紙の本
期待外れ
2019/06/21 11:51
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒酢 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のtwiiterをよく見ていたので購入。
世論調査の手法についてわかりやすく説明がされており、世論調査が一定の信頼性があるものであることがわかる。
しかし、世論調査の結果や選挙結果に対する原因の考察については(第5章)、急に、網野義彦氏の村の形成の東西差が出てきたり、付け焼刃という印象を受けた。
そこまで歴史を遡る必要があるのか疑問。東日本が現在、比較的に野党優勢なのは、自民党から離党した有力議員の地盤が結構あることも理由も一因であるが(例えば、小沢一郎や田中真紀子など。離党前は、岩手や新潟は自民党が強かったが、離党後は、県連がボロボロに)、本書では言及ない(小沢氏の名前は何度も出てくるのに)。
また、投票率の急落および無党派層の急増が1990年代に起こった原因については、著者は、当時の政府、与党が、ブラック企業や非正規雇用についてきちんと対策しなかったからと言うが、これは著者が若いためか、ずいぶんと的外れと感じた。
1990年代といえば、バブル崩壊によってリストラが吹き荒れた時代で、当時はブラック企業や非正規雇用という言葉さえ無かった。リストラで、労働組合は組合員を全く守れず、労組の影響力が大きく低下したことは、投票率急落や無党派層急増の一因であろう。
更に、客観的な記載の合間、合間に、共産党を含む野党が選挙協力すれば、自民党と公明党の与党に選挙で勝てる旨の記載を入れてくる点が気になった。
政策の違いについては、選挙の公約なんて、選挙後に守られたことなんてないという趣旨が書いてあり、選挙における公約の位置づけについては、この本では軽く扱われている。
但し、沖縄の基地問題についての住民投票に関しては、実施までの経緯について自民党系の市長らが投票事務を拒否したとして、民主主義への挑戦だと非難している。著者は、政策は、選挙ではなく、住民投票で決めれば良いという立場なのだろうか? また、投票事務は、市議会が予算案を否決したという事実がこの本には記載されていない。
共産党を含む野党が選挙協力して与党勢力となった場合、どのような政策が行われるのだろうか?
過去、政権交代で、自民党の一部と社会党の一部を含む民主党政権となった時、どのような政策が行われたか、著者は、もう忘れたのだろうか?それとも若いため、知らないのだろうか?
政権内で政策が違い過ぎて、何もできなかったのである。3年間で唯一できたのは、消費税増税のみ。そして、民主党は分裂してしまった。自民党麻生政権は、本当に酷かったが、民主党政権も酷かった。
あれを再び行うというのであろうか?しかも、今度は更に共産党も加えて・・・。
twitterでは中立的と感じていたが、この本には、共産党に大変喜ばしい趣旨が刷り込むように挿入してあり、なんだか残念な読後感であった。
電子書籍
万人向けのテーマだが注意点あり
2021/12/26 17:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:rain - この投稿者のレビュー一覧を見る
選挙が近づくたびに世論調査の結果に一喜一憂する人におすすめの本。世論調査の正しい見方や各社の違いなどがわかりやすく解説されている。
またそれが選挙とリンクしているという観点も面白く、与野党のどちらの支持者でも参考になることだろう。
ただし、筆者はバリバリの野党支持である。なのでこの本も決して中立ではなく、どちらかと言えば野党派の人の方が読み易いつくりだ。とはいえ偏向とまでは言わないので与党派の方も注意して読めばデータ部分だけを有効活用できるだろう。
私は作者とはスタンスが別で読みにくい部分があったため少しばかり評価を減らさせていただいた。
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Twitterではるさんを知り、データで俗説をバッサリと切るのが爽快だった
自分の意見に合うものだけを拡大し、合わないものはなかったことにするひとが非常に多いTwitterで新鮮だった
本書、特に与党列島と野党列島はちょっと怖いくらい
そこに住んでいたら周りは同じ意見に思えるけど日本がこんなに分断されているなんて
今後選挙や世論について何か考えたいなら必読だ
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2019年6月10日(月)MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店で購入。2019年6月11日(火)読み始める。
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世論調査ってよく目にするが本質が今ひとつわからなくて勉強しようと思い購読。概論を交えつつ、主に選挙や政党支持率に関し世論調査の実態やバイアス、様々な要素を修正した「正しい姿」を見るにはどうしたら良いかなど詳しく解説されている。世論調査はうさんくさいとか、どうせ日中家にいる人だけなんでしょと思っていたら、意外と丁寧に正確に行われていると知って驚いた。一方、質問の仕方や重ね聞きの有無、「他の調査でも4社が否定的」と言っても実は調査は11社で行われている場合が多いなど、むしろメディアによる印象操作の弊害が大きい。こういうことを知った上で眺めたほうが良さそうだ。
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武器としての世論調査 見春充希 ちくま新書
まず政治が面白くなって選挙に使えるし
タイトルにパンチがあっていいね
もしも
