紙の本
初めて読んだ五木寛之さんの本が、この「作家のおしごと」
2019/10/10 20:03
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投稿者:るい - この投稿者のレビュー一覧を見る
一度、だいぶ以前に、五木寛之さんをテレビで拝見して、何と無く、手に取ることなかった五木寛之さんの本!この本を手に取る前に、朝日新聞で五木寛之さんについて知ることがあり。この度、「作家のおしごと」のタイトルに魅かれて手にしたら、五木寛之さんの本!読み進めていく中で、自分が読んだり、芝居を観ているゴーリキーの事、関心のある津軽の事、日本についての事などなど、自分の琴線に触れることが多かったです!
再度、ゆっくり読み直し、気になる箇所をメモしたいと思います!
ここから、五木寛之さんの他の本も遅まきながら、読みたいと思いました!
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「作家のおしごと」
ファンは必読。
小説から作詞、コラム、紀行文、講演、インタビュー、対談、ロシア文学まで。「なんでもする、いろんなことをする。それが作家のおしごと」のポリシーを感じさせるラインアップと内容。
中でも作詞家としての五木寛之は知らなかったものだから興味深かった。比叡山で親鸞が歌を書いていたことから昭和歌謡が紅白から締め出されている五木寛之の個人的な悲哀まで。更には、五木寛之が親鸞を尊敬する理由等、歌に関する思いが強い。
また、解説についてはうんうんと頷く部分がある。「ある女流作家の代表作が文庫になったときに、解説者が「私はこの作品はあまり好きではない。これよりも別のなになにのほうがいい」とか書いたことがあった。それはそれで良いのだけれど、本を買って読む人にとっては、興ざめなんだよね」
これを読んで頷いた。解説者が別の作品が良いとおススメしちゃあ、なんで解説を引き受けたの?と思ってしまう笑。五木寛之曰く、解説を引き受けることはその作品に共鳴がないと出来ないと言う。確かにきっとそうだなと思った。批評ならば良い点、悪い点を指摘していけば良いと思うが、解説の場合そうはいかない。
村上春樹との対談は、お二人とも若い頃であり、今ではなかなか見られない。五木寛之としては、対談はこれからも続けていかれるとのことだから、是非再度村上春樹と向き合って欲しいところ。因みに、話している内容は難しい笑。
総括としては、そもそも五木寛之の人生がどのような変革を経てきたかは知らなかった為、初耳が多かった。テーマ以上に五木寛之の人柄を知れて良かった。ファンならば既知なことなのだろうが。
ただ一言申すならば、病院を治すことについて。“歯医者以外は病院に行かずにやってきたが、86年も使うと左足が痛くて辛い。自分で一生懸命ケアしてなんとかならないかと思っている”とのことだが、これは治すを避けること無く、病院に行って頂きたい。今後続けていきたいと仰るライフワークの為にも。
印象深かった章:★
【目次】
第一部――モノローグ
1 作家のおしごとについて
2 ぼくの目指してきたもの
3 長く続ける中で考えてきたこと★
第二部―― 実践編
1 対談について
2 あそび(ギャンブル)について
3 歌・作詞について★
4 解説について★
5 インタビュー・写真について
6 コラム(雑文)・連載・思い出の記について★
7 「あとがき」について★
8 講演について
9 ロシア文学について
10 紀行について★
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五木寛之ファンにはたまらない本だった。装丁から構成まで著者の想いが100%入っているというからなおさらだ。
こうして様々な年代の著者の文章を読むと、昔から内容にすごい深みはあるが、年齢を重ねるごとに平易で読みやすい文章に磨きがかかってきており、文章の真髄を見た気がする。
著者の一貫した生き方には感銘を受けるが、それを端的に表現したのは次の次の文章だろう。
“いったい、お前さんは何をやってるんだ、と笑われそうですが、これが私の生き方です。「この道一筋」が尊敬されるこの国に生きてぼくは自分のドリフト走行を変えようとは思いません。スピンして引っくり返ることもあるかもしれない。コース·アウトして進路を見失うこともあるだろう。でも、そのときはそのとき、と覚悟をきめてやってきました。”
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2016年、作家デビューから半世紀の五木寛之さんのエッセイです。「作家のおしごと」(2019.2)、楽しく読了しました。石原慎太郎氏と生年月日が全く同じで、強い共感と大きな違和感を同時に感じたとか、なんとなく、その感じがわかる気がします。文学賞の選考委員も作家の大事な仕事のひとつと。五木さんは10近くの文学賞の選考委員をされています。様々な分野で活躍されてる五木さん、作詞家でもありますね。冠二郎の「旅の終わりに」(1977年)や松坂慶子の「愛の水中花」(1979年)も作詞されてます。講演もとても大切にされてるそうです。
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五木寛之氏の半世紀にわたる小説家以外の諸々の仕事の断片を、エッセイ・対談・歌詞などに分類してまとめた作品集。
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小説、作詞、コラム、講演、インタビュー、対談、紀行文、ロシア文学……。 『さらば モスクワ愚連隊』での鮮烈なデビュー以降、五木寛之さんは実に幅広く多彩な活動を繰り広げてきました。これらすべてを「作家の仕事」と、五木さんは言います。なぜ書くのか。さまざまなことに取り組む理由は何か。多彩な作家活動を支える根っこのところにある思いとは。 半世紀以上にわたる作家としての歩みを改めて振り返り、こだわりのジャンルと作品を紹介しながら創作活動への思いを語ります。
初の「職業的自伝」であり、作家活動の集大成と言える作品です。 35年前に行われた村上春樹さんとの特別対談
(以下本文より) いったい、お前さんは何をやってるんだ、と笑われそうですが、これが私の生き方です。
「この道一筋」が尊敬されるこの国に生きて、ぼくは自分のドリフト走行を変えようとは思いません。スピンして引っくり返ることもあるかもしれない。コース・アウトして進路を見失うこともあるだろう。でも、そのときはそのとき、と覚悟をきめてやってきました。この一冊のなかでお見せするのは、そんなとっ散らかしたぼくの仕事の一端です。 笑って楽しんでいただけれます。
【主要目次】 第一部――モノローグ
1 作家のおしごとについて
2 ぼくの目指してきたもの
3 長く続ける中で考えてきたこと
第二部―― 実践編
1 対談について
2 あそび(ギャンブル)について
3 歌・作詞について
4 解説について
5 インタビュー・写真について
6 コラム(雑文)・連載・思い出の記について
7 「あとがき」について
8 講演について
9 ロシア文学について
10 紀行について
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面白かったです!やはり五木寛之の文体は読みやすい。いろんなジャンルをかき集めているので、最後はちょっと薄かったかも。でも、親世代の人にここまで共感できるとは。なんでもやるってとこに共感。作詞やラジオや講演もやっておられますものね。麻雀やバイトの話も面白かった。
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https://mag.nhk-book.co.jp/article/32925
初出「小説現代」1983年2月号