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面白かった。さっぱりした分かりやすい文章で、すごく読みやすい。キリンのことも少し勉強できた気がする。
あと終盤に出てくるお母様の手作り「死臭が消える線香」というのがめちゃめちゃ気になる。スゲエ。
博物館の話も出てくるので、読んでてよかった「へんなものみっけ!」。
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動物園のキリンって思ったより多く死んでいるんだなっていうのが素直な感想
学者や博士になるためには、多量の努力と、挫折しない心と、子供のように何故?と思い続けることが重要なんだと改めて思う。いや、何者になるにしても、か。
文章力もさることながら、笑える場面もあり、キリンを見る眼が変わる一冊だった。今度動物園に行ったときは、第一胸椎がありそうな部分を気にして見ることにしよう。
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自分の好きなこととか、やりたいことに取り組むことで自分の人生を自分自身の選択で豊かにしていきたいと思った。
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子供のときからキリン好きな著者が、キリンを研究し、キリン博士になるお話。主にはキリンの第一胸椎が可動域を持ち、8番目の頚椎のような役割を果たすのではないかという研究について書かれています。
キリンについての知識と愛に溢れているので、読むと動物園に行きたい、キリンに会いたいって思います。
また、「好きなことを好きだということの大事さ」についても書かれていて、自分の好きなことって何だろうとモヤモヤしている人にはいい刺激になると思います。
あとがきにある、博物館に根付く「3つの無」、無目的、無制限、無計画も話も個人的にはなんとなく感動しました。「たとえ今は必要なくても、100年後、誰かが必要とするかもしれない。その人のために、標本を作り、残し続けていく。それが博物館の仕事だ」。
むっちゃステキ。
ああ、博物館も行きたい。
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キリン好きな少女が研究者となり、あの長いクビの秘密を巡る大発見をする、まるで小説のようなエッセイ。
夢を追う若者に居場所や、研究材料を提供する環境が素晴らしいと感じた。
学者ではないが、学者と同じ姿勢を持つお母様もステキ。
博物館の「3つの無」、無目的、無制限、無計画。
南方熊楠の膨大なノートを思い出した。
ムダを恐れない心が科学には大事。
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キリンが好き、から、キリンの研究者を志し、キリンを数多く解剖して、キリンの「8番目の”首”の骨」を見つけるまでの自伝。
自伝といっても著者はまだ若手の研究者で、これが研究の集大成、というよりは、研究者になるとはどういうことか、という旅の記録、というように読んだ。
それにしても、キリンの解剖機会の頻度が思った以上に多いことにびっくりする。その多くのキリンを集中的に解剖するために、キリンといえば、と自分をブランド化していく過程も興味深い。研究者として成果を上げるためには、自分のブランド化も欠かせないということがよくわかる。
そして解剖といえば、”解剖男”遠藤秀紀教授…と思っていたら、まさにその遠藤教授に師事するのだった。遠藤秀紀教授の本が好きな人は、そのお弟子さんの本としても楽しめそうだ。
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彼女がこの先順調な研究者生活を送れるよう、願って止みません。
無目的、無制限、無計画な研究で食べていける社会になってほしい。
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著者は、自分が本当に好きなことを素直に追いかけてきた人なのだと感じた。解剖学的にみたキリンもかなり魅力的。