すべての人がこの本を読んでくれたら
TVや新聞や公報の嘘も騙しも効かなくなって
国民の考えが変わり前向きになって
選挙が変わり政府が変わり行政が変わって行くだろう
この本の見出しを見ると
社会に違和感や窮屈さを感じ
それを変えたいと思うのならば
私達の社会の仕組みと実態を知る必要がある
既存の政治勢力のご都合で作ってきたのが現状である以上
支持政党を持たない無党派層や
政治や選挙に失望して諦めている人たちの政治参加が鍵となる
グラフを見れば内閣支持率が高いところは宗教の信仰率も高い
野党支持は若年層で伸び悩んでいる
しかし世論調査の見方を覚えて深読みすれば
世論調査の捏造も見いだせるし面白くなる
武器として世論調査を使えば
相手の弱点や急所がリアルの見えてくる
強いて言えば文章が硬くて読みにくいのがこの本の難点だ
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新聞などが行う世論調査(選挙時の情勢分析や出口調査を含む)は、社会をとらえ、未来を変えるための武器だという認識のもと、世論調査とはそもそもどういうものなのかを説明し、よくある誤解を解いた上で、世論調査(や選挙結果)から見えてくる社会のかたち(どの地域に住む、どんな人が、どの政党を支持しているのか など)を示している。そして、世論を政治に反映させる手段としての選挙の妥当性にまで立ち返って議論を行い、世論調査を利用して選挙の情勢を把握する方法と、その情報を利用して個々人の力を発揮させることを考察している。
公開情報である世論調査を総合的かつ緻密に分析すれば、こんなにいろいろ社会のかたちが見えてくるのか、という面白さを感じた。また、選挙をはじめとする政治参加に当たって、非常に有用な手引書となる本だと思う。
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各社の内閣支持率の調査方法は異なる。日経と読売は、「わからない」と答えた人に対して重ね聞きをする。JNNは「ある程度」「あまり」を含めた4択で聞いて合計する。この3社では、支持率も不支持率も高めに出る。支持率から不支持率を引いた差は、読売、日経、共同で平均より高く、朝日、毎日、NNN、ANNで低い。
平常時と比較して、選挙時には無党派層が減少し、野党の支持率が上昇する。平常時には、第一党(与党)の支持率は高く出る。
自民党は山口県、富山県、石川県、福井県に強固な地盤を持つ。自民党は、戦後、農協などを媒介した基盤を地方に持っていたことから、地方で強い。一方で、社会党は都市部に出てきた労働者を労働組合に組織することが重要な基盤だった。公明党の支持率は、西高東低の傾向があり、創価学会だけでなくすべての宗教の信仰率と似ている。
東日本は家父長制的で、男の戸主の権力が強く、主を中心とする主従関係が発達したイエ中心の社会であるのに対し、西日本は母系的で、女性・主婦の地位が高く、イエよりもムラ全体を重んじ、婚姻などによって結ばれたイエの協力によって秩序が保たれた村中心の社会である。
無党派は、1990~95年に急激に増加した。その原因として、ソ連の崩壊による社会党の支持率の低下、自民党を離党した議員が新党を結成したことによる自民党の支持率の低下、一時的に旋風を起こした新党の支持率が1年と持たず低下したことがあげられる。
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世論調査の仕組みや各属性の投票行動の特性を書いた本
各社の世論調査からより精度の高い政党支持率を出そうというのは面白い。
データ分析の本としてみてうまくまとまっている
各社の偏りの修正、移動平均での集計
政党支持率の第一党効果と野党の選挙ブースト。平時の支持率と選挙の支持率
質問の仕方による賛成反対への影響
デモは都市でこそ可能な政治行動
55年体制の崩壊や労組・社会運動の衰退による無党派層の増加
小選挙区と比例区の連動効果、
無党派層①政治的無関心層②正当拒否層③脱政党層
アナウンスメント効果、バンドワゴン効果、アンダードッグ効果
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武器としての世論調査
社会をとらえ、未来を変える
2019/6/10発行
三春 充希(みはる みつき)氏による著作。
1988年、神奈川県生まれ。東京大学大学院理学系研究科卒業。
世論調査や選挙分析に関心をいだき、
2017年より「みらい選挙プロジェクト」を単独で運営。
独自の分析を公表するかたわら、一人の無党派層として社会に対する発言も行い、
与野党にかかわらず様々な政治的立場の人から注目を集めている。
猫と紅茶が好き。ツイッターアカウントは@miraisyakai。
以上のような経歴を公開している。
これはネット上のペンネームだ。
多くのデータが掲載されている。
しかし本書を一言で言えば公明党、創価学会の影響力は東日本で弱い。
その為、世論の逆風があると自民党は東日本選挙区で落選しがちであるということだ。
確かにその指摘通りに選挙結果を見てみると傾向として当たっている。
ただこの御方が悪質なのは中立を装いつつも実態はほぼ日本共産党の代理人、日本共産党のエージェントと思われる。他にも
大神ひろし@ppsh41_1945
などもそうだ。
これらの発言、日本共産党の代議士達の発言に沿う内容、重複する内容を繰り返しているだけだ。
どこにも自分自身の頭で考え述べた政治的見解など皆無だ。
(だからこそ特定政治団体の代理人なのだ。これは対象が日本共産党以外にも日本維新の会、自民党などの発言をひたすらヨイショするだけの者達も発言内容が異なるだけで実態はほぼ同じだ)
本来あるべき対話による政策の実現など考えているのか疑問だ。
ネット上の工作は現実同様、政治工作も日々行われている。
この著者もその1人なのだと思う。