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イギリスに住む、日本人とアイルランド人の間に生まれた息子が学校生活の中で遭遇する人種差別や階級を自分の中で咀嚼して成長していく話。咀嚼するにあたり、ブレイディみかこさんという母親の助けがあるのだけど、なんともまぁ、素敵に乗り越えていくので感動すら覚える。
あと、人種差別な発言や態度を取る人のことを全否定したり弾糾しないブレイディさんの態度に救われる。
体感として、日本で保守的というか右寄りな人が増えている(しかも20代を中心とした若者)と感じていたので、考えるいい機会だった。
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とても頭の良い息子さん。
多様な人種、思考の人々がいる国で、自分自身もマイノリティな立場で、時に嫌な思いをしながらも、ただ落ち込むだけでなく、そこから色々考える息子さん。中学生でこんな聡明な子はなかなかいない。
ミカコ氏の母の視点で、でも少し外在化した視点で書かれている文章もとても素敵だった。
多様な人々と付き合う中で地雷を踏まないようコミュニケーションをとることの難しさと、でもその難しさを当たり前に意識して暮らしている生活環境レベルの高さ。日本の時代遅れ感を改めて感じた。
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困難で複雑な時代。その影響は様々な形でダイレクトに子どもたちにも(にこそ、と言うべきか)降りかかっている。
原因は様々だけど差別やいじめの問題は世代を超えて万国共通。だけどイギリスならではの事情には驚いたり感心したり。
「正直、中学生の日常を書き綴ることが、こんなに面白くなるとは考えたこともなかった」
著者の仰る通り!今子育てをしている方には勿論のこと、現代を生きるあらゆる人々へ(特にくたびれた大人こそ)おすすめの一冊。
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ルドルフとイッパイアッテナ感。課題図書ちっく。だけど読み終わるとスカッとするし、勉強になることが多かった。政府が支援できない代わりに学校が面倒をみるスクール福祉、あれは日本では想像できない。介入しすぎるのは悪になるから。これは東京だけなんかね?世間との繋がりを断ちたいひとと都会へ夢を抱いて上京するひとが混ざり合うのは皮肉だと思った。
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白人の労働社会級?移民?
ある程度読まないと、誰が恵まれていて、誰が貧しい生活をしているのかよくわからない。それに、いろんな人種が出てきて、地雷が避けられない状況。イギリスってそんな世界だったんだと、ただただ新鮮だった。
日本の東京も、だいぶ移民?海外の方が増えてきたけど、そのうち、イギリスと同じような状況になるのだろうか?
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僕はイエローでホワイトでちょっとブルー
著作者:ブレイディみかこ
タイムライン
https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
日本も格差社会的と言われて久しいが、英国に比べて均一社会です。これから外国人が急増して行くことが明らかのために、多様性になれるための基本的な教育が全く成されていない事に心配と懸念をしています。
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この中学生(といっても11歳!?)の考えていることは、自分が同年代の頃には似ても似つかない。これは英国の教育課程のたまものなのか?はたまた人種の多様性によるものなのか。ドメスティックな世界にいるだけでは気付けない差別意識がたくさんあるなぁと。この本を読まなければ自分も例外ではなかったかも。
なによりもこの親子のコミュニケーションの豊富さを見習いたいと思いました。
nuf said/rise
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20190716 タイトルから学園ものの成長物語だと思っていた。が内容はグローバル時代の現実を見つめた内容。同じ島国として良く比較されるがさすがは大英帝国。格の違いを感じてしまう。日本のグローバル化は意識と制度を変えるところから始めないと島国根性であちこちで孤立して撤退で終わりそうだ。
