投稿元:
レビューを見る
ノミナを忘れよ
最も印象に残った部分。筆者は、解剖の専門用語を正確にしっかりと覚えなければと考えていた。
しかし、筋肉の名前は基本的にヒトの筋肉の形や構造を基準に名付けられているため、必ずしも他の動物でも名は体を表しているという訳ではない。
ノミナ=名前 で、筋肉や神経の名前は忘れて、まずは目の前の献体に向き合え、観察しなさいという教えであった。
物事の先入観にとらわれることなく、しっかりとその事象に対峙する事は、とても大切なことだなと腑に落ちる一冊。
投稿元:
レビューを見る
予想を越える面白さでした!!
読みながら自分も研究をしている気分になり、長年の謎が解き明かされる場面では胸がいっぱいになりました。
そして母親とのエピソードでまたまた感動!
研究内容についても実に面白かったです♪
「かわいそうなゾウ」で有名なハナコやナマケモノについての記述もありました。
動物園に行きたくなります。今まで以上に楽しめること間違いなし。
『何事にも、出会うのにふさわしいタイミングがある』
『知識は生活を豊かにし、目にとまるものに価値を与え、新たな気づきを生み、日常生活を輝かせてくれる。』
投稿元:
レビューを見る
キリンの研究ー特に一つのテーマについて、どういう風に向き合ってきて、どういう変遷を辿ったかという一人の研究者の道筋を記した本である。キリンの研究ってこうやってやっているんだ、という学びがある。サクサク読めて1時間程度で読み終わってしまった。とても深い細かい話に行くというよりは、作者の研究に関することなので間違えのないよう。
投稿元:
レビューを見る
キリンの首の骨が人間と同じ7個というのは知っていたが、それが哺乳類の特徴とは知らなかった。その制約の中で高い木の葉も地面の水も飲む可動域を手に入れるために進化したキリンの秘密を探す研究。
これがどれほどすごい発見かはいまいち理解できていないが、研究者になるプロセスや研究テーマを発見する様子などがわかりとても面白い。
大変なことも辛いこともあるのだろうけれど、全体的に「キリン大好き!研究超楽しい!!」がキラキラとこぼれ落ちていて、読んでいるこちらが楽しくなるしワクワクする。
8番目の「首の骨」を発見するくだりは物語のクライマックスを読んでいるかのように気分があがる。
博物館の意味やキリンの血圧の話などのコラムもとても面白かった。
存分に研究できる環境というのはやはり大事なのだなと思う。
久々に、キリンに会いに動物園へ行きたくなった。
ずっと手元に置いておきたい本。
投稿元:
レビューを見る
【推薦者】
保健医療学部整復医療学科教員 樋口 毅史
【学生へのメッセージ】
解剖学に興味のある人、何か研究したいけどどうしていいのか漠然としている人に読みやすい導入書です。
▼配架・貸出状況
https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00531552
投稿元:
レビューを見る
解剖学、という分野が現代に存在すること自体から、ちょっと驚いてしまって恥ずかしいやら…。何でも情報が有るようでいて、実は地道に誰かが研究している最中って事柄は、きっと世界中に沢山有るんだろうな…。それでメシが食えないと、現実的に出来ないもんね。「好き」を原動力にし続けられるというのも、凄い才能なんだなぁと改めて理解した
投稿元:
レビューを見る
キリンに魅せられた若き動物解剖学者の半世記。
キリンの首にこんな秘密が隠されていたとは。マニアックな研究の面白さが存分に感じられた。自分より年下の子が子供の心を忘れずに好きな研究に邁進している姿に羨望と尊敬の念を覚えた。
投稿元:
レビューを見る
最近読んだ本に
「科学とは、国家予算を使って科学者の興味を満足させるもの」というのがあって、有名科学者の言葉だったが、どこに載っていて、誰の言葉だったか見つけられず、困っている。
この本は、まさにこの科学の定義通りのような内容である。
キリンの首の可動性は、第一胸骨が頸椎と似た動きをすることで向上しているということがわかったからと言って何になるだろう。しかし、知らないことを知ることは全てワクワクすることだ。
博物館には無目的、無制限、無計画という「3つの無」の理念があるそうだ。人間の都合で、博物館の収蔵物を制限するのではなく、いつか、誰かが必要とするかもしれないものを出来る限り残していくというものだ。三無を是とする人々がいて、そのような場があることを喜びたい。それがあることを知っているだけで、自分の世界も多少豊かになるというものだ。
文章は上手い。気楽に読める。しかし、何日もずっと解剖してるのって臭いだろうな。本が臭いを伝えることができなくて良かった。
投稿元:
レビューを見る
動物園のかわいいキリンを見る目が変わる本です。とても読みやすく面白くて一気に読みました。さすがにキリンはないですが動物の解剖の経験があるのでわかるわかると思いながらよみました。印象に残ったのは解剖と解体、勉強と学問、同じようでちがう言葉についてです。私も一生子供のこころで学ぶことができればとおもいます。
投稿元:
レビューを見る
研究とは何か、ということを説明している。専門的な学術論文体ではなく、エッセイとして書いているので、学生も面白く読めるであろう。ラジオ番組でのインタビューでも面白かった。これだけ面白く書けるのも才能なのかもしれない。教師となる学生だけでなく、大学の教員にも、学生の研究をどう指導していくかについての参考になるであろう。
投稿元:
レビューを見る
ヘンにこういう知識が欲しいなとおもって読んでしまったため、期待外れになってしまったが、
新しい知識を知ることが出来たといういみではとても面白い本だった。
研究についてわかりやすく書かれていたので、読んでいて楽しかったです!
