投稿元:
レビューを見る
彼女がこの先順調な研究者生活を送れるよう、願って止みません。
無目的、無制限、無計画な研究で食べていける社会になってほしい。
投稿元:
レビューを見る
著者は、自分が本当に好きなことを素直に追いかけてきた人なのだと感じた。解剖学的にみたキリンもかなり魅力的。
郡司さん、素敵だな。
投稿元:
レビューを見る
まさにキリンの解剖の話ですが、著者の探究心とユーモアが自然と心に響く素敵な本でした。
また、読み終わったあと、自然と、私もたくさんの人に感謝して生きなきゃいけないな、と自戒させられる本です。
いろんな人に薦めたい。
投稿元:
レビューを見る
キリン好きな人,研究している人,疲れている人,悩んでいる人。
オススメしたい相手を挙げればキリがない,そんな良書。
人は必然の出会いで成長し,輝いていくのです。
投稿元:
レビューを見る
確か、ブクログでこの本を知り、「ごめん、キリンが死んじゃって・・・・・・」の一言に惹かれて、レビューをいくつか拝見して、面白そうだ、と思って購入。カバーも表紙も可愛らしくて、読む前からワクワク。
『読み始めた頃よりもキリンを好きになっていたら、とても嬉しい』と筆者は書いていますが、はい、好きになりました。そして、キリンが絶滅危急種だと言うことも知りました(危急種、自体を初めて知りました)
キリンの事、解剖のこと、少しだけ理系の研究の世界のこと(トレンドは分子生物学(遺伝子とか)だと言うこと等)を知れたことも、私にとっては新鮮だし、読んで良かったけど、筆者の郡司さん始め、魅力的な人達のことが知れたことが1番良かったな。私自身の特性であるのかもしれないけど、素晴らしい技術、研究、最先端の動向、そう言う知識か増えることも大切なことではあるんだけど、結局、様々な事の根幹は【人】なのだと感じるから。
・遠藤先生。きっと偉大な研究者なのだろうけど、何より人として魅力的な方なんだろうなーと感じる。(あ、ノーベル賞を受賞された吉野先生もチャーミング全開だよな)
さて、キリンの研究『できるんじゃない?』と『止めても聞く耳を持たなかった』どちらの記憶が正しいのか?(笑)
・お母様。すっごく素敵。雨が降りそうだからと帰って高校中退とは、かなりぶっ飛んだ方だとは思うけど、「雨が降っても学校に行くんだから偉い」と褒められて育つ子供は『子供心を忘れない』大人になれるのかも。こうしなきゃいけない、こう言う道に進むのが正解だ、とか思わない強さが自然に身に付いたのでは。
そして50になってお香にはまり、講師になってしまうお母様は、やはり地頭が良いのでしょうね。
それから、『好きなことを好きだと言うことの大事さ』『同じような興味を持った人が近づいてきてくれる。手を差し伸べてくれる人や、チャンスを与えてくれる人にも出会える』って筆者が書いているのだけど、なんかこれ、どこかで聞いたんだよなー、としばらく考えていたのだけど。これ、三浦しをんさんの【愛なき世界】で植物研究の研究者の話に出てきていたんだ、と気づく。勿論、しをんさんのは小説なのだけど、人との出会いってそう言うものなのだろうなと改めて思う。
遠藤先生も「人生において本当に大事な人間とは、どんな道を選んでも必ず出会う」とおっしゃったそうだけど、まさに!筆者にとっての本当に大事な遠藤先生との出会い。そして先生にキリンの研究をしたいと言葉にして伝えた郡司さん。すごいな。
投稿元:
レビューを見る
キリンに八番目の骨があった!?
ナヌっ?!
で読んだこの一冊(だって調べ学習の本で、キリンの首の骨は7つ!と書いてしまった……あわわ)大当たりでした。
まず、とにかく文章がうまい!
日本語が書ける研究者、最近は増えてきていますが、そのなかでも抜群にうまい!
