電子書籍
リズム/ゴールドフィッシュ
2021/08/15 08:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Keito - この投稿者のレビュー一覧を見る
リズム/ゴールドフィッシュは主人公が同じで彼女の成長していく様が見れる
出てくる登場人物が皆、印象的でそれぞれの人生を送っている成長していくもの変わらないものもいるイキイキとした主人公が本当に羨ましい
読んで良かったな
本当に面白かった
投稿元:
レビューを見る
ママには悪いけど、あたし、今はいい高校よりも海に行きたい。
真ちゃんの家までは歩いて十分。軽く走れば五分で着く。あたしはいつも軽く走っていく。p14
・みずみずしい。少女のエッセイ感があるよね。
だいじょうぶ、だいじょうぶ。楽しいうそは罪にならないんだから。p41
・ませた女の子だ。
手ぶらで歩く帰り道は、いつもよりずっと体が軽い。心のなかにある重たいものをみんな、こんなふうにどこかに置きざりにすることができたら、気分もずっと軽くなるのに…。p62
・仕事でもこう感じることは多い。
「でもね、仮病ったって、立派な病気だよ。」
「病気?」
「そう、心の」
「…」
「でも、こうやってさゆきちゃんが来てくれるうちは安心よ。だいじょうぶ、きっと明日になったらけろっとしてるから、あの子は。」
おばさんはそう言って、あたしの頭に右手をポンとのせた。
大きくて、あったかい手。
この手のなかで育てられたテツは、もしかしたらあたしが思っているよりも、ずっと強い子なのかもしれない。
一瞬、そんな気がした。p79
・理解者がいることが人を思いがけず逞しくするものなのかしら。
「そうね。植物は考えたりしない。なにかを感じているかもしれないけど。」
「じゃあ、きっと植物はみんな、太陽のことが好きなのよ。考えなくたって、自分の好きなものくらいわかるじゃない。」
本気でそんなふうに思ったわけじゃないけど、口に出して言うと、その通りのような気がした。
植物は太陽が大好きで、その大好きな太陽に向かってすくすく伸びていく。
「そうだといいな。」
「そうだといいわね。さゆきちゃんも、C組のみんなも、好きなものにむかってすくすく伸びていってくれればいいな。」p95
・好きなものは考えなくたってわかる。考えなくたってそこへ向かう。
「あたし、三木先生でよかったよ。たった一輪だけ学校に持っていった花のこと、こんなふうにおぼえてくれる先生でよかった。」
「ありがとう」
先生は今までで最高の笑顔を作った。
休日の朝っぱらから、コスモスの花束を抱えて生徒の家へ自転車を走らせる、三木先生にしかできない特別なスマイル。p96
・いい先生だなぁ。自信がないながらも精一杯生徒のこと考えてる。
いつかあたしが大人になって、本当に海外へ行くことがあったら、長い長い作文を書いて、先生に送ってあげよう。
いいことをたくさん探して届けよう。p98
・こういう風に思えるっていいな。
投稿元:
レビューを見る
年上の男の子に憧れる感じ。
思春期のもどかしさがよく描写されていた。
だいじなのは立派になるとか、成功するとか、そんなんじゃない。
自分のリズムを忘れずに。
投稿元:
レビューを見る
なんというか、この小説をもし子供の頃に読んでいたら今の自分とは変わっていたのではないか、と思ってしまった。
それこそすごく子供っぽくて、ある大人が読めばくだらないと一笑に付されるかもしれない作品だけどそんな人って本当に大人なんだろうか?
投稿元:
レビューを見る
高校を行かず 夢を追いかけるいところしんちゃん。
主人公さゆきはそんな彼が大好きだった
さゆきの前で「俺は東京でバンドマンとして成功する」と言って田舎町を飛び出たしんちゃん
そんなしんしゃんを心から応援して誰よりも第一ファンだったさゆき
現実は甘くなかった
貯めたアルバイトはバンドの為に消えて、食費も節約し、身も心もボロボロになったしんちゃんはうつ病に
それを知らされたさゆきはショックを隠せなかった
考えない様に勉強、勉強、日々勉強
中三だったさゆき下から数えた方が早い成績だったのが一気に上位へ
しんちゃんとさゆきは会えることはできたのか?
とても良い小説だったバンドで夢を追いかけている人には読んだ方がいいかもね
せめて高校は卒業したほうがいいよね。。
中卒だとよくな就職先ないし
投稿元:
レビューを見る
日常がほのぼの描かれた普通のお話。
主人公が中一で「自分が中一の時はどんなこと考えてたかなぁ」なんて思い出しながら読んでいました。
友人の真ちゃんのことば
「自分のリズムを大切にしろ」
ってなかなか響きのある言葉だなあって思いました。(だから表題になってるんだろうけど)
文章が簡潔に書かれていて中学生から大人まで幅広い人に読めると思います。
結構早く読み終わりました。
投稿元:
レビューを見る
最近どうしたの?ってくらい、あたり本が続いてる。
幸せだ。
小学生の時、学校の図書館でたまたま見つけて、当時の友達達とコレは面白いってしばらくハマった本。
あの本、なんだったっけかなーっ。。。
確か、リズムって本でー。。。
続編もあったよなー。。。
記憶を頼りにAmazonで探してたら、なんとまさかの森絵都さん!!私、見る目あるじゃん!
