0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は、優しい性格だが2度も会社を辞めてしまい、今はコンビニのバイトをしながら暮らしています。周りの心暖かい人たちとのふれあいから、いよいよ行動に移す主人公の姿に思わず応援したくなります。
固有名詞の大切さ
2019/07/18 16:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぷりしら - この投稿者のレビュー一覧を見る
とりたてて劇的なことが起こらなくても
人は日常の中で緩やかに変わり得るということを見せてくれる小説。
登場人物同士が名乗り合う場面が多い、しかもフルネーム、漢字の説明付き。
冒頭が偽名で結婚披露宴に出席している場面であることと併せ
人と人との繋がりにおける名前の持つ意味の大切さが伝わって来る。
投稿元:
レビューを見る
この方の小説は、大事が起こらないけど、じんわり心を打つので、流し読みせずに一文字一文字しっかり読める。人は弱くても関わりあって少し強くなって、やりたい事が見つからなくても生きなきゃならなくて。再出発に希望ある、いい小説だなぁと思った。
投稿元:
レビューを見る
27歳、フリーターの井川幹太。
学生時代からワンルームアパートに住み続けてて、
父の浮気、死別がトラウマで、
パンが好きで、川が好きで、
一人で生きてるようで、実は一人じゃない、
出会いと別れと、日常が淡々と描かれているんだけど、じわりとしみた。
生きてるだけで何者かである。
投稿元:
レビューを見る
いやぁ、いいねぇ、『ひと』もよかったけど今回もよかった。
なんていうのかな、家族的にはあまり恵まれない主人公が、ご近所との飾らない付き合いの中で、少しずつ成長していく姿に親戚のおばちゃん目線で見守りたくなる。
「ちょっと、あんた、もっとしっかりせにゃ!」と言いたい気持ちをぐっとこらえて「ちょっとお茶でも飲みにおいでよ、おいしいおせんべいあるしね」なんて言いつつよびよせたくなる。
淡泊でがつがつしてなくて、周りに流されがち。でも根は素直でいい子。ついつい世話を焼きたくなるし逆にいろんなことを頼みたくなる。そんなイマドキ男子のカンちゃん。どこにでもいそうな彼の、一見平凡でつつがない毎日は、実は父の浮気と病死、という心のひっかかりから足踏み状態だったのだろう。その足踏みを、前に押し出してくれた、やんちゃっぽい戸田夫婦と可愛い子どもたちとのご近所づきあい。こういう下町っぽいやりとりは、日常のようで実は今や絶滅危惧的貴重な関係なのかも。
はぁ…、良いモノ読んだ。じわじわと涙が流れ続けちゃう読書体験。楽しくておかしくて、なのにグッとくる。いいねぇ、小野寺小説。好きだ。
投稿元:
レビューを見る
平凡な青年の日常がふとしたことで、ほんの僅かだけ前に進んでいく、著者お得意の日常小説。
主人公の今後の成長にご期待くださいエンドは読み飽きた感もあるが、まあこれはこれで。
投稿元:
レビューを見る
ウィンウォーン。
小野寺さんのインターホンの音はいつも和む。
場所は平井。子供の頃住んでいた町なので懐かしさとともに読んだ。
なんということのない日常の出来事が綴られているのだが、その中には人に対する思いやりというか温かさがある。
日常なのだが小さな物語が綴られていく。
生きる希望というものが感じられる本でした。
良かった。
投稿元:
レビューを見る
「ひと」もそうだけど、この人の描く物語は好きだな。
人とのつながりとか、日常のことなんだけど、すごく暖かく感じれる。
投稿元:
レビューを見る
何かを頑張っている訳でもなく、頑張りたい訳でもない。それでもライフという時間は流れ、周りの人も流れていく。
そんな中に身を置く青年に、読んでいて何故か好感を持つ。
特別な事はなくても普通の時間を過ごせる大切さかな。
なんか心の癒される一冊。
投稿元:
レビューを見る
27歳バイト掛け持ち青年が、周囲の人に影響を受け、自分の生き方を見つけて行くお話。
コンビニバイトと結婚式の代理出席で生計を立てている井川幹太は、サラリーマン離脱組。
