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内田先生のツイッターで本書のまえがきを読んで購入しました。1冊目の対談本は読んでいないので、ツイッターを見ていなければ、今回も見逃していたかもしれません。この成瀬さん、僕からするとちょっとあっちに行っちゃってる感じで(たとえばお葬式では亡くなった人は祭壇の斜め後ろくらいから見ているとか。もっとも、僕にも両親の遺影にいつも見られているという印象は、納骨が済んだ後も変わらずにあります)、内田先生はよくそれについて行ってるなあ、という感じです。でもまあ、そう嫌いではないので最後まで読みました。内田先生の思い出話がおもしろい。戦後、十数年、正月には日の丸を掲げていたが、あるときお父さんが「もう今年はいいだろう」といったという話。その間は、大日本帝国の四十九日だったのでしょう。同窓会の話。久しぶりに会った友人から「二人で飲んだときに俺が言ったこと覚えているか?」とたずねる。内田先生はそれまで忘れていたのにすっと思い出す。「お前って本当に嫌な奴だよな」それでちょっと生き方を変えたとか。どこかにわだかまりとして残っていたのでしょう。双方に。僕にもそういう思い出がいくつかあります。小室直樹先生の三島由紀夫論を読みかけていますが、その中に仏教の本当の教えが書かれている。みんな理解していないと小室さんは言います。それが、ヒンドゥー教について成瀬さんが語っているのと重なっています。本当に解脱した人は輪廻転生をしないと。「豊饒の海」の読み方も変わる。
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大好きな内田先生の著書のひとつなので
よみました。
ちょっと理解ができない部分が多くあり
うなずける部分があまりなかった気がします。
私も一応、武道を昔かじっていましたので、
その経験でうなづける部分のあるのですが。
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二人は似ているようで似ていないけど、息のあった対談本です。
内田樹氏は頭で考える知的な人という印象で、成瀬雅春氏は身体(血肉)で考える血的な人という印象。
面白かったです。
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天下の内田センセイとヨーガ行者成瀬師の対談本。
なるほどの犬の耳多数。二人そろってインプラントにしていてこれはいいと語り合っているのが怪しすぎて笑えたwただ最後の章は切れ味鈍り残念。身体性が至上、ゲームパチンコカジノはダメ、ひきこもりノンアクティブは問題、と頭から切り捨ててしまっていて、そこら辺のジジイと同じレベルとなってしまっている。
P5 どんな異能であっても、「そういうことができた人がいる」という話は受け入れる。だってそれによって失われるものなんか何もないんですから。自分の中に潜む可能性を信じようと信じまいと、日々の稽古そのものに割く時間と手間は変わらない。だったら「そういうことができる人間がいる」と信じたほうがわくわくするし稽古が楽しい。人間の潜在可能性についてのこの楽観性と開放性は、武道家にとってかなり大切な資質ではないかと僕は思います。
P9 (ドミナントな産業が農業から工業に変わったことで)製造業の言葉遣いが普通に教育活動について言われるようになりました。この転換によって「子供たちのどのような潜在可能性がいつどういう形で開花するかは予見不能である」という、農作業においては当たり前だったことが非常識になりました。いずれ興業のメタファーも打ち捨てられて、ディスプレイに向かってかちゃかちゃキーボードをたたいているうちに銀行預金の残高が増えていくのが「生産」の一般的なイメージになり、それに則して学校教育の「当たり前」も変わっていくはずです。(多分その時には「創造的思考」とか「スマート化」とか「投資対効果」という言葉が大学教授会で飛び交うことになるでしょう)
P15(頑固ジジイは)『複雑な話』をする能力がなくなってきているんです。話が複雑になってきた時には自分も複雑になって見せないと対応できない。複雑さを処理する基本のマナーは「判断保留」です。「それが何を意味するのかわからないものがある」ということを受け入れる。それができるのは人間だけです。(しかし)老人になることで際立って衰えるのは、この「なんだかわからないもの」をなんだかわからないまま保持しておく力です。体力気力が衰えると、早く腰を下ろしたくなるんです。中腰つらいから。老いるというのは自己複雑化の努力を放棄することだと僕は思います。ほとんどの老人向け書籍は「どうやったら楽になるか」「どうやったら話を簡単にするか」という方向で読者をひきつけようとすると思います。
P38 実際に歴戦の軍人の中には、「そう言うことがわかる人がいる」ということを兵士たちは経験的に知っていたから、「そういうことがわかる人がいる」ということについては兵士の間で集団的な合意があった。だから「この人についていけば生き残れる」と思う人がいたら、とにかくその人についていく。最前線には「そういう人」を配置して、指揮をとらせていたということがきっとあったんだろうなと思います。
