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八咫烏シリーズ第1部完結。
ということでもっとめくるめく展開があるかと思いましたが
前作の玉依姫の八咫烏サイドのストーリーということで
大筋としてはあらかたわかっていたので、
そうくるかというどんでん返しはなく
その点では特に面白さはありませんでした。
が、奈月彦と浜木綿、真穂の薄や澄尾、雪哉などのキャラクターの
「人らしさ」がより色濃く出ている点、
また「人外を人外たらしめているのは、能力ではなく自覚だけ」というような
根底にあるような思想が物語の表に出てきたところがよかった!
和風ファンタジーといえば「十二国記シリーズ」も挙げられると思います。
十二国記シリーズは実際の中国のような人の世を反映している分
リアリティがより強く重厚感を受けますが、
本作は神話の世界がベースとなっているからか十二国記と比べてライトな感触。
その分ラノベにあるような個々のキャラクターが立っていて、
そこがとても今の時代の和風ファンタジーっぽいなと思う。
第1部の終わりは爽快に終わるというよりも
しとやかに終わったイメージなので、
第2部がここからどう展開されるかに期待!
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玉依姫では烏は奈月彦と真穂の薄しか出てこなかったので他のキャラの活躍が今作で見れて良かった!
ただ、茂さんが序盤であっさり死んでしまったので残念だったのと、雪哉が大人になってしまって昔の可愛さがなくなってしまったのが寂しい感じがしました。
これで完結かと思ってたら一部完結で二部があるんですね!山内のその後が気になるのでめちゃ嬉しいです!
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雪哉の心情を思うと本当に苦しい。垂氷の家族を守るためならぼんくらを演じるし、山内の民を守るためになら化け物にだってなる。本当は故郷で兄を支えつつのんびりと暮らしたいはずだったのに、誰かがするしかない汚れ役を買って悪役に徹する雪哉。大猿が死んだ場面で、殺戮を後悔していることを認めることすらできずに笑う雪哉が痛ましくてならない。姫宮に会う資格すらないと考えていたのかと思うと背負ったものの重さに苦しくなる。最後の最後で涙を流すことができて本当によかったけど雪哉にはもっと救われて欲しい…
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玉依姫の裏側の話で、話を思い出し、照合させながら読んでいきました。
玉依姫の内容もあったので、こういうことだったのか、どうして⁈といろんな感情に翻弄されました。とても辛い内容もあったけど、読了後は良かったという思いと切ない思いでいっぱいに。
いや、烏の世界の先を考えるとやはり少し切ないかな…
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八咫烏シリーズ第6弾で、最終巻。
八咫烏の一族が暮らす山内を大地震が襲ったことから、彼らの運命が一変する。
得体の知れない怪物のような山神、そしてその神使としての大猿が若宮を呼び出して…。山内の行く末や如何に?八咫烏の運命は一体…?
待ってました!シリーズの大詰め!
くすぶっていた猿との軋轢が判明し、戦いの火蓋が切られる。徹頭徹尾、憎たらしいほど冷静かつ聡明な雪哉がカッコ良かった。辛辣とまで思えるほど冷徹な判断は、彼の大好きだった友の死があったからだと考えれば、最後に見せた雪哉の涙の理由が分かる気がする。
若宮に明るい未来が見えたエンディングは、第二部の期待を大きく背負う。はぁ…早く続きが出ないかしら、八咫烏シリーズ。阿部智里先生、待ってます!
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前巻「玉依姫」と同じ出来事を、八咫烏の視点で書かれた前半。
多少もどかしいけど、読みやすく、なるほどそういうことだったかと頷きながら読む。
が、八咫烏のとはいえ、武漢の論理だからだろうか。
大猿と戦うこと前提で、それ以外の選択はないという論理で進む話は、何か胡散臭い。
戦わずにすむ方法を模索する真赭の薄(ますほのすすき)の言い分は、貴族のお姫様の論理だろうか?
最後にまたまた視点が変わり、大猿の言い分が語られる。
八咫烏には八咫烏の、いや、雪哉のか、大猿には大猿の正義がある。
恨み、憎みあう二者の言い分は、共に自分が正義だというもの。
シリーズを通してずっと感じているのだけど、大人は何をやっているのだ?