郡司さん、素敵だな。
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まさにキリンの解剖の話ですが、著者の探究心とユーモアが自然と心に響く素敵な本でした。
また、読み終わったあと、自然と、私もたくさんの人に感謝して生きなきゃいけないな、と自戒させられる本です。
いろんな人に薦めたい。
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キリン好きな人,研究している人,疲れている人,悩んでいる人。
オススメしたい相手を挙げればキリがない,そんな良書。
人は必然の出会いで成長し,輝いていくのです。
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確か、ブクログでこの本を知り、「ごめん、キリンが死んじゃって・・・・・・」の一言に惹かれて、レビューをいくつか拝見して、面白そうだ、と思って購入。カバーも表紙も可愛らしくて、読む前からワクワク。
『読み始めた頃よりもキリンを好きになっていたら、とても嬉しい』と筆者は書いていますが、はい、好きになりました。そして、キリンが絶滅危急種だと言うことも知りました(危急種、自体を初めて知りました)
キリンの事、解剖のこと、少しだけ理系の研究の世界のこと(トレンドは分子生物学(遺伝子とか)だと言うこと等)を知れたことも、私にとっては新鮮だし、読んで良かったけど、筆者の郡司さん始め、魅力的な人達のことが知れたことが1番良かったな。私自身の特性であるのかもしれないけど、素晴らしい技術、研究、最先端の動向、そう言う知識か増えることも大切なことではあるんだけど、結局、様々な事の根幹は【人】なのだと感じるから。
・遠藤先生。きっと偉大な研究者なのだろうけど、何より人として魅力的な方なんだろうなーと感じる。(あ、ノーベル賞を受賞された吉野先生もチャーミング全開だよな)
さて、キリンの研究『できるんじゃない?』と『止めても聞く耳を持たなかった』どちらの記憶が正しいのか?(笑)
・お母様。すっごく素敵。雨が降りそうだからと帰って高校中退とは、かなりぶっ飛んだ方だとは思うけど、「雨が降っても学校に行くんだから偉い」と褒められて育つ子供は『子供心を忘れない』大人になれるのかも。こうしなきゃいけない、こう言う道に進むのが正解だ、とか思わない強さが自然に身に付いたのでは。
そして50になってお香にはまり、講師になってしまうお母様は、やはり地頭が良いのでしょうね。
それから、『好きなことを好きだと言うことの大事さ』『同じような興味を持った人が近づいてきてくれる。手を差し伸べてくれる人や、チャンスを与えてくれる人にも出会える』って筆者が書いているのだけど、なんかこれ、どこかで聞いたんだよなー、としばらく考えていたのだけど。これ、三浦しをんさんの【愛なき世界】で植物研究の研究者の話に出てきていたんだ、と気づく。勿論、しをんさんのは小説なのだけど、人との出会いってそう言うものなのだろうなと改めて思う。
遠藤先生も「人生において本当に大事な人間とは、どんな道を選んでも必ず出会う」とおっしゃったそうだけど、まさに!筆者にとっての本当に大事な遠藤先生との出会い。そして先生にキリンの研究をしたいと言葉にして伝えた郡司さん。すごいな。
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キリンに八番目の骨があった!?
ナヌっ?!
で読んだこの一冊(だって調べ学習の本で、キリンの首の骨は7つ!と書いてしまった……あわわ)大当たりでした。
まず、とにかく文章がうまい!
日本語が書ける研究者、最近は増えてきていますが、そのなかでも抜群にうまい!
プロのライター並みのうまさです。
で、もちろん、内容も抜群に面白い。
キリンとキリンの解剖のことなど考えたこともなかったであろう読者もこれ読んだあとは日本中の動物園にいるキリンのことが気になりだすだろうと思います。
博物学マンガ「へんなものみっけ!」のなかで主人公がいってた、後代の研究者のために標本を残す……の意味がようやく理解できたよ。
小学生でも読めるでしょう。
なのですが、学校はすべて買い!!!
