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母親のことも父親のことも、作者との共通点は全くと言っていいほどないのに(頭髪のことも含めて)、読んでいて涙がポロポロこぼれるのは、母と言う存在の大きさからでしょうね…。
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たまたま長崎に行った時にペコロスさんが長崎出身だということを知って手に取った。
私も母が認知症だったからわかるわかる!と共感する点が多かったな。
母を思い出したいときに読み返したりします。
介護は大変なことばかりだけど、たまにほっこりしたり
嬉しいこと言ってくれたり…
実際介護真っ只中だと特に大変さしか感じないから居なくなって読んで気づくことが多いかもしれないけど。
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面白おかしく描いているけれど、認知症になった人も介護する家族も本当に大変で辛い事の方が多いと思う。
コロナ禍になってから認知症が進みホームに入っている母とは会えるのは窓越しでわずかな時間だけ。こんなふうに会いに行って手を摩ったり、頭を撫でてもらえたら、車椅子を押して散歩に出かけられたらいいのに…と少し切なく思いながら読んでいた。ペコロスさんは優しい息子さんでみつえさんは苦労された人生だったようだけど、きっと幸せな晩年をおくられたことでしょう。
ホームで暮らす母が色々忘れてしまっても、穏やかな時間を過ごせますように。
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著者の岡野雄一さんは、漫画家、雑誌編集者、シンガーソングライター。ペコロス(西洋玉ねぎ)はペンネームで、自身の禿頭の自虐ネーミング。
描いていた漫画をまとめた自費出版本が話題となり、2012年に本書が西日本新聞社より出版され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞しています。
ペコロスと認知症の母との日常を主とし、時々亡き父も登場します。二十歳で長崎を離れ、20年間東京で過ごした後また長崎へ‥。「ふるさとは遠きにありて思ふもの」ではないでしょうが、本コミックエッセイを読んでいると、かつて両親と過ごした故郷での〝陽だまり〟を掬い上げようとしている気がしてきます。
母はつい先ほどの事も忘れ、昔と現在の時間軸が曖昧で、人の識別も混同する状態です。日々起きることを、時に深く、時に温かく、時に哀しく、更に楽しくユーモラスに8コマ漫画で描き、静かな感動が胸に迫ってくる内容です。
ペコロスさんの母への愛ある接し方、そしてその優れた表現力ゆえ、失礼ながら「ボケるのも悪くないかも」と思えますが、介護する側の当事者にとっては深刻な問題が多々あるのは当然です。
在宅介護の困難や限界は必ずあるので、理想だけ語って悲劇を生むよりも、社会の制度・システムが進むこと、更には、本書が介護に携わる方々への癒しとなることを切に願います。
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著者(ペコロスさん)が、認知症と脳梗塞で施設に入っている母に会いに行き、そこでのやり取りを面白おかしく描いたコミックエッセイ。
若い頃は夫(ペコロスさんの父)の酒癖に悩まされたにも関わらず、認知症になってからはその夫がよく訪ねてきて一緒に出かけていたと言ったり、子供の頃や若い頃に亡くなった友人や子どもが現れ(見えているようで)、一緒に話したりする様子が微笑ましくもあり切なくもある。
亡くなった人との良い思い出だけが見えるのであれば、認知症になるのも悪くないかもしれない。
認知症だった自分の母と接していたとき、余裕がなく、ともするとその反応にイライラしがちだったが、著者の母親に対する温かい眼差しを通して描かれた本書を読んで、自分ももう少し達観した接し方をすればよかったと反省と後悔の気持ちでいっぱいになった。