プロのライター並みのうまさです。
で、もちろん、内容も抜群に面白い。
キリンとキリンの解剖のことなど考えたこともなかったであろう読者もこれ読んだあとは日本中の動物園にいるキリンのことが気になりだすだろうと思います。
博物学マンガ「へんなものみっけ!」のなかで主人公がいってた、後代の研究者のために標本を残す……の意味がようやく理解できたよ。
小学生でも読めるでしょう。
なのですが、学校はすべて買い!!!
2019/10/24 更新
投稿元:
レビューを見る
キリン研究を志した郡司芽久さん(女性・当時23歳)は、論文のテーマが決まらなかった時、先輩にこのように言われた。「凡人が普通に考えて普通に思いつくようなことって、きっと誰かがもう既にやっていることだと思うんだよね。もしやられていなかったとしても、大して面白くないことか、証明不可能なことか。本当に面白い研究テーマって、凡人の俺らが、考えて考えて、それこそノイローゼになるぐらい考え抜いた後、更にその一歩先にあるんじゃないかな」(99p)
まぁ、世の中の偉大な発見は「証明不可能」なことを証明してみせたり、「偶然」に見つかることが多いかもしれないけど、その辺りは「天才」に任せて、確かに凡人の私たちにはこんな処に落ち着くんだと思う。その辺りを素人の私も「楽しく」読めるように丁寧に書いている。「難しい事を分かりやすく面白く描く」これって、一つの才能だろう。
で、偶然にも若いのにキリンを20体以上動物園から献体してもらいキリン研究をこころざして約7年間で「キリンの胸椎は、胸椎だけど、動くんじゃないだろうか?」という研究論文を書く(当時26歳)。
200万年以上前から哺乳類は人間含めてみんな7つの頸椎しか持っていない(マナティとナマケモノは例外)のだけど、キリンは8番目の"首の骨"を持っているのではないか?ということを20代で見つけたわけだ。偶然にも多数解剖できた彼女は基本的にラッキーな所もあったとは思うが、半分以上は情熱とキリンへの愛情が論文を書かせたのだろう(現在30歳)。
それだけである。「偉大な発見」じゃない。哺乳類の進化の鍵を見つけたというわけでも無い(と思う)。でも、進化の秘密を少しかすった(とは思う)。キリンは生き残るために、そうやって身体機能を少し変えたのだ。科学の世界が面白いのは、評価された研究ならば、まるで自分の研究成果のように「知識」として、他の研究成果を著作権料を払わずにこういう本で披露できることだ(コラムとして、他の研究成果がたくさん紹介されている)。だから、数年後に郡司さんの研究が大きな謎解明に役立つかもしれない。
郡司さんは、「世界で1番キリンを解剖している人間」だと自分を紹介している。「解剖すればするほど、その動物のことを好きになっていく」と言っている。人間ならばホラーだけど、動物ならばあり得るかなと思う(でも、考えたらちょっと怖い)。「今は亡きキリンたちの「第二の生涯」ともいえる死後の物語を読んで欲しい」と著者は思ってこれを書いたという。そういう愛情の表現の仕方もあるのだ。
(成る程と思ったキリン知識の一つ)
※中国ではキリンのことを「長頸鹿」と呼び、麒麟とは呼ばない。呼んだのはただ一度、明の時代、鄭和がアフリカからキリンを持ち帰り、永楽帝に「これが(あの伝説の)麒麟です」と奏上したらしい。その記録を読んだ『解体新書』の桂川甫周が「洋書のジラフと、この麒麟は同一だろう」と推察した。だから、日本ではキリンのことを麒麟と書くのである。因みに、インドに生息していた絶滅したキリンの仲間、ジラファ・シヴァレンスは長頸ではなく、伝説霊獣の麒麟によく似ているそうだ。むしろヘラジカのような姿をしている(鹿ではない)。なるほど、麒麟伝説は何処から来たのか、少し興味がある。
投稿元:
レビューを見る
