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ウクライナ人の著者が書いたプーチンの本ということだけあって、日本人と比較手して情報量も感情の強さも圧倒的なことが序文を読んだだけで伝わってきた。
日本人がロシアに抱く幻想を打ち破るという書き始められているが、著者が書くほど日本人はロシアに幻想を抱いていない。ただ、多くの日本人がロシアに対して無知であるというのは事実であろう。ただ、ロシア投資の参考情報を探している僕には本書の内容はあまり興味が湧かなかった。
その中で興味深かった情報としては以下のものがある。
・ロシアでは連邦管理局においてインターネットの検閲・閲覧制限が行われているらしい。
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つくづく日本の周りは敵ばかりと感じました。
日本人は、国益や安全保障に関して目覚める時だと思います。
ウクライナに学べですね。
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日本人が持っているプーチン像が虚像に満ちている事を順序立てて説明してあり、説得力があります。また日本とロシアとの付き合い方など参考になる内容です。
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うーん。
確かにテレビで見るプーチンの姿に、騙されていた気はする。
もともとロシアは油断できないとは思っていたが、それは、ソビエトが崩壊した時に、ある程度は緩和されたと思っていたが。
なぜ日本に攻めてこないのか。
ただそれは今だけの問題で、国力とか状況の問題だけ。プーチンだけでなく、かの戦争について、日本はとことん悪として教育されている。
なんつか。
なんでうちの国の周りってそんなのばっかりなんだろう。
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まさに、幻想を抱いていたのかもしれない。
著者の世界情勢の分析力に、ただただ感嘆するしかない。国家間の物理的な距離は、そのまま注意力の集中度合いになるのだろう。日本は中韓に対して注意をはらったり脅威を感じるのに対して、それより遠い世界情勢には疎い。
不勉強ながら、歴史的にソ連の成立から崩壊、周辺国の独立と暗躍する欧米諸国の関係ははじめて知った。もちろん、プーチンとロシア人の考えもだ。
よくよく日本人はお花畑、ドングリ民族なのだと思い知らされた。日本が押し付けられたWGIP・自虐史観を捨て国家として独立するには、確固とした国家としてのあり方、戦略、覚悟が必要なのだと思い知らされた。
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ウクライナ情勢を理解するために読んだ。ウクライナ侵攻が始まって明かになったのはロシアに幻想を抱いている日本人=単にロシアに知り合いがいるだけかもしれないが多くいて、明かな侵略行為にも関わらずウクライナに非があるかのようにいう人たちの多さ。それは右にも左にもいて(左が圧倒的に多いけれど)それぞれ思惑はあるんだろうけど、ちょっと待ってくれよと言いたくなる。
そんな中、著者はウクライナ出身ということもあり、当然反プーチンなわけだけれど、ソ連の前からソ連崩壊後、そして現在の中露の関係も含め幅広く理解することができる良本だと思う。そこまで偏っているとも思わなかったし。
しかし、ロシアの酷さはある意味想定はしていたものの、それとは別に米英のやってきたことは本当にひどく世界をただ混乱に陥れているだけという思いを持った。第二次大戦時のソ連支援はまあナチスという共通の敵を倒すためなので仕方ない面はあるにせよ、ソ連崩壊時は完全にロシアに肩入れし常任理事国入りをロシアに認め、ウクライナから核を廃棄・移設させ、自由・民主主義・人権を重視する西側に入りたがっていたウクライナやジョージアを軽視するというやり方。そして今回も早々にウクライナへの軍事支援は行わないと宣言してしまうアメリカ大統領。
最後に著者が述べているように味方といえども完全に信じてはならず、要求すべきことは要求し、いざとなれば裏切られる可能性も視野に入れて行動すべきというのはまさにその通りで、日本は対米自立とまではいかなくても自力である程度防衛・抑止できる状況を作っておく必要があるのだという思いを持った。
なお、一般向けの本なので引用文献は割愛しているということだが、そこは載せて欲しかった。その点は残念。
