紙の本
日本人としての将棋の価値
2019/09/08 12:27
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投稿者:海坊主 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の基本的教養としての将棋を各界の権威が語ってくれる教養書ですね。梅原先生と羽生九段との対談はいつ行われたのか解りませんが、梅原先生最晩年の対談相手が羽生九段だったのかと思うと、感じ入る物がありますよね。
飯田七段(教授)の数学的アプローチも、理解が及ばないながらも興味を惹かれます。その他の先生方の、それぞれの立場からのアプローチも、将棋の芸術性まで含めた深遠さに対する興味をかき立ててくれるものであり、非常に楽しく読ませてもらいました。
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教養としての将棋
2021/09/27 13:21
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投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
尾本恵市と言う分子人類学者が中心になり、将棋を文化、学問として捉えて
棋士,哲学者始め8人の人間が将棋を語るとの形式。将棋の定跡本でもなければ、将棋をモチーフにした小説でもなく、一言で言うなら将棋を学問として、色々な角度から検証しようとする本。将棋のルールも知らない人も楽しめると言うのが謳い文句であるがそれは疑わしい。尾本恵市は、将棋は文化だと言う。その根拠は将棋の持つ、『伝統性』,『独自性』,『大衆性』。20世紀末に興福寺境内にて、将棋の駒が発見されたが、その駒は1058年の物と言う。将棋は少なくとも1000年弱は続いていたことになり、『伝統性』と言う事が頷ける。『独自性』と言うのも尤もだ。
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興味深い
2020/11/04 09:33
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
将棋を巡っての対談で、興味深く読むことができました。梅原猛さんと羽生善治さんの組み合わせが、素晴らしかったです。
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負けましたの文化
2019/08/09 16:17
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
文化とは伝統性・独自性・大衆性の三点を満たすもの。それらを満たすものが将棋である。棋士やその周辺の人たちから道具や歴史や考え方を教養として伝えている。本日の幾何的ひらめきは何だろう。
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将棋は指せなくても確かに面白い
2020/04/15 10:00
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投稿者:たか - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの通りと実感する一冊
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梅原が、ええかげんな散らかり方や自慢ばっかりしているのに対し、羽生がとにかく端正で知的で情意も安定しているのが目立つ。
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教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」
梅原猛 羽生善治 尾本恵市
2019年8月13日読了
将棋は指せなくても面白い。将棋の知的な魅力、芸術性、文化性、歴史など戦術だけでなく将棋の持つ魅力をまとめた一冊。
・久留島義太(くるしまよしひろ)1690〜1758
数学者。和算の三大大家の一人。
天才数学者のオイラーよりも早くオイラー関数を見つけていた。この人、数学だけでなく、詰将棋作家でも有名。
・升田幸三の凄さ
江戸時代に盲人の石田検校(いしだけんぎょう)という棋士が創案した、プロの間では見向きもされなかった奇襲戦法に、独自の工夫を加えて、名人戦という檜舞台で大山康晴にぶつけた。
「升田式石田流」と呼ばれアマで大流行。
最近になってプロの間で見直されて、主流戦法の1つになってる。
升田幸三は何十年も先の時代の将棋を先取りしていた。
・将棋駒
「木でできた宝石」とも言われる。工芸的な価値をもたらしているのが次の3つ。
1、木地
2、書体
3、漆のわざ
将棋の駒に相応しいのは黄楊(ツゲ)。ツゲにも薩摩ツゲとか色々ある。駒の「肌」にあたる。
書体にも何百種類にもおよぶ。駒の「顔」となる。
漆のわざは文字をかたどる漆の使い方の違いのことで、書き駒、彫り駒、彫埋め駒、盛上げ駒の4種類がある。