アパートの上の階の騒音に悩まされていたが、あるきっかけからその住人と仲良くなり、他人の人間模様を知る。
そしてほかの隣人や、同級生との出会い、自分の生い立ちを見つめて行く中で、何かをやらなければならない生き方を求められる時代に、自分の生き方でいいんだ、やりたいことが無くてもいいんだと気づき、前に進んでいく。
現代の求められるものを否定も、肯定もせず、今どきの新しい生き方を提唱。
小野寺さんの空気感大好きです。
投稿元:
レビューを見る
井川幹太27歳、コンビニ勤務、一人暮らし。大学生のときは同じ大学の同級生がたくさん暮らしていたアパートも、今では一人ぼっち。結婚式の代理出席のバイトをしたり、ばったり高校の同級生に会ったり、アパートの上に暮らす人の騒音に悩まされたり。平凡な男による、平凡ぽいけど、非凡な生活。
「ひと」も良かったけど、こっちも良かった。
基本的に、いい人が何をどう感じ行動をするかを読むという、私自身にはないものを知るみたいな体験。(名探偵の内面を体感したり、サイコキラーの内面を体感するのも、読書の意味?なのかもしれない)
なんでそんなにいい人なんだよー、ともどかしくなったり、あるいはあー良かったねー、と思ったり。気づけばドップリとハマっていた。
【「やりたいことがあるのにやれなかった人と、やりたいこと自体を見つけられなかった人。どっちがいいんだろうね」】
【「わたしも仕事やめちゃおうかな。井川くんみたいに。それで、『東京フルボッコ』に入る」
自分のことは棚に上げ、言ってしまう。
「やめないほうがいいんじゃないかな。どうしてもやりたいことがあるなら別だけど」
人は他人には一般論を言う。
例えばの話し、自分が飛び降り自殺をするときに同じことをする人が隣に来たら、やめなさい、と言う。そんなふうに刷りこまれているのだ。
自殺をしてはいけないと刷りこまれるのはいいとして。やりたいことがなきゃいけないと刷りこまれるのは、どうなのだろう。】
他人には一般論を言う。確かに。
投稿元:
レビューを見る
コンビニ店員や結婚式の代理出席のバイトなどをしながら,学生時代から引き続き同じアパートで暮らす井川幹太.彼ののんびりした優しさが,隣人たちともちょうど良い距離感で繋がりまた離れていく過程の中で,ふうわりと漂っている.好きなことをして働くということ,つまりは好きなことをして生きることが出来たら本当にすばらしい.この物語はそんな人達で溢れていて,柔らかい光に包まれたような読後感.
投稿元:
レビューを見る
大学卒業後入った会社を2年で辞め、次の会社も半年で辞め、現在はコンビニと披露宴の代理出席のバイトで暮らしている井川幹太。彼の淡々とした日常が、一人称でダラダラと綴られていく。現状に満足しているわけではなさそうだが特に行動を起こすでもない。もどかしい反面、そんなものだよなと共感もする。ただ、いくら下町とはいえ現代の東京ではあり得ないでしょという強引な展開や、やたらと名前(姓名)にこだわる人達には違和感を覚えた。
投稿元:
レビューを見る
「ひと」が良かったからこれも、と思ったけど、これはまた雰囲気が似つつもちょっと違う感じだったなぁ。
すごく大きな出来事が起こる、というわけではなく、淡々と井川幹太の日常が進んでいく感じ。でも同じアパートの住人との距離が近くなったり、離れていったり、そういった日常のなんでもないことが少しずつ描かれていて、ゆったりとひなたぼっこしながら読みたい本だった。
投稿元:
レビューを見る
本屋大賞2位を取った「ひと」
最初読んだとき自分はとても好きだったけど、あの淡淡とした内容を世の中の人が気に入ってくれるのか分からなかったです。淡々とした中に胸が熱くなって、目頭が熱くなるあの本を受けとめたひとが沢山いたことが嬉しかったです。
本作はやはり淡淡とフリーターの生活を描いています。何も大きな事件は起きないし、色々な人と心の交流もありますが、そこを離れてしまえば終わってしまう関係のふとした寂しさも、肯定的に感じられる本です。
昔住んでいた近所の人を思い浮かべながら読みました。