紙の本
読了感抜群の胸熱法廷ドラマ!
2019/03/14 07:51
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ttr_zero18 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新米弁護士と人生に見切りをつけた熟練老弁護士のバディ。
派手なミステリー仕掛けがなくとも、師弟愛、友情に曲げない矜持と十分な魅力がある胸熱な法廷ドラマ!
読んでいて、「あざとい展開だ」と思う邪まな気持ちを、「逆境に追い込まれようとも正義は必ず勝つ!」と応援する気持ちが上回る。
脇役も輝いている、ボーセフィスのキャラも大好き!愛犬ムッソに勲章を!
熱い展開に元気をもらった。王道だけども、読んだあとに自分にも頑張る「ガソリン」があるのだと力がでる一作です。
紙の本
予想外なことは何もないけれど
2019/12/31 14:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
訴訟大国アメリカならではの話。
ミステリ要素はほぼなく、だいたい「こうなるよね」という予測通りの展開。しかしあまりにもひどすぎるので、「ちゃんと解決してくれよ」という気持ちになってしまう。
交通事故は2009年という設定だし、教授を陥れるのにYouTubeが使われているし、まぁまぁ現在設定なのだが、トラックの管理会社の社長があまりにあくどすぎて「これ、60~80年代か!」とツッコミを入れたくなること多々・・・だからこそラストで爽快さを与えることになるんでしょうが。
作者はこれがデビュー作だそうで、「ここの場面、こんなにいらないんじゃ」とか「ここ、置いてけぼりだぞ!」と感じるところ結構あり・・・法廷ものとしてマイクル・コナリーの<リンカーン弁護士>シリーズと比較してしまっていました。 主軸がハッピーエンドだからこそ、脇役の不幸が気になります。
それとトムが大学を追われようとする騒動の意味がわからない(なんで彼が追いつめられるのか根拠が不明。 ただ彼を追い出したい人がいるだけ?)。シリーズの伏線なんですか?!
個人的に、読んでいてトムのイメージはドラマ『BULL』のドクター・ブルだった。なので作中、トムが老いぼれ呼ばわりされているのがぴんと来なくて・・・トムは68歳、いまどきは人にもよるがあまり「老いぼれ」って感じしないのはあたしがトシだから?
ま、これで次回作『白と黒のはざま』も手にできるぞ!
電子書籍
弁護士二人
2022/01/29 00:16
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
教え子と、先輩弁護士の。しかし、それぞれ、過去の恋愛がらみだとか確執だとか……人間臭く設定されています。ネタバレ少しするならば、おしまいは大団円です
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訳者の持ち込み企画で実現した翻訳だという。その慧眼が、作中の法廷での結末と同じくらいのクリーンヒットを出した。次作の翻訳も大いに期待しています。
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元フットボール王者、弁護士になりその後は大学教授と地位と名誉を手に入れたトム。60代後半になり親友に裏切られた職を失い、ガンに冒されていることを知る。ひとつの交通事故の裁判を教え子のリックに託す。事故の背後にあるもの、妨害行為とうまくいかないなかで裁判が始まる。そこからが特に面白い。展開の予想はつくけれどそれでもハラハラする。なにを守るのか、大切なのは何かとそれぞれが自問する。60代後半になろうと、病があろうと逃げずに生きるということ。トムの姿に感情が込み上げてくる瞬間がある。誰かの、なにかのために全身全霊で闘う人たちの姿が格好いい。次作もぜひ読みたい。
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アラバマ大学ロースクールの老教授トム。学生時代に同大フットボール部で全米チャンピオンとなり、卒業後は弁護士となるも恩師の導きで再びこの大学で教鞭を執り、法学者として順風満帆な人生を過ごしてきた。しかし今は愛する妻を失い、友人の裏切りから不名誉な形で職を追われ、自身も癌を患っていた。絶望の中、彼の前に現れたのはかつての恋人。娘夫妻と孫を大手運送会社のトラック事故で失った彼女は、トムに「法廷で真相を知りたい」という。ある確執から絶縁状態にあった教え子の新米弁護士リックを適任と感じた彼は、弁護の橋渡しをし自分は故郷に身を隠すが、被告である運送会社の隠蔽工作は裁判を予想外の方向へ導き……。
真実と悪、師弟愛、スポーツと友情……挫折を繰り返しながらも最後まで「正義」を諦めない登場人物たちの矜持に胸が熱くなる、痛快法廷エンタテインメント!
