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紙の本
小説仕立てだが、いたって真面目な俳句入門書
2019/08/24 08:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
俳句の入門書は多い。
有名な俳人がそれぞれの観点から入門書を手がけている。
そんな中でも、この本は異色かもしれない。
まずは小説仕立てになっている。次に俳句雑誌(「NHK俳句」)に連載されていたので各単元が短いこと、それに季節がうまく取り込まれている。
著者の堀本裕樹さんは1974年生まれで、俳句結社の主宰でもある。さらには小説家又吉直樹さんや歌人の穂村弘との共著もあって、気鋭の俳人だ。
物語には二人の人物が登場する。
一人は萩谷ひぐらしという俳句の先生。もう一人が山吹もずく君という、ひぐらし先生のところに押しかけた弟子志望の若者。(実はこの二人の名前が俳句の世界でいう、季重なりという季語が二つはいっているという珍しい名前)
ひぐらし先生のところに俳句の勉強に来るもずく君は料理が得意で、先生のところに来るたびに季節の料理をこしらえるのも、この入門書の「おいしい」ところ。
どんな料理が書かれているかといえば、栄螺のつぼ焼きに始まり、鮎の塩焼き、牡丹鍋、田楽、鱚の天婦羅、といった具合。
どれもがお酒との相性がいい料理というのもおかしい。
もちろん俳句の入門書であるから、歳時記とはどんなものかに始まって「切れ」や「写生」。「一物仕立て」に「取り合わせ」といった俳句特有のもの、「地名の活かし方」「間違いやすい文法」「比喩表現」など細かいところにまで目が届いている。
最後は句会、吟行まで描かれる。
たくさんの名句も場面場面で紹介されていて、読みやすさ勉強の楽しさ、どれをとっても秀逸だ。
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