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久々に小説を夢中で読んだ。だんだんと記憶を失っていく母と、えずくほど戸惑う息子。ちょうどそんな状況になりつつある自分と重なり胸を打たれた。
失っていくことで得られるもの。最後まで色鮮やかに覚えているもの。表紙の、手前はぼやけて遠くにピントがあってる花が全てを物語っているような気がした。
母とも今のうちにもう少し話しておこうと思ったと同時に、
自分もまた息子達にそのようなことを思われるのかと、ちょうど自分が中間地点にいるような複雑な気持ちになった。
映画になってほしいと思った。
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人気アニメ映画のプロデューサーとして大活躍の著者
本もすごいですね
認知症の母と息子の物語
切なくて一気に読みました
文がきれい
花火の描写が好き
泉が思い出してよかったね。百合子さん
≪ 誰と見た 打ち上げ花火の 記憶だけ ≫
≪
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俺なんてマザコンっちゃあマザコンかもしれんなぁ。子どもん時はやたら利かん坊で、母には随分と迷惑かけたから、今はとにかく大事にしてやりたい。年とってすっかり萎んだ後ろ姿を見るに、寂しさが募る。この小説の百合子は、俺にとっては得体が知れなくて、とりわけ浅葉さんとの関係を綴った日記を後生大事に残してたなんて理解できないんだけど、送る側、送られる側、親子の切なさは伝わってきた。泉の孝行ぶりもさることながら、香織がやけにできた嫁だと感心する。小説としての抑揚が足りないかな。
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認知症と診断された母。
母の記憶がなくなるにつれて、母と一緒に過ごした時間を思い出すことが多くなった泉(息子)。
一人で懸命に子どもを育てる母親、優しく時には厳しいピアノ教師、色白で笑顔が魅力的な女性…母の中には様々な姿をしたヒトが存在していたことに改めて気付く。
母との思い出を辿りながら、二人の間に出来た溝が自然と埋まっていく。
自分が記憶を失っていく時はどんな気持ちになるんだろう?子ども達が泉夫婦のように優しく接してくれるといいなぁ。
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今まさに、リアルタイム。
何度となく自分に置き換えて読んでいた。
でも、辛いだけでない、何かを...これからも探していきたい。
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そもそもこの息子、何にも介護してないじゃん。ヘルパーに任せた後はあっさり施設に入れて… 勝手に感傷に浸っているだけにしか思えない。直接向かい合ってたらどうしたって負の気持ちの方が勝ってくるけどね。
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人は毎日の生活の中で
いろんな事を覚え忘れる
忘れる事も恐怖です
大事な事は思い出さずとも
心の中に根付いてますと
思い出させてくれた一冊でした
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p214時間泥棒の話が出てきてモモを読んでてよかったと思った。母が忘れた事は今まだ私が覚えてるから大丈夫そんな風に思えた。
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忘れてしまい、失われていくもの、残り続けるものはなんなんだろう。
自分自身も忘れっぽいので、少し考えてみたけど、答えは出ない。
物語は、母子家庭で育った泉が、母の異変に気づくのが遅れ、認知症がだいぶ進んでしまった。
どんどん忘れていく母百合子、息子の名前さえも。しかし、全て忘れるわけではない。
最後は何を思い出すのだろう。
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結婚し、妻の妊娠が判明し、父親になることに戸惑いを隠せない夫、泉。
その戸惑いの原因は、彼の家が母子家庭であり、父親の役割を知らずに育ってきたからだ。
そんな折に母、百合子の様子がだんだんとおかしくなってくる。
認知症を発症しているかもしれません。
そのことを、百合子自身も感じていた。
自分の記憶が混濁し、自分の行動を自分ですら理解できないことがある。
時間だけが過ぎ、百合子の認知症は進行していく。
百合子は療養施設に入ることになり、泉は実家の整理をしていると、母の日記を見つける。
それは、母が突然に蒸発した中学校一年の時の出来事。
記憶の断絶の一年間について書かれていた。
認知症により、記憶を失っても、手順は覚えている。
自分が何者かを忘れても、誰かが自分を何者かと証明してくれるのか。
多くの人が、いつかは直面する親の認知症。
親から「あなたは誰?」と真顔で言われたら。
その時に、どう反応すればよいのだろう。
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冒頭からヒヤッとする予感。
老いる恐怖。いずれ自分もこうなってしまうのだろうか、という恐れを感じながら読み進めた。
うちも息子が1人。百合子のような境遇ではないけど、息子に迷惑をかけたくない気持ち。
泉と百合子の関係はれっきとした親子だけど、1年間空白がある。短いようでも心の中には大きな1年だと思う。
なんか考えさせられるな~
凄くいい小説だと思う。きっと忘れられないかも。老いが目の前にある身として。
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読みやすくスラスラ読めた。
衰えていく母親とこれから新しい命が生まれる息子の関係性の変化が細かく描写されている。
息子は確かにほとんど介護をしていないけれど、それは母親が失踪した1年間のわだかまりがあったのではないかと思う。
それを母親の日記を見つけたり、認知症が進んで若い娘に返っていく姿を見て、わだかまりが少しずつ溶けていったのでは。
そしてこの母親は自己中心的で好きになれない。
どんな事情があれ、好きな男と同棲するために息子を置いて黙って出ていって、震災をきっかけに何事も無かったかのように戻ってくるなんて虫が良すぎる。
そして夫婦ともにレコード会社勤務という設定も、現実離れしすぎ。
その2点だけ感情移入できなかったが、認知症の理解を深めることができ、出会ってよかった本だと思う。
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大切な人が自分を忘れていく恐ろしさみたいなものを感じた。
私だったら耐えられるだろうか、正面から向きえるだろうかと考えさせられました。
親子の空白の1年はうーんと思ってしまったけど、最後は涙が出ました。
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認知症の母親と息子の切ない物語。
認知症ではなかったが亡くなった母を思い出した。
読後感 う〜ん!自分が認知症になったら、、、心配!
印象に残った文章
⒈ 母の手には傘が2本、しっかりと握られていた。
⒉ お花、買ってきてね。
⒊ 20数年ぶりに眼前にあらわれた半分の花火を目の当たりにして、あの時の母との会話をはっきりと思い出した。
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母と息子の母子家庭、ピアノ教師してた母と今は音楽産業に携わる息子だが68になった母は少しずつ認知症が出始め壊れはじめ、息子は新米の父になろうとしている。
そんな二人の辿ってきた道と歩んで行く道を静かに対比させながら、甘酸っぱくほろ苦かった母子関係を柱に物語が進む。静かでゆったりしたピアノ曲小品のような作品。
衝撃的だった あの有吉佐和子の「恍惚の人」から遥かな時を経て、令和の今版「恍惚の人」は主人公も背景も社会状況も様変り ですねぇ♪