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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
安倍政権を支えてきた官邸官僚の罪が、わかりやすく解説されていて、よかったです。マイナス面を、これからはプラスにしてほしいです。
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【森友、加計問題の陰で暗躍した男たち】出身省庁でトップになれなかった官僚が官邸入りし、安倍首相の権威を笠に霞が関全体を牛耳っていく側近政治の全貌を徹底取材。
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サブタイトルにある「側近政治」は、歴史的に振り返っても、もろ刃の刃であることが少なくない。
現政権の「側近」による各種の振る舞いも、内閣人事局による官僚組織上層部の人事一元化ともあいまって、猛威を振るっているものの「成果」はさして上がっておらず、著者によればむしろ官僚組織の自壊を引き起こしている側面のほうが強いと思われる。かれら側近は、私に言わせれば、ある種の仕事上の能力はあるのかもしれないが、マッチであちこちに政策の火をつけて回るものの、政治に必須の「責任」はみごとに回避する。安倍内閣の代名詞ともなった「やってる感」を体現しているだけの存在にすぎない。なによりも人間性に決定的な欠損があるとおもう。「○○に刃物!」と叫びたくなった。
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【254冊目】うーん、期待しているのとは違ったなぁ。なんというか、安倍政権批判に終始している感じがするのだけど、「官邸官僚」というタイトルをつけるからには、その意味をもう少し深掘りしてほしかった。
どうすれば良かったんだろうと考えるけど、比較が足りないのかなぁ。日本の戦後行政史において官邸が強かった時期は別に今だけじゃないはず。たとえば中曽根政権や橋本行革のときも、ある種官邸が強かったのではないかと思う。じゃあ、安倍政権のときとそれらのときはどう違うのか、とかそういう描き方をしてほしかった。そうしてこそ、スキャンダルや不祥事の叙述にとどまらない、安倍政権下での「官邸官僚」を立体的に描けたのではないかな。そして、官邸官僚が権勢をふるう構図は、安部政権後も続く構造的な変化なのか、も予想できたはず。
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「官邸官僚」森功☆☆☆
2020/03/08
安倍政権は一強長期政権であるが国家経営のスケールは無い
権力のお裾分けをいかに自分に有利に運ぶか、個々人のせこい思惑でこの国は10年近く運営されてきた
そのつけは毎年30兆円以上の借金証文となって次代の肩にのし掛かる
平成から30年間、日本史の中で「総無責任時代」として歴史を刻むことになりそうだ
著者の取材力は壊れていく日本の中枢を余すこと無く描き出している 見事そして脱帽
2020/08/26 追記
年初来、全く想定外の「コロナウィルス」が猛威を振るい、世界を塗り潰す勢いである 全く共産党宣言の世界だ
コロナは日本の危機を白日に晒した
安倍政権の実態が明らかになり、末路はもう直ぐ
しかし本書にある通り、安倍の次の政権は地獄だ!
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【官邸の主を守り通すという、ある意味の使命感を最も強く抱いている役人集団が存在する】(文中より引用)
官邸の力が強まるにつれ,パワーバランスが変化したとも評価される霞ヶ関・永田町。これまでとは異なるルートで権力の階段を駆け上がり,権勢を振るうようになった「官邸官僚」について研究した作品です。著者は、フリーランスのノンフィクション作家として活躍する森功。
日々の報道からだけではなかなか見えてこない,中・長期的に観察される政治の変遷について考える上で有益な一冊。制度と人の両観点から事象が捉えられており,深みのある分析になっているのではないかと感じました。
本書で指摘される傾向は一時的なものなのか構造的なものなのか☆5つ
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知人に薦められた本。
和泉補佐官がいかにして名を上げ、入り込んで、力を持ったのかの記述は面白い。
いわく、小泉政権下で都市再生本部事務局次長として、公共事業に代わる新たな成長産業として、都市再生という旗印を掲げて仕掛けた、と。このあたりから「国交省に和泉あり」と霞ヶ関にその名が轟くようになっていったと。
民主党時代になっても政治家との人脈から内閣官房に残り、参与になり、さらに自民に戻った第二次安倍政権で補佐官となった。それには菅官房長官の強い推薦があったという。
