ直立二足歩行が進化したか(Ⅰ)直立二足歩行の欠点、19章:同(Ⅱ)人類は平和な生物、20章:同(Ⅲ)一夫一婦制が人類を立ち上がらせた
私はこれまで進化生物学に関する何冊かの本を読んできたものの、著者が懸念する通り、ダーウィンの考え、ダーウィン後の進化論の進展、対立する学説の位置付けなどが整理できず、本書を手に取ったのだが、理解を深めるために以下のような説明が役立った。
◆『種の起源』の主張は以下の3点。①多くの証拠を挙げて、生物が進化することを示したこと、②進化のメカニズムとして「自然選択」を提唱したこと、③進化のプロセスとして「分岐進化」を提唱したこと。
◆ダーウィンの提唱する「自然選択」とは以下の3点を指す。①同種の個体間に遺伝的変異(子に遺伝する変異)がある、②生物は過剰繁殖をする(実際に生殖年齢まで生きる個体数より多くの子を産む)、③生殖年齢までより多く生き残った子が持つ変異が、より多く残る。そして、現在の進化生物学では、自然選択の働き方には大きく「安定化選択」と「方向性選択」があると考えるが、ダーウィンの考えは後者に当たる。
◆ダーウィン(1809~1882年)の死後、1908年に発見されたハーディ・ヴァインベルクの定理により、進化のメカニズムには以下の4つがあることがわかった。①遺伝的浮動(集団の大きさが無限大ではないこと)、②自然選択(対立遺伝子の間に生存率や繁殖率の差があること)、③遺伝子交流(集団に個体の移入や移出があること)、④突然変異。この中でダーウィンが明示的に主張していたのは②である。
◆1968年に木村資生は、「分子レベルの進化的変化の大部分は、自然選択に中立またはほぼ中立な突然変異を起こした遺伝子の、遺伝的浮動によって起こる」、即ち「自然選択による進化よりも偶然による進化の方が多い」とする「分子進化の中立��」を主張した。(この中立説は、現在、自然選択説と並立し得るとして多くの進化生物学者に受け入れられているらしい)
第2部の代わりに、第1部のスコープをもう少し広げてもよかったとも思うが(私の疑問の一つだった「マルチレベル自然選択」などについては触れられていなかった)、進化論の歴史と主要論点がコンパクトにまとめられた良書と思う。
(2021年10月了)
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ダーウィンが「種の起源」を出版したのは160年前のことで、その理論が今でも当時のまま、修正なしに通用するとは考えにくい。ダーウィン自身が自分の進化論では説明がつかない点がいくつかあるのを認めているくらいだし、そのあたりの間隙を埋めてくれると思って楽しみに読んだのだが、なんだか結局釈然としなかった。進化途中の化石が見つからないことや、「飛べない中途半端な翼が適者生存の役に立つのか?」といった有名な反論については、いくつかの学説を紹介するにとどまって、結局どうなんだか(少なくとも著者がどう考えているのか)よくわからない。もちろん、結論じゃなくて、進化論が進化する過程を記した本だよ、と言われればそりゃそのとおりなんだが。
その一方で、ことさらに難しい言葉を使わない説明は丁寧で、コンピュータ・シミュレーションを使った母集団の大きさと適者生存の効果などはわかりやすい。「遺伝子的浮動」という言葉は、ほかの本で読みはしたがよくわからなかったのが、本書では「なんだそういうことね」ととてもスッキリした。
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ダーウィンの進化論の正しいところ、今となってはまちがっているところ、そして進化論の現状についてまとめられた書。
最後、人類はなぜ直立歩行二足歩行を獲得したか、の締めはとてもわかりやすく納得感がある。
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ダーウィンは過去の人だが、今でも通用する部分とそうでない部分がある。
詳しい解説により、理解。
読了90分
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とあるビジネス研修で進化論の引用があってその際にあまり自分の理解がスッキリしなかった事もあり本書を手に取った。
そのビジネス研修では、要不要論的な考えで成長(進化)を無理矢理ダーウィンの進化論に結びつけていただけ。間違った進化論の理解とはこうやって(ビジネスなどの異分野で強引に結びつけ語られる) 広まっていくのか...?と気付く機会になった。
本書自体は、ダーウィンの進化論、現在の進化生物学との違いや、進化のメカニズムやプロセスなど、わかりやすく整理されつつ論じられていて、とても読み進めやすい。
今西進化論の話しは要らない気もしたが、生物の進化はそれほど多種多様な考えをもつ人々や研究者の興味を刺激するものであり、それがまた進化論の面白いところだと思った。
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ダーウィンが発見したこと、認識の誤りがわかり、原著を読む土台ができたと思う。
中盤からはダーウィンとは関係のない進化や化石の話になり、面白さが減った。
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ダーウィンの進化論を中心に、進化論の変遷や、進化生物学の考え方を学んだ。まず、分かりやすく軽妙な語り口がとても読みやすかった。
科学者といえど、それぞれの執着する価値観、世界観があって、学説が思い切りそれによって左右されているのが面白かった。科学といえどヒトの営みはそんなものなのかもしれない。
要不要論の否定や、遺伝的浮動の影響の大きさ、個体数の大小による変異への影響等、新しい考え方をたくさん学べて刺激的だった。
そして、変異(進化)は必然的に起こるがどんな方向性に向かうかはかなり偶然の要素が大きく、ある意味ではロマンもストーリーも存在しないというのが面白かった。そして進化論が依然誤解され続けているのは、ホモサピエンスがそのように理解するのが苦手だからだろうなと改めて感じた。
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・一回通読。個人的には、ダーウィン以来より読みやすく分かりやすかった
・ダーウィンの考え、ダーウィニズムと呼ばれるもの、現代の進化論、それぞれの特徴と違いが良く理解できた。自然選択の考えは現代人には直観的だが、実際には偶然の力も大きく、長い年月と環境の変化と偶然の力が重なってきたことで進化が進んできたのだなと理解した
・ホモサピエンスが直立二足歩行を受け継ぐことができた理由はとても面白く、目から鱗が落ちると共に腹落ちした