高いものは100万から数百万のものも。
・「歩」の裏の「と」は実は「金」を極端に崩した極草書体のことだった。
・気持ちを折りたたむ
将棋の深みは「負けました」という所にあるという。子供の教育でこの言葉をしっかりと言うことはものすごく大事。負けて自分に何が足らなかったか、どこがダメだったかを振り返る入り口となる。振り返る所に「伸び代」がより伸びていく。
プロの気持ちを折りたたんでいく姿はとても美しく格好いい。局面だけでなく、敗者の姿にも観ていて美しさが感じ取れる奥深さがある。
他にも、将棋の面白さを数式化した話しとかもあってかなり充実した一冊です。オススメ。
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将棋をいろんな角度からとらえた本。今の将棋と昔の将棋の違いや、日本将棋が誕生したとされる頃の分析とかもあって面白かった。
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将棋盤の上での勝負はもちろんメインとなる部分ですが、その外側にも、人生を豊かにしてくれる多様な世界が大きく広がっているのです(p3)といって
将棋学、歴史、メカニズム、教育への利用、観戦記と
複数の視点から解説、考察している。
なんだか将棋が気になるけど
ルールブックも棋譜もおもしろくない。
でも、棋士や将棋界は興味深い。
将棋というと限定的な世界のように感じていたが
意外にも裾野は広く門戸は開かれているのだと
知ることができて 楽しい が増えた。
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今年も将棋熱継続中。図書館で関連本を借りて読むことが多いが、読み進めていたら小さい図書館なのでだんだん取っつきやすい未読本が少なくなってきて消去法で選ぶ。
少し前に書かれた本なので、今のAI時代の到来を予測し危ぶむ論調で書かれたりしているけど、この本で書かれているのは専門家による将棋の歴史や奥深さなので、やはり人間による将棋はコンピューターに支配されないと思う。AIによる評価値は観戦の拠り所になるけどそれなりに観戦数を重ねてきて改めて評価値は全てでないと感じる局面も多い。新聞に掲載されている観戦記の意義も改めて見直してみたいなと。
駒師が語る将棋駒の豆知識も得られた。すぐに忘れそうだけど。
バックギャモンやチャトランガといった将棋の兄弟ゲームの存在も気になるけど、手は出せないな。
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将棋を多面的に解説する本で、将棋を指さない人にも日本の文化を知るという意味で読んでもらいたい。
梅原猛氏と羽生善治氏の対談、考古学から考える将棋の起源、数学的に分析する将棋の面白さ、美術品としての将棋の駒、将棋がもたらす教育的効果、将棋の観戦記の変遷など、読み応えがあるし面白い。
江戸時代の名人や棋士のレベルについての羽生さんの見解だとか、升田幸三がGHQに呼び出されて将棋の精神について説いた話、「負けました」や無言で察することの重要さなどは忘れないでおきたい。
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羽生先生と梅原猛氏の対談ももちろんよかったが、飯田先生の研究者として、また大川慎太郎氏の観戦記者としての視点からのアプローチが興味深かった。
飯田先生の将棋を含めたゲームやスポーツの面白さの評価は、将棋の面白さが絶妙なバランスの上に成り立っていること、スポーツのルールが変わる視点を教えてくれた。大川氏は河口先生の時代とは異なるAI時代の観戦記者としての立ち位置を教えてくれたような気がします。
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将棋本としてはイマイチかな。
将棋そのものというか、それに関連する周辺の話というか。それぞれが逆に短すぎるような気がした。
小学生に将棋を教える先生の話が一番面白かったか。まず、「負けました!」と大きな声で言えるところから始まる。
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哲学者の梅原猛氏と羽生善治永世七冠の対談が非常に面白い。理系的直感と文系的経験、大山康晴と升田幸三、一見ムダに思えることがブレイクスルーを生む、けれどもAI全盛の今は「新手一生」が「新手一勝」といった話。
いい具合に対話が広がっていって気持ちいい。
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将棋本だが盤面作られている方の話、将棋の歴史を教えてくれたりとバラエティ。将棋に合駒を考えた人は天才だと思う。
羽生先生と梅原猛先生の対談が将棋のみならず様々な点に及んでいて面白かった。『隠された十字架』は未読だけど裏話があり対応する羽生先生の見識も素晴らしい。「大山康晴先生は盤面を見ないで相手を見て指す」というエピソードが印象に残った。