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詠み終えて胸がいっぱいになって、なんだろう?この気持ち、と考えた時に、それは「希望」という光が自分の中にほの明るく灯ったからなのではないか、と思いました。この秋の合意なきEU離脱に向けて混乱まっしぐらのイギリスですが、確かに、そう判断することもあるかもな、というくらいにイライラの溜まっている社会の現実が、この本でも詳細に描かれています。でも、社会はいろんな人で構成されていることを受け止める、そして乗り越えるための教育システムが、出来ていることが凄い!シティズンシップ・エデュケーション・カリキュラム。同じ島国でも、いまだに単一民族って思っている人もいる我が国と、そもそも4つの国のユナイテッドっである国の歴史の違いか…今回のBREXITの問題もアイルランドと北アイルランドの国境線の問題だろうし、それにはカトリックとプロテスタントと国教会という歴史が日々の暮らしに入り込んでいるのも、理想の置き方と現実の帳尻の付け方について鍛えておく必要があるからなのかもしれません。シンパシーじゃないエンパシーがマルチカルチャラルな世界を生き抜くための能力なのであること、それが自分の心に灯った「希望」なのかもしれません。「誰かの靴を履いてみること」このキーワードを自分の物に出来るか?この本の著者のようにパンクじゃなくても、この本の主人公の息子のようにピュアじゃなくても、鍛えたい能力です。そういえばこの本の表紙、男の子がスニーカーはいてるイラストだったなぁ…素敵な本に出会いました。
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シチズンシップ教育や人権教育、ポリティカルコレクトネストなどについて深く考えさせられ、心動かされる記述がたくさんある良い本であった。
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差別、いじめ、貧富の差、日本にもある問題。
多様性が産む問題はいくらでも挙げられて、移民排斥の流れはその問題への不安からくることは想像に難くない。
ただ、一方で。
この、中立的にしなやかに、他者や自己を受け容れている、この子は、日本ではこのように育ったのだろうかと疑問に思う。
問題がありながらも、足元一歩一歩課題を解決しよううとしている大人の背中を見ながら、自分自身も日々葛藤したり悩んだり折り合いをつけながら生きているからこそ、こんなチャーミングな子に育ったのだとも思う。
娘が生きていく日本は、きっと今まで以上に多様な日本になる。それは、しっかり大人がサポートし、大人自身が背中で、問題に対する姿勢を見せさえすれば、ギフトになりうるのだと思う。
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エッセイ集です。書店では話題書としてずいぶん並べられていますね。イギリスの階級社会とか格差、人種が多様な感じがなんとなくわかって面白かったです。日本は外国人が増えてきたとはいえ単一人種感は強くてずいぶんイギリスとは違いますね。こういう本を読むことで少し視点が広くなってこれからの時代には良いのではないでしょうか。
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生まれ育つ国でこのように教育機関の違いがあるなんて、それともこの親子のアイデンティティーそもそもが違うのか。
「学校とは~でなくてはならない」という点から私たちの国はなんて窮屈な国だったのかを思い知らされる。
もう一度子育てしてみたいとふと思い出す。母親業真っ最中だった時には果たしてこんなに社会のこと、国のこと、人種のこと話し合えたか。それよりももっと矮小な問題で(それなりに当時は一大事だったが)悩んでこなかったか?
13歳という年齢はそれなりに難しいし、一端の大人って訳でもないしもう子供でもない。だからこそホワイトでイエローでブルーという名台詞ができたのでしょうが、最終章でグリーンとオチが付きある意味ほっとできた。
彼らの未来にますますの幸あれと、願わずにいられない。
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イギリス,ブライトンに住む日本人×アイルランド人とその息子の中学選びからその1年間を子供に寄り添いながらも大人,親としての考え思いも伝え,生き生きとした子供たちの成長記録となっている.11才といえども考え学び感じている.この息子の感受性は素晴らしく,それを支える母と配偶者の愛が根底にある健全なあり方もとてもいい.
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子供から学ぶことってたくさんある。
そう感じた一冊です。
著者であり母親であるブレイディさんの考え方も素晴らしいけど、ナイーブで深刻な問題を肌で感じ、それに対して俯瞰的に意見を持つことができる息子さんも素晴らしい。
ノンフィクションだから、必ずしも後味の良い終わり方になるわけではないけど、それでも親子の考え方に触れたいという思いで一気に読み進めました。
心の深いところに印象を残した本でした。