紙の本
リアリティ
2020/12/21 10:27
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
周りに急かされ追い詰められた一組の男女が婚活を通して自己評価を見詰め直す、男視点の前半はミステリー、女視点の後半はヒューマンドラマ、全体を通して恋愛小説。刺激のない日常から一歩踏み出すスパイスを与えてくれるリアリティある作品
紙の本
婚活する前に読んでおくと良さそう
2023/02/04 10:03
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
婚活で知り合って結婚することになった女性が行方不明になり、婚約者が女性を探していくうちに女性の婚活に関する過去を知っていき…、他方で女性には女性の言い分があり…というストーリー。何パーセント結婚したいと思っているかが、相手につけている点数だという指摘と、ピンとくるというのは自分に釣り合っていると思うこと、ピンとこないというのは自分には釣り合わない格下だとみているということだという指摘は心に刺さりました。たしかに!『高慢と偏見』を現代版にした小説で、とても面白かったです。
電子書籍
読後感良し
2022/08/23 20:55
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投稿者:ゆうた - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろんな登場人物の考えることの中に、自分に当てはまることが多くて、こわいくらいだった。前半と後半で全く印象の違う雰囲気の小説でした、想像と違う顛末で良かった。
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面白かったー。
でも痛い!自分のことのように感じてしまって、読んでいてとても痛かった。
さすが辻村さん、言葉が刺さる刺さる。
蓋をして見ないようにしてきた気持ちを見せられた感じ。しかも綺麗に理路整然と見せられ、ぐうの音もでないとはまさにこのこと!という感じだった。
真実の親の善良な上での傲慢さが恐ろしかった。
架の女友達の傲慢さも怖い。正義なのかなんなのか理解が出来なかったなー。
ミステリー要素もありつつ、タイトルの通り傲慢と善良を考えさせれ面白かった。
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婚約者がある日突然姿を消した。
事件、事故を心配し、消えた婚約者を探す主人公の架は、以前婚約者の真実が語っていたストーカーの存在を疑い、彼女の過去と向き合うことに・・・
冒頭、ストーカーに追われる真実が架に助けを求める緊迫したシーンから始まるので、ミステリーかと思ったが、内容は婚活で知り合った男女の恋愛物語。
現代ならではの結婚事情をこれでもかと言うくらい盛り込んでいるが、登場人物がみな「傲慢」で読んでいて、嫌気がするほど。
人間はなぜ誰かと比較しないと生きていけないのだろうか?自分は自分であり、他の誰でもないし、誰の所有物でもない。
主人公の二人である架と真実は少しずつ、そのことに気付いていくが、真実を失踪に追いやった架の友人である美奈子や、真実の母の存在は本当にイラつく。
これがリアルにいそうだから、余計に嫌悪感を抱くのだと思う。
前半パートは架の目線で描かれるが、後半は真実の目線で描かれる。
母の言葉に囚われ続け、大した根拠もなくお見合い相手を見下していた真実が、被災地でボランティアをすることで自分の考え方が間違えていたことに気付いていく。
真実の過去や失踪の真実を知っても、真実を受け入れた架。それだけがこの作品の救いだったと思う。
内容はともあれ、徹底して「傲慢さ」を描き続きた作者は凄いと思う。
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主人公は西澤架と坂庭真実。ストーカーに怯える真実が架に電話するところから物語が始まるが、読み進めていくととんでもない事実が…
架と同棲していたが突然姿を消した真実。真実を探す内、これまで深く知らなかった真実のことや自分自身をも見直す機会になっていく架。地方都市に住む人の価値観や親の思い、結婚するまでの葛藤、善良と呼ばれる生き方をしてきた真実、それとは対極の架の女友達の生き方。架の思いも真実の思いも理解できる。実はそれまで本音で語り合ってこなかった二人には結婚に至るまでの紆余曲折が今後の二人に必要な事だったのだと思った。
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今のところ上期No. 1。「高慢と偏見」になぞらえ、ある男女の婚活とその結末が語られますが、必ずしも心地よい物語ではなく、残酷で不確かなものです。ぐいぐい引き込まれる第1部と内省的な第2部との構成。登場人物の行動全てに感情移入できるわけではありませんが、そこも含めて考えさせられる作品ということかと。
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いろいろな題材が詰め込まれた感もあるけど、人と人との考え方の違いとかを違う角度から描きあげてて、「そう考えてたか」と思わされる部分もあって、興味深かった。
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相変わらずえぐられるような。
東京に出て初めてそういう環境の人たちがいるんだーと知った。まさにこういう感じだったなー
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まみのこと、嫌いだな..って
都会っ子でバリバリ働いてる私は思うけど
辻村さんの本が好きなのは、
私の嫌いな地方の努力してこなかった女の人たちを
えぐいくらいリアルにディスって、最後幸せにしてくれるからかも。
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抉られる…とにかく心抉られる。
こんなにも現代の婚活事情や結婚観に対して真っ正面から切り込んだ小説ってあっただろうか?