あまりにも善悪がはっきりしすぎて、リアリティが感じられず、そこが残念。でもリーガル物はまだまだ読みたいのです。
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骨のある小説かどうかは、どういうわけか最初のページからわかってしまう。その期待はたいてい裏切られない。ストーリーではなく、作家が書こうとしているものが、文体の後ろからにじみ出てくるような、そう、気配のようなもの、小説の持つ気品のようなものだ。
そうなるとストーリー展開も楽しくなる。なかなかタフな物語になることは、書き出しで摑めているからだ。
南部出身の法律家出身の作家は誰? 大抵の読書子ならば、ジョン・グリシャムと答えると思う。この新手の作家ロバート・ベイリーも実は南部出身の法律家なのである。先人グリシャムの権威を傷つけないばかりか、やはり米南部生まれのリーガル・サスペンスには骨がある、との好印象を深めたのが、この作品だ。
主人公は、元アラバマ大のフットボーラー、法律家として一年間、法廷経験を積んだと思った途端、母校の法律の教授として招かれたため、以後、多くの法律家を世に送り出す役目を果たすことになり、現職を続けている68歳。しかし彼に四十年ぶりの法廷という転機が訪れる。
彼が育てた法律家の、悪い種子のような若手弁護士が彼を大学から追い出した上に、醜聞の熨斗まで付けて世界から追い払おうと試みたのだ。妻に先立たれた上に、膀胱癌まで患ってしまう人生最悪のタイミングの状況下で、一件の訴訟が持ち込まれる。一家が全員巻き込まれてしまった惨たらしい交通事故、その原因となった過重労働を常態化させていた悪徳運送会社を訴訟する遺族は、教授の学生時代の恋人だったのだ。
教授生活で課題を残してしまった青年弁護士リックに託して、世間から隠遁した教授だが、彼の再生は如何に? 悪徳企業が次々と打ってくる卑劣で残酷な包囲網に対し、チームはどう闘ってゆくのか。
人生の再生を賭ける人間たちを骨太に描いて、疾走するストーリー展開が読者を巻き込んでゆくパワフルな小説。こういう小説が読みたかった。しかもこの作家は知っている。どうすれば読者が、悪党どもに怒りを感じるかを。どうすれば読者が犠牲者たちに悲しみの情を抱くかを。どうすれば、悔しさに歯噛みする想いを抱くかを。そういう悪党どもに、どのように闘ってほしいかを。
そしてどうすれば、60代後半の癌治療中の世捨て人が、難関に立ち向かおうという気持ちを再び持つほかを。どうすれば読者が心からのエールを送りたくなるかを。
本書は、翻訳者が出版社に原作本を持ち込んで出版の運びとなった作品だそうである。翻訳者の吉野弘人のグッド・ジョブに深い感謝を。さらに未訳は現時点で三作。すぐにでも次作を読みたい作家がまた一人ぼくのリストに加わった。
最後になるが、世捨人がもう一度頑張ってみることにした、その気になる転換点なのだが、最後の最後に明かされる。粋な構成である。
さらに実在のアラバマ大フットボール・チーム、クリムゾン・タイドの伝説のコーチの登場に始まり、実在のチームメンバーたちも共演する。なるほど。作者のフットボール愛の熱さが、確実に作品の熱さに繋がっていたのだ。
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謎がなく、全体的に正義真っしぐらでアメリカンな感じが私の好みではなかった。先が読め過ぎだが、痛快さを感じたい向きには面白いのかなぁと。
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アメリカの三大スポーツとされる野球・バスケ・アメフトはプロチームは勿論のこと、大学・高校レベルでも地域住民に熱狂的に愛され、選手ばかりでなく監督(コーチ)も尊敬されて、記憶に残るような試合はいつまでも語り草になっている。そんな文化的背景を濃厚に感じさせつつ展開される法廷スリラー。
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老教授が同僚に窮地に立たされ、引退するが…
教え子と共に、逆転の法廷劇へ。
トム・マクマートリーは、アラバマ大学ロースクールの教授。
学生時代は全米チャンピオンとなったフットボール・チームの一員で、卒業後は母校で40年教えてきた名物教授。
ところが、同僚の裏切りで、汚名を着せられて追放の身になってしまう。
愛する妻を亡くして3年、自らも病身のトムは田舎で隠遁生活をすることに。
かつての恋人ルースが娘夫妻と孫をトラック事故で失い、大手運送会社を訴え、真相を突き止めたいと願う。トムはこの仕事を、教え子だが確執のある新米弁護士リックが適任と認めて、任せるが。
運送会社の隠蔽工作が激しくなり、トムも弁護に乗り出す。
相手方の弁護士は、トムを追いやった同僚タイラーで、これも実は元教え子。
アラバマ大のフットボール・チームというのは実際に有名らしく、そのあたりの事情は知らないけれども、読んでいる間はその仲間たちの絆と誇りを追体験し、教え子や助手との信頼関係も胸が熱くなります。
いいですよ~68歳の大逆転劇!
