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三条実美 維新政権の「有徳の為政者」 みんなのレビュー

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4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

維新150年の前に出ていれば・・・。

2019/03/17 20:48

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「あとがき」を読んで感嘆の声をあげた。本書の企画は、なんと2008年のことだったとある。この1冊の新書のために、10年以上も年月を要したことに、ただただ、頭が下がる。巻末の参考文献を確認すると、丹念に読み込む時間はどれほどのものだっただろうか。途中、思わぬ病に襲われたともある。それだけに、慎重に読み進んだ。
 三條実美は、同じ公家出身の岩倉具視に比べて、影が薄い。ところが、従来、曖昧模糊、優柔不断といわれた三條が、実は、バランス感覚に優れた宰相であったことがわかる。公家といえば、西郷隆盛あたりが見下しもしたが、三條はなかなか豪胆な肚を持つ。歴史教科書では「七卿落ち」のリーダーとして紹介されるが、この失敗にも屈しない強い意志を持っている。歴史は勝者によって作られるといわれるが、勝者である薩長藩閥からすれば、煙たい存在が三條ではなかったか。
 本書で特筆すべき点は、従来、無視されるか重要視されない太宰府滞在の件があることだ。およそ3年、三條ら尊皇攘夷派公卿は太宰府天満宮の延寿王院を基点に、全国の志士と交わった。時には、新式銃で軍事訓練まで行っている。公武合体か倒幕かと、政局が不安定な中、頑として倒幕、王政復古の意思を貫いたのが三條実美だった。
 あの薩長盟約も福岡藩の筑前勤皇党が主導したが、三條との揺るぎない信頼関係があったればこそ。月形洗蔵、早川勇、中村円太、そして、脱藩してでも倒幕へと突き進む平野國臣がいたからだった。特に、平野の『培覆論』は三條の心をつかんで離さなかった。
 現代、幕末維新史は薩長土肥を中心に語られる。しかしながら、この維新史は多角的に観なければ、なぜ、中国革命にまで影響を与えたのか理解は及ばない。単純に日本の維新として考えると、その後のアジアの歴史は不透明になる。そういったアジアを視点に入れた幕末維新として考える時、本書は一つの指針を示している。
 なお、早稲田大学の大隈重信として評価されるが、新政府では大名ばりの贅沢な暮らしぶりを送っていた。西郷隆盛との関係に軋轢が生じるのも、無理はない。人は善の部分だけを観たがるが、それを超越しなければ、真実は見えてこない。それを教えてくれる一書だった。

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2019/03/11 15:57

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2019/04/14 18:36

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2019/06/16 15:11

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