あの時の私に、何がどう琴線に触れたのか思い出せないけど、ちょっとお姉さんを生きてる主人公の考えや行動に共感するところがあったんだろうな。
大人になれば分かると言われた主人公が、子供に戻れば分かると大人に思ったように、しょうがないを繰り返して忘れちゃったことが多くなったみたい。
自分らしく生きるために、リズムを忘れずにいること。
今からでも自分のリズムを持って生活しよう。
そして、金魚飼ってもいいか旦那に聞いてみよう。
投稿元:
レビューを見る
リズムを読み終え、充足感のないままゴールド・フィッシュも一応読んだ。
小中学生向けの、少し恥ずかしくなってしまうような文体は変わらなかったけど、リズムよりは読めた。
最後のしんちゃんの手紙にある、『「社会は厳しい」だとかいうのは、生きてりゃだれだってわかることだから、わざわざ教えたり教えられたりすることじゃない。』という一節が割と好きだったので、★2。
投稿元:
レビューを見る
さゆきも真ちゃんも、テツも、まわりの人も、
素敵なキャラで楽しい青春小説。
リズムを整えて、心に耳をすませて、
変わらないものを求めて変わっていく、
子どもから成長していく姿が眩しい。
投稿元:
レビューを見る
最初に読んだのは確か、小学校高学年か、中学一年かの頃。それからウン十年の時を経て再読。森絵都さんを知ったきっかけの本だったような気がする。(その後、森絵都さんの「カラフル」、「風に舞いあがるビニールシート」、「みかづき」は大好きな作品となった。)
本書にはなんとも不思議な思い入れがある。「読んだことのある本」ということですごく心に残っているのだけれど、内容はあまり覚えていない。父に連れて行ってもらった地元の図書館で借りたのだけれど、この本を手にして見上げた窓から見た外が雨だった記憶があるようなないような。タイトルをよく覚えているのに、あまり好きになれなかったような。
そしてすごく長い時を経て、なぜかまた読んでみようと思って、また図書館で借りてみた。今度は今私が住む町の図書館で。
再読してみてわかった。あの頃「この本好き」と思えなかった理由が。主人公のさゆきが私にないものを持ちすぎていたから。ある種の嫉妬。近くに住む仲の良いいとこも、歌を、しかもロックを夢にするようなカッコイイいとこも、テツのような優しい幼馴染も、まぶしい街、新宿も私のまわりにはなかった。自分の心に素直で、思ったとおりに行動できて、ガッと燃えて、ワッと泣けて、先生に「個性」を褒められるようなさゆきがうらやましくて、「ふん、所詮、小説」と斜に構えるようなことしかできなかった私は、さゆきのお姉ちゃんと同じタイプだった。固定観念ゴリゴリ、偏見ゴリゴリ、自分の周りの小さな世界しか見えていなかった私には、この本の良さがわからなかったんだなと再読して思った。今回は素直に好きになれた。とても面白かった。児童文学ということを差し置いても、文章のリズムが良く、一瞬にして物語に引き込まれ、一気に読んでしまった。心地よい読後だった。
脇役だけれど、個人的に大西先生が印象に残った。大西先生の良さを見抜くさゆきはやっぱり魅力的な主人公だった。余談だけれど、最近気づいたことに、少ししか登場しなくても重要な役割を果たす「学校の先生」が気になる小説が多い。私、学校の先生になりたかったのかな(笑)
投稿元:
レビューを見る
比較的軽い小説でささっと読めました。
仲良い親戚のお兄ちゃんにあこがれた中学の女の子のお話で、そのお兄ちゃんが高校いかずバイトしてバンドしており、周囲からいい印象がなく、っといった物語。
中学生・高校生の悩みってところだろうか。
そういう話もあるなっていう程度です。
投稿元:
レビューを見る
中学生さゆきちゃんの物語。中学生だったのははるか前なのに気がつくとさゆきちゃんになった気持ちで読んでいた。したいことと出来ることの圧倒的な差が悔しくてもどかしかったあの頃を思い出した。
投稿元:
レビューを見る
これは、中学生のさゆきが、「自分の人生」を見つけ、それを生きる覚悟をするまでの物語。
さゆきは、中卒でバンドマンの夢を追いかけるいとこの真ちゃんのことが大好きで、誰よりも応援する。だが、真ちゃんがどんどん自分から離れ、自分の知らない大人へと成長していく様子に戸惑う。さらに、真ちゃんにまっとうな人生を歩んでほしいと願う大人たちへの反発も覚える。
さゆきにとって真ちゃんが世界のすべてというような感覚、わかるなぁ。子どもの世界ってそれぐらい狭いものだったと思う。今となっては忘れかけてしまったような感覚だけど、そのもどかしさ、痛々しさをリアルに描ける森さんはやっぱりすごい。
一方で、狭い世界に生きているからこそ、のびのびと自由に振る舞えるさゆきの自由さもちょっとうらやましいかも。子どもから大人になる、その一方向を単に描いているのではなくて、子どもだからこそ見えるもの、感じられるものをきちんと綺麗な形ですくいとっているのだよね。
投稿元:
レビューを見る
中1のさゆきは近所に住むいとこの真ちゃんが大好き。
何も変わらなければいいのにと願うさゆきの想いとはうらはらに現実は変わってゆく。
世間的には不良といわれる真ちゃんを慕うさゆきの純粋さに癒された。
投稿元:
レビューを見る
主人公さゆきの
「わたし、テツや真ちゃんみたいに立派な夢はまだないけど、そういう小さなこと、ひとつひとつ楽しみながらやっていきたいの」
という言葉がいいなと思った。
そしてテツに
「楽しい魚屋さんになってね」
という。
人生を楽しむっていうのが1番だよなと
歳を重ねた今だからこそ共感してしまった。