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おもしろくて、一気に読んでしまった。裁判ものというか弁護士物は海外ドラマで見たことはあっても、読んだことはあまりなかったかも。
優秀なスポーツ選手が引退後、スポーツ以外のキャリアでバリバリ働くことがアメリカでは当たり前?と聞いたことがあったが、小説でもそれを確かめられた気もした。
最終章でのどんでん返しがきもちいい。それまでの章では、味方同士の意思の疎通がうまくいかずぶつかったり、証人が脅迫や金銭で買収されてしまったり、殺されたりとうまくいかないことだらけで、どうやってあと数十ページでひっくり返すのかと思ったけれど、爽快なラストが待っていた。
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最近、年齢のせいか、人の名前がすんなり記憶できず、この人誰だっけ?状態で何度も確認しながらでしたが、最後まで楽しく読み切ることができました。
正義が勝って良かった!
☆5にしようかと悩みました。
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面白かったぁ〜。
これぞ、パスタ小説!(パスタを茹でてる時間も読んでしまうという村上春樹のたとえ。)
68歳のトーマス・マクマートリー40年もの長きにわたりアラバマ大学のローククールの教授。妻をガンで失い自身も膀胱がんになり、信じてた親友にも(憎っくきジェイムソン・タイラー)手ひどく裏切られる形で大学を追われる。
ここであらすじを書いてもしょうがないよんね。
とにかく私のすきな法廷ミステリー。
リックが絶体絶命の時に現れた時は心の中で喝采。
アシスタントのドーンとは上手くいきそうだね。
最後はめでたく勝訴するんだけど、いったい何人が犠牲になった?
証言しようとしてたミュールは殺されるし、工場長のバラヤードのゲイのことを脅され、自殺に追い込むし、会社の違法なやり方でスピードの出しすぎで事故を起こしたトラック運転手のデューイの妻も脅され身を持ち崩し自殺させるし、
死者が多すぎて気持ちが塞ぐよ。
そうそう愛犬のムッソ(老犬)トムを山猫から守って命を落としたのには泣けた。
でも、トムの元教え子でトムを尊敬してやまないボーセフィスが子犬をプレゼントしてくれたしね。
マクマートリー&ドレイク法律事務所を開設。
シリーズ第2弾が今から楽しみ〜。
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翻訳ものでこんなに涙するなんて…年齢的に涙もろくなっただけなのか。ただ、久しぶりに感動したのは事実。主人公は68歳の大学教授。妻に先立たれ、教え子とのトラブルや捏造された学生との不適切な関係を理由に大学教授の座も追われ、自らも癌に侵されていることが発覚、と徹底的に追い込まれている。一方、敵方は圧倒的財力とギャングとの繋がりなど地方都市を牛耳る運送会社のオーナー。過密スケジュールによって発生した自社の交通事故を隠蔽しようとする彼との訴訟が始まる… ややステレオタイプの悪役描写や被害者家族の苦悩といったイントロに辟易せずに読み進むと大逆転の第5部、法廷シーンが始まります。それからは感動のつるべ落とし。泣かせようとしているのが見え見えでもそこに身を任せれば、幸せな大団円に辿り着きます。お勧めです。
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面白かった❗️オススメです。ミステリーではないし、結末もハッピーエンドになるんだろうなぁと分かっているけど、どうしてそうなるのかが全く分からず、最後までハラハラしっぱなし。結末のカタルシスも大きく、主人公達や古い仲間達との絆なども好みで、久々にとても良い本に巡り会えました。登場人物とも言えないような「ザ・マン」がずーっと存在していて、これが最高でした。超オススメ。