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色々な場所で幽霊たちが人間と織りなすユーモアに満ちたエピソード集。
あまり印象に残らず普通かな。細切れの話すぎて、どこが繋がっているのかも分かりにくく、イマイチ入り込めなかった。微妙に各話が繋がっている短編集が苦手なのかもしれない。
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2021年5月
この短編集はシュールな世界観でありながら、古典を下敷きとしているので比較的わかりやすく面白い。
古典にありがちな笑えない笑い話や理不尽な美談が現代のコミカルでかつ優しい物語になっていて、癒される。
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ん?どこかで聞いたことのある設定…。
古典の物語の登場人物たちに元気づけられる現代の人々。うんうん、今も昔も同じような悩みがあるんだよなぁと思いました。
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以前「スタッキング可能」を読んだことがあり、なかなか楽しかったので図書館で借りてみた。「みがきをかける」「牡丹柄の灯籠」「彼女ができること」が私は好きでした。
出てくるおばちゃん達のパワフルさがいい!
私もおばちゃんの1人としてこうありたいなと(笑)
「スタッキング可能」もそうだったけど、女優経験ありの作者さんなので舞台化とか映像化したら面白そうだなと思いました。
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元ネタを知らないものが多かったので、普通に短編集として読んだけど、のちのち元ネタを知った上でまた読んでみたいなー味わいが変わるだろうなあ!という感想。
松田青子さんは、日頃スルーしてしまいがちな小さな何かに気づかせてくれる作家さんだなとおもう。
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これは傑作。
もとが歌舞伎や落語なのも大好きポイントです。
一肌脱いでくれるおばちゃんたち、大好き。
根本にあるモヤモヤを、しっかりと感じながらたのしみました。
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“女性”の話に飽き飽きしている世の中の空気を感じる。その気持ちは分からなくもないけど、分かりたくはない。
『おばちゃんたちのいるところ』に描かれるファンタジーは、ファンタジーではない。
青子さんが描くユーモアあふれる世界に、リアルがチクチク織り込まれている。
傷ついていないふりをしているほうが幸せになれると自分を納得させて生きてきた、とくに社会に出てからは更にはっきりとそれを自覚して。
世の中のおかしさに気づかないふりをしていないと、気を抜くと、怒りや虚しさや悲しさやいろんな名前のない感情に自分が侵されてどうにかなりそうになるときも、たくさんある。
毎日社会を生きていく中でどこにもいけない感情を、力強く認めてくれる物語だった。
この世のどこかに、意外にそばに、おばちゃんたちがいるかもしれない。
おばちゃんたちが人知れず、守ってくれている。
それだけで少しだけ、力がもらえる。勇気が湧く。
この物語がそばにあると思えるだけで、少し強くなれる。
讃歌みたいな、お守りみたいな本に出逢えた。
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生きづらい現代人のもとに、幽霊がやってくる。いずれも落語や歌舞伎の幽霊話を元ネタにした、連作短編集。
「彼女ができること」がよかったな。
シングルマザーに向けられる予定調和な批判。彼女と子どもの生活を見ようとも知ろうともしないくせに、外側から何をがたがた言っているのだろう。
「楽しそう」もすき。
夫のために、家のために、いじらしく頑張っていたけれど、お互い死んだ今、自分は自分で自由にやっているし、夫も何だかんだ楽しそうに仕事をやっている。
本当のところはわからないし理解のしようもないけれど、とりあえず楽しそうだから良いのだ。干渉しない。
*
幽霊のみなさんが働く謎の組織「我が社」。苦しんでいる人によりそい、手を差し伸べる。
解説のはらだ有彩さんによると、これが〝「組織」であることに青子さんの優しさがある。〟
救済を持続可能にするのは、個人の技量ではなく、もっとなんか大きなものだけだ。
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こどもの頃は度を越した怖がりで怪談話は勿論、お化け屋敷すら苦手だったのだけど、いつの間にか普通になったのは両親を見送って自分が「そっち」の世界に近くなってきたせいかな?