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この本、驚くことに出版されたのは2019年。本当はこの本を読んで驚いているようでは、著者の言う「プーチン幻想」あるいは「ロシア幻想」に侵されていたことになるが。
本書はウクライナ人による、プーチン・ロシア批判の書になるので、偏りはあるかもしれないが、自分のあまりにロシアに対しての無知さ加減、地政学上の事にも理解のなかった事に呆れた次第だ。
ロシアの横暴も許し難いが、いわゆる西側もあまりに無責任な対応をウクライナに対して独立以降つづけてきたと言わざるを得ないのが、本書を読んでわかった。その結果がロシアによる今のウクライナ侵略を許してしまった事には反省をしなければならない。
今後ロシアに対してどのように向き合っていくべきかに対する示唆が本書には溢れている。まずは一人でも多くの人に本書を読んでもらいたい。その上で自分が、どう今回の侵略とロシアに対して向き合っていくかを考える必要がある。
まずはこの侵略戦争を一刻も早くやめさせなければならない。その為には世界が団結してロシアに強力なプレッシャーをかけ続ける必要がある。
プーチンがこれ以上の暴走をしないと、頭のどこかで思っている自分はまだ、「プーチン幻想」に侵されているのだろうか。
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タイトルを見て、思わず手に取りました。まず驚いたのが、三年前に書かれた本であることです。現在行われているロシアによるウクライナへの侵略を予言した書物になっています。ロシアは国家の謀略機関を所有しているのではなく、謀略機関の所有する国家であるとあります。ロシアという国の本質を表しています。また、プーチン政権ができた時に、FSBが、ロシアの民間のマンションを爆破し、それをチェチェン系テロリストによるテロ攻撃であると発表したということは知りませんでした。政権の基盤を強化するという目的のためなら、自国民も殺すのかと、恐怖を感じ、自分が今までプーチンに対して、本書で言われているような幻想を抱いていたことを恥ずかしくなりました。その後、キーウ解放というニュースが流れ、ひとまず良かったと思った矢先、ブチャの惨劇の報道が続いて、愕然としました。本書で語られていることが、全部裏付けられた感じです。そして、今日のウクライナが、明日の日本であることを強く感じました。ブダペスト覚書によって核保有を断念させられたウクライナと核保有していない日本は状況が似ています。その日本を、ロシア、中国、北朝鮮という三つのならず者国家が囲んでいるわけです。もはや日本国憲法第9条で日本を守れないのは明白です。今年の参議院選挙は、国防が争点のひとつになるべきです。日本の国防を真剣に考えている政治家を支持したい、お花畑の議論しかしない議員には、退場してもらうべきと考えます。プーチンの正体を知りたい人、日本の国防について考えたい人におすすめです。
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日本人が一般的にロシアのプーチン大統領に抱いている「親日である」「反中である」「ナショナリストである」といった幻想を破壊する一冊(著者はウクライナ人の国際政治学者のグレンコ・アンドリーさん)。ロシアのプーチン体制が立ちあがった経緯~プーチン外交・内政まで、日本ではあまり知られていない内容が解説される。ウクライナとロシアの関係についても書かれていたが、2014年のロシアのクリミア侵攻前のウクライナの状況が、今の日本に酷似しているのが怖い。昨今のロシア・ウクライナ情勢を深く知りたい人にもオススメ。
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今のロシアは、大量虐殺や対外暴力を実行した残虐な組織であるNKVD-KGB-FASBに延々と支配され続けている。つまりロシアは「国家の謀略機関」を所有しているのではなく、「暴力機関の所有する国家」なのだ。(p34)
西洋には歴史に学ばないという習性がある。また、恩を売ったら味方になると言う理屈は、大体似た価値観を持つ国同士にのみ通じるものなのである。(p61)
ロシアとの真の友好関係はありえない。ロシアは完全に追従する国としか友好を築かないからだ。そして友好のふりをするが、必要になればそれを平気で裏切る。ロシアの「約束を破るために約束をする」と言う外交の原則を忘れてはいけない。(p148)
[メモ]
ラヴレンチー・ベリア
NKVD-KGB-FSB
リトビネンコ
ポロニウム210
セルゲイ・スクリパリ(イギリス元スパイ)
ノビチョク
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2019年3月発行。