菅が横浜市議のとき建設事務次官だった高秀を市長に擁立したころにも、和泉によく頼っていたのではないか。そして菅が国交政務官になったあとも(←なったことを知らなかったが)、なにかと和泉に相談するようになった、と。
こういうことを知ると、菅政権になったとき和泉補佐官がどう処遇されるかと思っていたのが愚問だとわかる。
港湾局の「チーム和泉」の話も印象的。
沖縄防衛局の従前の設計では地盤条件にあわないので見直しが必要ということで、菅が、2016/1に港湾局の9人を送り込んだと指摘している。週一で和泉が打合せて指示を出してきたという。
人事をもって力の源泉としている、との指摘も説得力がある。
さて、このあたりの評伝?的な内容はまだいいのだが、本書後半はさしずめ週刊誌的な内容と言わざるをえない(週刊文春刊なのでそりゃそうなのだが)。
とくに、森友加計や財務次官のセクハラなどのスキャンダルについては、記述が感情的で、政権批判のトーンが前提になっているので読んでいて頭が痛くなる。文科省局長の裏口入学事件もそう。
こういう、捜査中係争中の案件について決めつけて、「子供染みた嘘のように感じる」「内閣の失態をさらしてきたともいえる」(あとがき)などと一方的に書くのは、単なるジャーナリズムにさえ満たない週刊ポスト的な内容で目をおおいたくなる。
とはいえ、稲田朋美の内閣人事局設置の仕事や、関空の2018年台風21号での災害対応のまずさ(なんでも民営化すればいいというものでもないという指摘)など、傾聴に値する記述もあるのは確か。
項目によって、論理性・客観性といった辺りの基本的なスタンスが混在しているのが、本書の意義や信頼性を下げているのは、なかなかに残念。
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安倍政権における官邸官僚の分析。第一次のお友達内閣の反省から、杉田、今井、北村、和泉、長谷川、柳瀬といった官邸官僚を登用し、内閣人事局の人事権を背景に霞ヶ関を操り、ある種破壊していったという内容。
特に、杉田、北村、和泉などの前半生からスタイルや軌跡を追っているのは面白い。また、これらが各省庁の官僚機構のトップではなく、二番手、三番手だったという分析も良い。
しかし、それ以外は週刊誌的な内容、かつ、はなから官邸官僚を批判するトーンで書いており、納得感がない。
こうして見ると、経産・警察の天下に菅長官に近い和泉が食い込んでいる形。菅内閣になり、経産グループは消えたが和泉の勢力は残り、何故かしぶとく警察も残る。他方、外務省復権も言われているし、法務では安倍政権の守護神の黒川氏が失脚、財務がどうなるか。菅政権一年くらいでまた分析したら面白いものになるかもしれない。
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安倍一強政治を支えた高級官僚、首相秘書官、首相補佐官、官房副長官などについて、その仕事ぶり、中央省庁への働きかけを紹介した書。よく取材されてるとは思いましたが、読みにくかったです。
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今井秘書官を始めとする安倍総理を支えた官邸官僚たちにスポットを当てていく。取材で得た情報がたくさん散りばめられているが、取り留めがないのと著者の立場があまりに政権に批判的なので評価は低めにした。これだけ情報があればもう少し上手くまとめられると思うのに残念。
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今井尚哉、和泉洋人、杉田和博ら傍流だった官僚が官邸官僚として辣腕を振るう姿を描く。著者が批判的なことを差し引いても、従来の省庁政治とは異質の体制が浮かび上がる。ただ、首相機能強化(=大統領化)の結果が直轄官僚の肥大化と考えると当然ではあるのだろう。現に米国の猟官運動と比べれば、日本における弊害は微々たるものである。問題は、官邸官僚が一流でないということであり、岸田政権ではそれも改善されたように見えるので、これからの制度変革に期待したい。
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★チームのバランスは★安倍政権の官邸官僚は2種類いると後書きで記している。菅官房長官を支える官房副長官の杉田和博(警察庁)や首相補佐官の和泉洋人(国土交通省)、そして第一次政権から続く首相秘書官の今井尚哉首相秘書官や長谷川栄一、柳瀬唯夫といった経産省出身者。個人に焦点を当てた章立てでそれぞれのストーリーはよく分かっただけに、チームとしてどのようなパワーバランスで成り立ったのかが気になった。
出身官庁でトップになるようなスーパーエリートでない人物だからこそ、官邸で安倍政権に忠誠を尽くしたという書きぶり。ただ、本当にフィットするのは技官の和泉だけではないか。和泉については何が重用されているのかよく知らなかったが、特区をきっかけに難しい法案を通しきる力が評価されたとのこと。内閣人事局の力をきちんと使わないと、官僚のゆがみと無力感を生む。様々な問題も抱えつつ、安倍政権は結局、勝ち逃げだったのだろう。