投稿元:
レビューを見る
本屋さんで偶然目に入り、店内を一周してやはり気になって購入。こういう何か気になった系はここで手に入れないと後悔する!
大学での研究とは何か、そしてその後。キリンの話は勿論、解剖学全般の話も興味深かった。生々しく電車で貧血になったこともあったが、筆者の筆致とキリンへの愛、自然の神秘に向き合う姿勢が真摯で柔らかく、どんどん読み進めることができた。
夢を叶えた郡司さん。ヒトの探究心を止めてはならないと強く感じた。首の骨の秘密が分かっても直接的にお金は生み出されないかもしれないが、アカデミックなことに予算が回せる国であって欲しい。科学研究が巡り巡って人類の財産になる日が、きっとやって来ると信じている。
最後に。やはり研究するなら東大なんだなー!正直羨ましかった。私が大学で一歩一歩のろのろ進んでいる間に、急成長していた郡司さん。夢がある強さだけじゃない。真面目さ、努力を尊敬。
投稿元:
レビューを見る
キリンのことが幼少期から大好きだった女性が、東京大学に進学し、なんでもいいからキリンの研究をしたくてしたくて、先生に聞きまくり、機会を掴みついにはキリン研究者になるという過程を書いた本。
キリンの首の構造がよくわかる様になります。
研究することがどういうことかよくわかる様になります。
初志貫徹が大切なことがわかる様になります。
道は進めば開かれるとう意味をわかる様になります。
キリンが重いことは想像できます。
解剖の現場が寒そうなことは想像できます。
キリンを想像だけでなく実際に見てみたくなります。
そんな本です。読みやすいし、著者のまっすぐなところがl抗癌がモテる本でした。
東京大学はやっぱりいい大学っぽいね。
投稿元:
レビューを見る
私自身も動物の中で一番キリンが好きで、幼少期は生きもの地球紀行を観て育ったこともあり、序盤から嬉しい気分で読み進められた。
動物園で亡くなった動物がこうして解剖されることや、その後、標本にして博物館に納められること(人間都合で制限されない形、無目的、無制限、無計画で未来のために残し続けていることなど)知らなかったことばかりだった。
知識を身につけることの楽しさ、素晴らしさを感じた。
夢中になれることに出会えること、時間をかけて取り組めること、両方とも幸福である。
読書も、著者のそういった知識、経験を追体験できる意味では素晴らしいものだとあらためて実感した。今までなかった視点を得ると日常は変わらなくても一段階楽しくなる。
投稿元:
レビューを見る
研究者は誰しも皆文章が上手いのだろうか。あっという間に読めた。面白かった。
学生の時は、養老さんや布施さんの本、「人間の解剖」について読んだことはあったが、動物は初めて。子供は動物園に行くと「キリン!」といつも言うので、そこまでキリンに興味がなかった私がちょっとした興味本位で読んだが、キリンの中身?の話だけれども、キリンが少し好きになり、動物園に観にいきたくなった。
好きことは自分の中で秘めておかず、言葉にすると、繋がるものなのだなぁ。彼女のこれからも楽しみです。