多くの警鐘が鳴らされているが、3年後、もっとひどいことになってしまった現実。
しかし、その分析が正しかったとも言える皮肉。
文章は明快でわかりやすい。
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親日ウクライナ人が説く日本の危機。
今年のウクライナ侵攻の前の作だけど、プーチンの親日幻想が全くのデタラメとか中露の蜜月っぷりなどの事実がたくさん。日本の政治家も正しい認識のもとで外交を行うべき。自分の実績より国益、なぜ当たり前のことができないのか、そういう政治家を落とすことができないのか…。
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このように、プーチンは自国民を大量に殺すことによって権力を握った。「やむをえない場合しか暴力を使わないプーチン」や「伝統的価値、家族、国家を守る保守主義者のプーチン」というのが妄想にすぎないことは、ご理解いただけたかと思う。 今のロシアは、大量虐殺や対外謀略を実行した残酷な組織であるNKVD─KGB─FSBに延々と支配され続けて
プーチンにとっては、NATOの東方拡大は「裏切り」行為で
当然、この認識は完全に間違っている。そもそも「NATOは東へ拡大しない」という約束はどこにも存在しないし、NATOの仕組み上、発生するはずがない。プーチンを始めとするロシアの帝国主義者の妄想にすぎないが、全世界(日本を含む) にいるロシアのファンがその妄想を信じて
プーチンは言葉ではつねに西洋との協力的な関係の必要性を強調しており、西洋との相互尊重が重要だと言っている。だが、プーチン自身は西洋の価値観やルールを一切尊重していない。西洋を都合よく利用しようとしているだけだ。だから、あるときは「協力関係」を訴え、また別のときは非常に好戦的な態度を
アメリカの何十倍も国際法を破っているロシアが「自分の意思を他国に押し付けている」と言うのを聞くと、まさに「お前が言うな」と言いたく
ここ数年、とくに二〇一四年の欧州議会議員選挙以降、ヨーロッパではかつてなかった類の「右翼」勢力が出ている。国によって事情は多少異なっており、昔からあったマイナーな勢力が急に支持率が上がったという事例もあれば、全く新しくできた勢力がすぐ時流に乗った、という場合も
両国の国力を総合的に見れば、中国はロシアよりもかなり強い。ロシアは中国に依存しており、中国はかなりの程度ロシア国内に進出している。普通に考えれば、ロシアにとって恐るべき状態である。にもかかわらずなぜ、プーチンは安心して中国共産党に身を委ねるのか。 疑問に思うであろうが、答えは簡単である。それはロシアが中華秩序の一部であるかぎり、プーチン体制は安泰だからである。少なくとも、中国の手でプーチン体制が倒されることは一〇〇%ありえない。中国からすれば、プーチン体制が続く限り、ロシアは中華秩序の一部であり続ける。しかしプーチン体制が覆ったら、次の指導者は中国からの離脱を図ろうとするかもしれない。それは中国にとって厄介なことである。だから欧米陣営に寝返る恐れのないプーチンは、中国にとって安心・安全で最高なロシアの指導者なのである。それをプーチン自身もよく理解しているので、中国を恐れていない。 中国のほうもロシアを潰すつもりはないし、領土を併合するつもりもない。理由は先述したアメリカとの対立において、ロシアの国力が必要だからである。しかも今の中国は、ロシアの国力を一〇〇%利用できる状態にある。親中プーチン政権が習近平の言うことを絶対に聞くからで
ロシア人の領土執着がいかに異常か
開発できる領土が有り余るほどあってもなお、新たな領土を無限に欲��がるのだ。常識的に考えれば、クリミア半島や千島列島に固執するよりは、膨大なロシア大地の開発に力を入れたほうがよほどロシア発展のためになる。しかしロシア人の思考は違う。すでに持っている領土を未開発のまま、新たな領土拡大の夢を見ている。このような思考はロシア人が昔から持っている特徴なので、ロシアとの外交を進める上でつねに念頭に置かなければなら
日本の文化に興味があるという理由で、その人が親日になると思い込んでいる日本人は認識が甘い、と言わざるをえない。 その国の文化が好きだから、またはその国に興味があるから、という理由でその国のシンパになるとは限ら
日本のアニメを好きなことによって日本そのものを好きになり、親日になると考えるのは、先述した「お花畑思想」で
もしロシアが日本侵略をできるほどの力を身につければ、状況が変わる。もし日本侵略で利益を得られると判断すれば、ロシアは 躊躇うことなく日本を侵略するであろう。つまり、ロシアの日本に対する考え方は昔から変わっておらず、十分な国力がないだけである。この点を絶対に勘違いしてはいけない。「物理的に可能になったときに侵略を実行する」というのはロシア外交の基本であり、昔から一貫した姿勢で