P55 人間て、放っておくと西へ向かうという基本的な趨向性があるんじゃないでしょうか。
P73 八百万の神々という考え方の中に釈迦が来ても何が来ても、そこへ入るイス(スペース)があるということです。
P86 あらゆる答えは自分の中から出てきます。スタンスとしては常にずっとそうです。「神の声が聞こえた」というのは、自分の中にあるデータから引っ張り出したということだから。(成)
P90 超高齢者(105歳とか110歳とか)全員に共通している点があった、それは自分の体の内側で起きた反応を言語化できるということだった。施術していると「もういい」「もうそこでやめて」という要請がなされる。
P93 「合気道家は入れ歯が合う」合気道家はたぶん自分の口蓋の構造を入れ歯に合わせているからだと思うんです。与えられた環境に対して、自分の骨格や筋肉のほうを微調整してインターフェイスを滑らかにするということができる。[中略]自動車やバイクとだって一体化して手足のように操作できるなら、インプラントくらいなんてことないですよ笑
P97 呼吸は命がけなんですよね。だから、ほかのことを半分考えながら半分だけ呼吸のことを考えるという訳にはゆかない。100%呼吸のことを忘れているか、100%呼吸のことだけを考えているか、どちらかなんです。だから雑念が入らない。[中略]脳内幻想のせいで血圧が上がるとか胃が収縮するとかいうことはたぶんあるんと思うんですけど、幻想で呼吸が止まるということはない。すぐに死んじゃいますからね。
P100 吸うのは死へつながるから。[中略]生まれたときは吐きから始まって吸って終わるんです(成)
P104 恐怖心や驚愕は身体現象なんです。だから両薬指をひっかけて伸ばすと消える。横隔膜が下がるんだそうです。
P111 「イメージ」と「意識」は全く違います。意識できると、まさに今やっている動きがその人の脳内で生じているわけです。だけど、イメージは違います。イメージしてもそれは自分の体の作用として機能するまでには至っていません。要するに「こうだろうな」と思うのがイメージですね。だけど意識するというのは脳内で動いていることです[中略]イメージすることと意識することの違いは、やはり体験しているかいないかが非常に重要です(成)
P141 本当の意味の「不死」は「自分が死なない」ということではなくて、「死んだ後に生まれてこない」それが不死なんです。(成)
P157 威張ったっていいんですよ。でも老人は威張りたかったら権力を手放せということです。
P160 (死んだ後は)解脱しようと思っています。人間卒業という言葉に置き変えてもいいです。つまり人間としての勉強を終えたいということです。そうするともう二度と人間として生まれてこなくて済みます。だから死んだ後のイメージというのは皆無です。宇宙を形成しているチリの一粒になるぐらいでしょうね。(成)
P164 お葬式に行くと、祭壇の斜め上の角に多くいます。祭壇の斜め上の角をちょっと見ると、わかってくれている人がいるんだと亡くなった人の意識がふわーっと喜んでくれます。(成)
P179 自分がどういう風にろくでもない人間であるのかについての理解が進むと、自分がしでかした「忘れたいこと」のほとんどは、「いかにも自分ならやりそうなこと」だとわかってくる。だったら隠したりしまい込んだりする必要がありません。ときどき引き出しから取り出して���しみじみ眺める。
P186 武道をやる人は基本的に「弱い人」なんです。
P189 天賦の能力は不調になったときに補修のしようがない。そんな頼りないものを土台にして生きてゆきたくない。それよりは、自分で一から十まで自分で作り上げたものなんだから誰にも奪えない壊せない、と言えるものの上に自分の人生を積み上げたい。
P195 気の悪いところには住まないほうがいい。感受性を鈍感にすることでしのごうとする。そうなるとそこにいる人の間で話が通じなくなるんです。そんな人たちが集まっていると当然いさかいが起こる。
P196 いやなこととか気分悪いことを我慢するというのは、目の前しか見えないからです。いやなことを我慢するのでなくしっかりと見据えるのです。(成)
P202 生命力って「取り入れるもの」じゃなくて「出すもの」じゃないかと思うんです。使わないと生命力は増えない。貯めこむということはできないんです。
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読んでてよく分かる。
実感することでしかわからないから
ビビらずに
やってみるしかない
死ぬのも楽しみ
なんて
不謹慎かもしれないけど
そう思う
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嫌なことや辛いことをちゃんと見つめることで、そのなかに楽しさや良いことを見付けていくという姿勢は参考になった。目をつむっては何も変わらない。限られた人生で何が大切なのかを考えるのに良い本。
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なかなか難しい。そして本題に入るまでが長いというか、タイトルあってるか?となる。
中身は凄く深いのだが、目次等よく見て選著した方が良い。良本であることは間違いないのだが、学のない私には合わなかった。