2019/10/24 更新
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キリン研究を志した郡司芽久さん(女性・当時23歳)は、論文のテーマが決まらなかった時、先輩にこのように言われた。「凡人が普通に考えて普通に思いつくようなことって、きっと誰かがもう既にやっていることだと思うんだよね。もしやられていなかったとしても、大して面白くないことか、証明不可能なことか。本当に面白い研究テーマって、凡人の俺らが、考えて考えて、それこそノイローゼになるぐらい考え抜いた後、更にその一歩先にあるんじゃないかな」(99p)
まぁ、世の中の偉大な発見は「証明不可能」なことを証明してみせたり、「偶然」に見つかることが多いかもしれないけど、その辺りは「天才」に任せて、確かに凡人の私たちにはこんな処に落ち着くんだと思う。その辺りを素人の私も「楽しく」読めるように丁寧に書いている。「難しい事を分かりやすく面白く描く」これって、一つの才能だろう。
で、偶然にも若いのにキリンを20体以上動物園から献体してもらいキリン研究をこころざして約7年間で「キリンの胸椎は、胸椎だけど、動くんじゃないだろうか?」という研究論文を書く(当時26歳)。
200万年以上前から哺乳類は人間含めてみんな7つの頸椎しか持っていない(マナティとナマケモノは例外)のだけど、キリンは8番目の"首の骨"を持っているのではないか?ということを20代で見つけたわけだ。偶然にも多数解剖できた彼女は基本的にラッキーな所もあったとは思うが、半分以上は情熱とキリンへの愛情が論文を書かせたのだろう(現在30歳)。
それだけである。「偉大な発見」じゃない。哺乳類の進化の鍵を見つけたというわけでも無い(と思う)。でも、進化の秘密を少しかすった(とは思う)。キリンは生き残るために、そうやって身体機能を少し変えたのだ。科学の世界が面白いのは、評価された研究ならば、まるで自分の研究成果のように「知識」として、他の研究成果を著作権料を払わずにこういう本で披露できることだ(コラムとして、他の研究成果がたくさん紹介されている)。だから、数年後に郡司さんの研究が大きな謎解明に役立つかもしれない。
郡司さんは、「世界で1番キリンを解剖している人間」だと自分を紹介している。「解剖すればするほど、その動物のことを好きになっていく」と言っている。人間ならばホラーだけど、動物ならばあり得るかなと思う(でも、考えたらちょっと怖い)。「今は亡きキリンたちの「第二の生涯」ともいえる死後の物語を読んで欲しい」と著者は思ってこれを書いたという。そういう愛情の表現の仕方もあるのだ。
(成る程と思ったキリン知識の一つ)
※中国ではキリンのことを「長頸鹿」と呼び、麒麟とは呼ばない。呼んだのはただ一度、明の時代、鄭和がアフリカからキリンを持ち帰り、永楽帝に「これが(あの伝説の)麒麟です」と奏上したらしい。その記録を読んだ『解体新書』の桂川甫周が「洋書のジラフと、この麒麟は同一だろう」と推察した。だから、日本ではキリンのことを麒麟と書くのである。因みに、インドに生息していた絶滅したキリンの仲間、ジラファ・シヴァレンスは長頸ではなく、伝説霊獣の麒麟によく似ているそうだ。むしろヘラジカのような姿をしている(鹿ではない)。なるほど、麒麟伝説は何処から来たのか、少し興味がある。
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哺乳類の頸椎は、一般的な定義に基づくと基本的には7個で一定だ。この基本ルールから外れる哺乳類はマナティとナマケモノだけ。マナティの頸椎は6個で一定なのでまだ許せるのだが、ナマケモノの逸脱っぷりはすごい。
☆そして、このキリンの骨は8個だと発表したのがこの人。
興味を持ったものをじっくり観察した結果である。
ここでも、やはりキーワードは
『子どもっぽさ』。
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いやーいいよ。寝ても覚めてもキリンだよ。
ひたすらキリンを解剖して研究して、あるはずのない首の骨が見つかるのか否か?みたいな内容なのだけれど、面白い。そして読みやすい。つかみもキリン、オチもキリン。要するに全部キリンで清々しいくらい突き抜けている。
キリンもオカピも割とタイミングよく解剖させてもらえているように感じたんだけど(不謹慎かもしれないが欲しいときに欲しい遺体が!みたいな)それはもちろん運が良いとか、周りの人のおかげもあるけれど、それだけでは絶対にない。著者本人の積み重ねてきたことの結果でもある。
今すぐなにかの役に立つ研究内容ではないのかもしれない。それでも研究するのはなぜか?のくだりが素敵だった。
そしてなにより、この一冊で俄然キリンに興味が湧く。