登場するおばちゃん達それぞれの特技(?)に励まされ楽しく読了。「見える」人だったおばちゃんの話ともオーバーラップして胸熱でした(実話)。
世界幻想文学大賞(短編集部門)
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タイトルに惹かれて読み始めたら、世界幻想文学大賞・短編集部門の賞を受賞した短編集だそうで。
訳のわからない内容のものもあり、むむ?と思って読んでいたらなるほどこれはフェミニズム文学なのであると。落語をモチーフに書かれた短編は読み進めるほどに様々な「〜らしき世界」が浮かび上がってくる。読み進めれば進めるほどに作者の独特のものの見方や広がりを感じられる。これは構成の妙なのだろう。
自分が好きなのは「楽しそう」「エノキの一生」「菊枝の青春」。
「悋気(りんき)しい」も掴まれた。りんきって読めないよね。
りんき、上等!
テイさん、クズハさんが出てくる短編をもっと読みたい。
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本当は3.5としたいところですが。
最後まで読んで、落語を元にしていたのか。
周りで落語を聞く人が何人かいて、これが面白い、など聞くので少し興味を抱き始めているところ。
短編なのだけれど、実はひっそりつながっていて、好きな形式です。
母を亡くした茂が、『線は僕を描く』の主人公になんだか被ってしまいました。
汀と書いて、テイさん。結局、彼は生きてるのか死んでいるのか、最後まで曖昧でした。
登場人物がみんなそのような感じで、死んでいるのか、そもそも人間なのか何なのか。
文も淡々としているようで、同じ文章を付け足しつけたし繰り返すことで圧迫感を感じました。
死後の人生?がこんな楽しそうだったらいいなあ。
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17話からなる短編集。冥界の住人か、そこに近いところにいる(本人には自覚がない)人間で組織される「会社」が絡む連作でもある。
* * * * *
なんと楽しい作品なのだろう。飄々とした雰囲気で最後まで気持ちを包んでくれました。
重大な事件が起こるわけではありません。深刻な悩みに襲われるのでもありません。大団円を迎えることもなければ不幸な結末で終わることもないのです。
「会社」なる組織もユルユルです。
汀さんは生者の利益(=幸せ)のために日々努めていますが、「おばちゃん」たちはいいかげんです。問題を解決しようなどとは思っていないかのように心の赴くまま振る舞います。そして気がすめば引き上げる。それだけです。
だから物語が唐突に終わります。教訓など何も含んでいません。そこには潔さすらあるため不満や物足りなさを感じることもありません。だから不条理だけれど悔しくないのでした。
それどころか、読むうちに身体の隅々から余分な力が抜け気分もリラックスしてきました。
川上弘美さんの世界に似ていて一筋縄ではいかないなと思いました。それは、また浸ってみたくなるに違いない世界のようです。
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死、幽霊ってブラックなイメージだけど
そこが180度変えて明るいかんじが読みやすかった。
おばちゃんが愛人の男に復讐する気でいたのに最終的には死後の世界をめちゃくちゃ楽しんでて、良かった。
話が繋がっていくかなと思うように何話何話かは登場人物が繋がっていくが深く解いたりしなかった。
でもそこも気になることはなかったなぁ。良かった!
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しみじみ共感する部分とクスッと笑える部分が散りばめられていて、全く飽きなかった。
「ハハッ」とか「ふふふ」ではなく、「クスッ」と笑えるのが心地良い。
読み終わり、星3か星4か迷いながら本を閉じたところではじめて英語タイトルを発見。敬服いたしました。星4でございます。
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興味をもった時に酷評しているレビューを見かけてしまって躊躇したんだけど、書店で冒頭を少し読んでみて、やっぱり買うと決めました。すごく面白かったので、買ってよかった。
タイトルのおばちゃんたちとは幽霊のことで、なぜそれが英題のWild Ladiesにつながるのかは理解できぬまま…そもそも「おばちゃん」という呼称に対するイメージも関西(著者は兵庫県出身)と関東(私)とでは違う気はする。とりあえず登場する幽霊たちは、ワイルドって言うか、逞しくて、楽しそう。だからじめじめしたホラーにはならずに、カラッとした娯楽作品になっているのだと思う。
元ネタの落語等を知っていればさらに楽しめると思う。私は、皿屋敷といえば江戸の話しか知らなかったので、最初はピンと来なかった。