安定的な発展を理想とする保守主義とは何の関係もない。プーチンの内外政策は保守主義ではなく、共産圏独裁者の振る舞いそのもので
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最後まで面白く読めました。
特にロシア、ウクライナのソ連崩壊周辺の歴史に関しては、ウクライナ側からの目線で語る媒介はないので興味深かったです。
もし他の本では主観的な歴史がもっと書いてあるなら、ぜひ読みたいです、
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ウクライナ出身の著者による論である。眼に留めて、手にして紐解いた。色々と考えながら読み進めて読了に至った。
本書は2019年3月に第1刷が出ている。その時点で、クリミヤの問題等、ロシアとウクライナとの摩擦は続いていた。そこから最近の「特定軍事行動」とロシア側が称する「侵攻」が大規模に行われるに至り、ロシアやウクライナへの関心が高まって本書は増刷を重ねたようだ。自身が入手した本は2022年5月の第7刷だった。執筆時点から何年かを経ているが、内容の価値は全く損なわれていないと思う。
本書は大きく2つの部分から成っていると思う。
前半部は執筆時点の日本の政権が対ロシア外交に積極的と見受けられた中、ロシアのプーチン大統領に関して幾つか言われていることが在ったが、それらに関して「本当にそうなのか?」とし、「全然そうだとは思えない」と説き、プーチン政権の“問題”が多いと見受けられる行動、ロシアの「本音?」と見受けられるような事柄等を挙げている。
前半よりやや分量が少ないが、後半部は、ソ連時代末期の1990年頃からの今日のウクライナが成立して行く経過、そしてそこから日が浅めな1990年代に在った「核兵器」に関する経過を論じている。
「国家が謀略も辞さない場合が在る機関を有している」というよりも「謀略を旨とする機関が国家を有している」というようなことに尽きるのが、前半部ではないかと思った。本書で挙げられている事項だが、色々と伝えられている事柄だと思う。
プーチン大統領の、或いはロシアの人達の「日本観」として、<日ソ不可侵条約>が「有名無実だった…日本側が安寧を脅かし続けていて…」というような観方が多数派かもしれないというのは、多分本当だと自身でも思う。
<大祖国戦争>を異様に「拠所」のようにしているという論が在った。これに関しては、もっと素朴に「先人が大きな犠牲を払ったことに敬意を表する…」というように、偶々ユジノサハリンスクでロシアの人達が5月9日の催事に集まっている様子を視た限りでは感じられたというのが自身の感想だ。が、「戦勝」に強い拘りは在るようには見える。
そしてロシアと中国だが、プーチン政権の下では相互に強く依存するような間柄ではないのかという論が在った。
こういうような前半部に対して、後半部はより興味深かった。
かのゴルバチョフ大統領が“ソ連”の改編を図ろうかとしていた頃のウクライナの様子を或る程度詳述している。これは余り他で読んだことが無い。ウクライナの人による、自国の少し前の動向、経過を語ったモノというのも貴重であるように思った。
そして“ソ連”を「止めてしまう…」に至る中でロシアが突き抜けた動きを見せたが、それを主導した当時のエリツィン大統領の想いは判り悪いとしているが、「或る種の権力闘争?」と示唆している。これは自身もその「闘争?」のようなものだと観る。
「核兵器」だが、1991年末にウクライナが独立国として登場したような頃、「世界第3位」という程度のモノがウクライナ国内に在ったのだそうだ。これには驚く。
こうした「核兵器」に関連する核燃料として利用可能なモノだけでも、「国の予算の何年分だ?!���という資産であったそうだが、これが敢無く損なわれ、安全保障というような見地でも何やら変な様子になって行ったかもしれないということが語られていた。
少しランダムに本書で取上げられている事柄の一部を挙げてみた。
本書の冒頭の方に、「欧州諸国の人達に比べて、日本の人達は隣の中国に関しては色々と観方が在る」のと同様に「ウクライナの人達は隣のロシアに関して色々と観方が在る」というようなことが綴られている。日本から視れば、中国も隣りだが、ロシアもまた隣りである。色々と“材料”を得るようにして、考えてみる必然性は高い。隣人に「難在り?」と思った時、引っ越しが叶うのなら引っ越しすれば好いのであろうが、“隣国”ということになれば引っ越す術は無いのだから。
本書の、殊に後半部は広く御薦めしたい。