所詮若宮も雪哉も若造ではないか。
頭はいいのかもしれないけれど、人の心の機微を知らない若造の掌の上で転がされるだけの大人しか出てこないバランスの悪さ。
雪哉の思いだけで突っ走ってしまった八咫烏は、その裏に隠された本当の歴史を知らないままひと時の平和を享受するのだろうか。
みんなで同じ方向をむくことに疑問を持たない集団は、フィクションであっても怖い。
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八咫烏シリーズ第1部完結(*´ω`*ノノ☆パチパチ面白かった♪雪哉が、最後に涙したのを読んでホッとした。心が、残ってたんだなあ。゚(゚´▽`゚)゚。猿と烏の対決…こうなるしかなかったのかなぁ。猿達にも同情する価値ありな感じがした。でも、若宮達には、もっともっと会いたいね~«٩(*´ ꒳ `*)۶»ワクワク第2部は、どうなるのかなぁ?発売されたら、第1部再読しなおさなきゃいけないかな(笑)
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玉依姫を読んだあとなので、何となく粗筋は分かっている
第2部はどのように展開していくのか楽しみかな…
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文庫で久しぶりに積読。
単行本の猿が表紙のもいいけど、文庫の若宮と浜木綿が寄り添ってるこの表紙も好き。
やっぱり何度読んでも雪哉……となってしまう。
茂さんが死んでしまったことは千早自身も感じてるように本当に本当に雪哉だけでなく烏達にとっても痛手。
きっと茂さんが居てくれたら雪哉もきっとあそこまで心を鬼にしてある意味ダークサイド落ちみたいな事にならなかっただろうに…
ちょっと触れば弾け飛びそうな雪哉の精神状態は読むだけで辛い。だからこそ最後の若宮と浜木綿の子供を抱いた時に泣いた雪哉の場面はもう涙無しでは読めなかった。
信仰する者が誰一人居なくなってしまった山神と、過去の過ちを知ってしまった烏達。
第2章にどう続くかが本当に待ち遠しい。
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八咫烏シリーズ第5作「玉依姫」と第6作「弥栄の烏」を一気に読みました。
まず「玉依姫」。
第4作までも驚きの連続(作品ごとに舞台が変わる)でしたが、またまた驚かされました。
八咫烏シリーズ自体が初期構想のスピンオフだったとは…
壮大な世界観です。
で、「弥栄の烏」。
第1作と第2作が、同じ時間軸を異なる立場で書いた作品同士でしたが、「玉依姫」と「弥栄の烏」も同じ形です。
同じ出来事について「玉依姫」が人間界の志帆側の話。
「弥栄の烏」は八咫烏側の話です。
これにて第1部完。
まだまだ続きそうですね。楽しみです。
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一巻からは考えられないくらい遠い所まで来たんだな…いや、お話はずっと山内を中心に巡るんだけれど、まさか、まさかこんな展開になるだなんて思わなくて……
真赭の薄さま奮闘譚だった。単とは対になるような浜木綿とのやりとりがあって感動。この二人のなんとも言い難い絆いいよね。玉依姫で瀕死の重症になってた相手が予想通りの人で、そんで真赭の薄さまとフラグ立ってたの嬉しい。
それにしても容赦のない展開だった…雪哉の選択、猿の魂胆、若宮の懊悩、全部がまとめて読んでる方の心をボコボコにしてくる。失ったものは多い、未来はどうなるのかわからない、そんな若宮にかける浜木綿の言葉がいいんだ。これで第一部完なのか〜。続編も追います!
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第1シリーズからは想像もつかない物語の展開
あの近習がこんな青年になるなんて、、
辛い道を選ぶ雪哉の決意_φ(・_・
2020/10/16 ★4.8
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シリーズ第一部完結。1巻を読んだ時にまさかこんな展開になるとは想像したしてなかった。
5巻玉依姫の山内側からの視点。…でも有るし烏•猿など色々な視点からの物語があり複雑な心境。
若宮様は初めの威勢がだんだん無くなりうじうじしてる。雪哉がその分以上に、もう唯我独尊的?少し壊れてるんじゃないかと。最後に涙を流せて人間らしさを取り戻せたのかな。
このシリーズは山内をめぐるミステリーファンタジーで有るけど、雪哉の成長物語でもあるんじゃないかも思う。
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面白かった。
雪哉視点が無いからこそ、彼の内面について思いめぐらさざるを得ない。
『玉依姫』の裏側の話とその後について触れられていて読めて良かった。『玉依姫』で亡くなったのは誰か、重傷を負ったのは誰か気になったけど、茂丸と澄尾だったとは。重傷なのは、ますほの薄が気にしていたから、明留かと思ったら澄尾。澄尾はますほの薄を想っていたそうだけど、ますほの薄の方はよくわからない。茂丸がいうように雪哉なのか?