自分の心の底にある言葉に出来なかった思いを的確に小説の中で表現してくれる辻村さんは今回も健在。
最初は男の主人公架サイドから物語が進む。
読み進むにつれて彼女の真実の傲慢さが見えてくる。
でも、必ず辻村さんは物語を多方面から見せてくれるので、後半の真実サイドでは架の傲慢さが見えてくる。
どちらにも共感出来る所が必ずあって、心抉られる。
分かるけど、このどうにもままならない感じがとても心苦しい。
きっと傲慢な恋愛をしない人なんて居ないし、誰もが善良さを見せようとする。
恋愛に正解も不正解もない。
きっとこの小説の結末に納得いかないと思う人もいるとは思うけど、自分はあのオチが好きだ。
結局は二人の問題。お互いの本音をしっかりぶつけあって生きていくしかない。最後お互いがお互いに『何考えてる?』と、聞き合う所が凄く印象的だった。結婚しても他人は他人。心の本音もぶつけていかないと、何を考えてるかなんて分からない。そう言う面で、上辺だけで付き合って行くのじゃなく二人で生きて行くんだと言う風に最終的にあの二人は気づけたのかなと思った。
いやーでも、とにかく抉られた小説だった。
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婚活におけるピンと来ないは、自分の思っている自身の評価額に釣り合わないということ 等、婚活経験者としては、ガーンとショックを受けたり、そういうことだったのかと納得したりすることが多かった。
また一からか― 真実がいい ではなく、真実でいい 婚活経験者として気持ちが分かってしまうし、真実でいいと思われたくない気持ちも分かってしまう。
これは、この歳、今の環境下の自分として読まなきゃ理解できなかったであろう。私は、次の本、次の本と、同じ本をもう一度読もうとしたことはないが、以前読んだ本をもう一度読んでみるのもいいかもしれないと思えた。
真実の母に至っては、私の母を見ているようで驚いた。
婚活中の人にぜひ、読んで欲しい。
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オースティンの「高慢と偏見」は、19世紀初頭のイギリスを舞台に女性の結婚観についてリアルに描かれた作品だった。身分の高い男性はプライドを捨てられず、女性は身分や職業、見た目によって男性に偏見を持つ。男女の思いはすれ違いなかなかうまくいかない。
今作は婚活についてのリアルがグサグサ刺さる。
100点の彼女と別れ、出会った70点の彼女。結婚をすることで縛られたくない。自分のことを棚に上げて結婚するにはちょうどいい女を見つけて結婚しようとする男の「傲慢さ」にはじめは腹が立ったが、読み進めるうちに明らかになった「善良」な彼女の内側にはドロドロの「傲慢さ」が隠れていた。
自分にとって最良の相手との結婚を目前とし、相手にとって自分が70点だと知った女は絶望する。
70点は低い点数だろうか…。
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私の心をえぐってくる痛い作品でした。
真実と私が似ているから余計に。
いい意味でも悪い意味でもずるくなれなくて下手くそなんですよね。
でも一番大嫌いなのは架の女友達。
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辻村さんは書く内容の幅が広くてすごいな、と思う。
私は最近「かがみの孤城」を読んだ。中学生の不登校の話だった。
今回は30代の恋愛の話。
婚約者である坂庭真実が失踪する。そんな真美には、彼女を狙うストーカーがいた。
西澤架は、真美とストーカーを探す。その中で真美の過去に触れていく。
小説だけど、現実味がある。その現実味が怖くもあった。
私も架・真美と同様に結婚していない。真美とも同じ歳。
お見合い・結婚という題材の中で二人が気づく自分やお互いの後ろめたさ。それがとても考えさせられた。