哺乳類の頸椎は、一般的な定義に基づくと基本的には7個で一定だ。この基本ルールから外れる哺乳類はマナティとナマケモノだけ。マナティの頸椎は6個で一定なのでまだ許せるのだが、ナマケモノの逸脱っぷりはすごい。
☆そして、このキリンの骨は8個だと発表したのがこの人。
興味を持ったものをじっくり観察した結果である。
ここでも、やはりキーワードは
『子どもっぽさ』。
投稿元:
レビューを見る
いやーいいよ。寝ても覚めてもキリンだよ。
ひたすらキリンを解剖して研究して、あるはずのない首の骨が見つかるのか否か?みたいな内容なのだけれど、面白い。そして読みやすい。つかみもキリン、オチもキリン。要するに全部キリンで清々しいくらい突き抜けている。
キリンもオカピも割とタイミングよく解剖させてもらえているように感じたんだけど(不謹慎かもしれないが欲しいときに欲しい遺体が!みたいな)それはもちろん運が良いとか、周りの人のおかげもあるけれど、それだけでは絶対にない。著者本人の積み重ねてきたことの結果でもある。
今すぐなにかの役に立つ研究内容ではないのかもしれない。それでも研究するのはなぜか?のくだりが素敵だった。
そしてなにより、この一冊で俄然キリンに興味が湧く。
投稿元:
レビューを見る
現場の臨場感が伝わってきてとてもエキサイティングでドラマチックだ。
大学生は今すぐできるだけ早く帰りに本屋で買って読んだ方がいい。
投稿元:
レビューを見る
筆者が大好きなキリンの解剖を通して、細部まで観察して、考え抜いた結果、世の中に新しい発見を生み出す物語
協力してくれている関係者の方や、先人の研究者への感謝気持ち、自分がやっている事がまた未来に繋がるという強い使命感が筆者の原動力になって頑張っている、素晴らしい方だと思いました。
同級生ということもあり、全くの異業種ですが非常に感銘を受けました。
投稿元:
レビューを見る
著者の師匠の遠藤教授の本も面白かったけど、こちらはキリンの首の骨問題だけを掘り下げて書いてあり、集中して読めた。
苦労しながら頸椎の謎に迫っていくところがとてもいいので、もう少しフリガナを増やしたら小学生も読めたんじゃないかと思う。
コラムも面白いし、イラストもいい。生き物に興味がある人、研究者になりたい若い人に薦めたい。
投稿元:
レビューを見る
キリンの解剖30頭。子供の頃からキリン好きだった少女は夢を叶えキリン博士となった。難しい学問の世界に飛び込んだ経験を記した楽しい作品。
ある動物園のキリンが死ねば休日返上。解剖に励む毎日。本書はその解剖生活を紹介している。
ヒトだろうとウマだろうとキリンだろうと頸椎は7個だという(なぜかナマケモノとマナティ除く)。
筆者はキリンの首の構造を観察し解剖するうちに、首にある第8の骨を発見し、学術的にも認められる。
難しい学問を分かりやすくかつ面白く語る文体が素晴らしい。子供の頃からのキリン好き。大人になり進路を選ぶ時、それを思い出し解剖学の門を叩く。
博物館には「3つの無」があるという。無目的、無制限、無計画。だからこそ研究が進展する時もある。一見世の中に関係なさそうな研究がいつかどこかに役立つ日が来るだろう。
キリンに限らず、学者の世界の魅力に浸れる楽しい作品でした。
投稿元:
レビューを見る
・正月もデートもキリンが死んだらキャンセル
・日本は世界で2番目に多くキリンを飼っている
・メスよりもオスの方がずっと頭蓋骨が重い
・東大だからこそお声がかかる?マニアックな研究ほど協力者が大事そう
・著者の育ちの良さが全体から滲み出ている
投稿元:
レビューを見る
まず若い女性が書かれているという点ですごいなー!と思った。大学に入学してからの道のりについてキリンの研究という軸で詳しく書かれているので、自分が大学に入学したてのときにこの本を読んでいれば良かったのにと心底思った。
学んだこと
普通脊椎動物の頚椎は7本だが、マナティとナマケモノは違う。マナティは6本だがナマケモノは種によってばらつきがある。