志帆のほうも、玉依姫の意識が浮かび上がっているようだから、彼女もまた人外になったのだろう。
彼女の再生の力でなんとかならんのか?と思う。
雪哉が化け物を倒すために化け物になったり、演説でみんなを鼓舞したり死地にやったりするのが面白かった。 ただ、凌雲宮が囮という機密が漏れなかったのは出来すぎでは?と思う。噂であったかもしれないけど、腰が重かったのかな。山内衆や天軍の身内はいなかったのだろうか。
雪哉としては、邪魔な貴族がこれで減ればなあという計算もあったと思う。
あと、最後の「ヨータ」という台詞がわからなかったけど、確かに3巻の『黄金の烏』で猿を一人殺してたよなあって思い出した。そして、直後に弟を見たわけで。どうしても重ねずにはいられないだろう。いくら駆除といっても知性があり言葉を話、似た形を取るわけだから。だからこそ恐ろしく、排除せねばともなる。難しい。
猿のオオキミが最後に、女性の形になったのが面白かった。山内の原初の八咫烏も雌烏だったそうなので、二人の女性の仲に雄が交じったという構図が面白い。
そして生まれた紫苑の宮。彼女が次代の女王となるのか。
浜木綿が、滅んでもいい、形が変わるだけだという。解決策が出るかもしれないとも。はかなく悲しいだけの滅びじゃないだろうなあと予想させるもので良かった。
東家がまったく出てこないのも面白かった。一連の騒動の間、何してたんだろう。猿と手を組む可能性も?とか考えてたけどそんなことなかった。
東家の生き方、あるいはあせびは原初の八咫烏に似てるのかもしれないなと思った。
雪哉めっちゃ好き。彼が好きなように振る舞えて良かったねと思いつつ、彼はこの地獄を楽しんではいないんだよなあ。主君の若宮のためにどんな地獄を歩んでいくのかこれからも楽しみ。
雪哉のための焚書というのは、雪哉が演説で猿を悪と断じたように、昔は猿と仲間だったという事実を消すためだったんだろうな。
仲間は殺せないが悪なら殺せる。
焚書しなければ仲間だったという事実が残り、みんなの刃先が鈍る。それは雪哉にとっては都合が悪い。だから雪哉が実行に移しやすいために焚書した。
あとそれと、雪哉自身、過去を顧みたりしないと宣言した直後の雪哉のため発言なので、博陸候は山神に縛られない自由を八咫烏達に与えたかったのではないか。過去に縛りつけられずに、金烏を失った八咫烏達にそれぞれ生きて欲しかったんじゃないか。
博陸候としては、猿と山神の由縁をその後の八咫烏達は知らなくてもいいと雪哉の後押しをしたんだろうな。
焚書とい���のは、だいたいその治世において残すと害があるからやるものだけど、博陸候は、次世代のためにやったという気持ちだったと思う。負の遺産だから消しておこう。汚染水残しとくとまずいよねっていう心持ち。
雪哉は博陸候と同じようにその汚染水ごと飲み干したのだろう。
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前作『玉依姫』と対になる、山内側の話。
『玉依姫』ではわからなかった死者・重傷者が、好きなキャラクター2トップだった...。重傷者の方は「きっとあの人だろう」と予想はしてたけど、死者の方は予想つかなかっただけにショックが大きい。
全体的に凄惨で暗いから、市柳が出てくると「元気そうで何より(笑)」と、ほっとする。「残念な先輩」扱いされてるけど、全然残念じゃないよ!笑
1回目読んだ時は、先の展開が気になり過ぎて、とにかくがんがん読み進めてしまったけど、2回目は、各キャラクターの心情をじっくり咀嚼して読めた。大猿含め。