紙の本
やりなおしというよりは、初めての地学
2019/09/23 11:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
地学は、固体地球、岩石・鉱物、地質・歴史、大気・海洋、宇宙の5分野で構成されている。本書は、この5分野についての入門書である。本書のタイトルは、「やりなおし高校地学」であるが、現在、高校で地学を履修する学生は5%程度らしい。この数値は、以前からさほど変わっていないのではなかろうか。つまり、本書を手にする読者の多くは、やりなおしというよりは、初めての地学ということになるであろう。本書は、各論の概説に続いて、大学入試センター試験に出題された問題を解きながら高校地学を学べる構成となっている。センター試験の問題は、意外と常識的で地学の素養がなくとも解ける問題や、やや難解な問題も当然含まれており、自らの理解度を確認しながら楽しく(?)読書を進めることができる。著者曰く、「地球のような大きなものを考えるときは、長尺の目という大きなスケールで物事を見る必要がある。例えば、地球温暖化について、短期的に見れば二酸化炭素の増加により温暖化に向かっているが、長尺の目で見ると、地球は確実に氷河期に向かっている。その後、太陽はどんどん大きく熱くなり、6~10億年後には、地球の水はすべて干上がってしまう。それまでに、人類は別の星に移住しなくてはならない。」、なんともスケールの大きな話題が印象に残った1冊である。
紙の本
「大地変動の時代」を生きる日本人に必須の地学の教養がこの一冊に
2019/10/01 11:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
地球内部の構造、日本列島の成り立ち、地震と噴火のメカニズム、地球温暖化問題、宇宙の歴史まで、地学の「壮大」かつ「実用的な」エッセンスを解説。すべての日本人に捧げる、サバイバルのための地学入門。高校時代に地学を履修しなかった、やりなおしでない読者の方も、もちろんどうぞ。京大人気ナンバーワン教授・鎌田浩毅さんによる、いちばんわかりやすい地学の入門書。一冊で地球と宇宙についてまるごと学べます。
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◯ ブラタモリ好きが高じて、地学を高校で勉強しなかったことを後悔したので読んでみたが、その奥深さに感動した。
◯センター試験の問題を合間に挟むことにより、知識の定着も図りつつ、説明も平易な文章で飽きさせない。
◯大学受験の時の余裕のなさを思い出しながら、新しい知識を得る楽しさも蘇ってきた。
◯どんどん地学関係の本も読んでいきたい。
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宇宙や地球の成り立ちから台風・地震・火山など自然災害をもたらす気象のメカニズムまで広大な範囲を学ぶ高校地理の「コンテンツ」。なかでも筆者がいう地学のテーマが「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」だと思うと目先がクラクラする。特に20年後には地球のミニ氷河期が始まるとしたら現在の温暖化対策とどう関係してくるのだろう・・
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地球や岩石、地質、大気、宇宙など、高校地学で扱う内容の基礎を網羅した概説本。一言で言ってしまえばこれに尽きるのだが、高校の教育課程(カリキュラム)で地学基礎や地学を開講している学校が極めて少なく、高校で地学を勉強した生徒も少ない中、もはや「倫理」と同様の絶滅希少種となってしまっている「地学」。だからこそ、このような一般向けの概説本の存在は極めて重要なのである。東日本大震災による大規模な地殻変動の影響がまだ続いている今の状況から、地震や火山、台風などについて興味を抱いた人も増えている中、一般教養として必読の書となるようにと記した著者の気概が表れている。
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地学の基本的なところを学びなおすには丁度いい。センター試験を織り交ぜながら、結構な量の情報が整然と解説されている。さすがだ。
155ページの図(地質時代の区分と生物の変遷)はわかりやすくていい。
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難しくてセンター試験の問題は飛ばしてざっと読みました。地学(地球と宇宙)を知ることは大切だと感じます。
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高校で地学を履修していなかった身としては、日本で生活する上での地学の重要さを再認識するきっかけになった。地球内部から宇宙まで幅広く網羅しているため、地学とはという初めの1冊にはちょうどよい。
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別の本で「大陸移動説」のことを知り、興味が湧いたので呼んでみた。
地学と聞くと「大陸のこと」というイメージを持っていたが、宇宙のことや大気・海洋のことにも触れられていて、勉強になった。
とてつもなく長い時間をかけて宇宙がつくられてきて、地球も長い時間をかけて今の形になっているんだなと改めて思った。
日本という国には、活断層やプレート、活火山がたくさんあるので、地学を学んでおくことはとても大事なことなのだと思う。
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やり直すも何も高校で地学をやっていない。
が、日本人なら知るべき情報がたくさんあるし、むしろ新聞やテレビなどで聞き齧った情報も多いが、改めて頭の中が整理された。
最後の宇宙のことだけは良くわからなかったのと、まだ研究分野のせいか説明もポワーっとしてる感じだった。
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文章が好き ◯読みやすい!
作品全体の雰囲気が好き ◯
内容結末に納得がいった ◯
また読みたい ◯
その他
『ブラタモリ』をみるようになって、地学に興味を持ちようになりました。
学生時代は全く触れなかった分野。
今になって面白さを感じる。
そんなレベルの私でもわかりやすい。
数値が出てくると、プツンと思考停止してしまうのはあいかわらずだけれど。
今年中に読み終わってよかった!
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大学入試で選択しないと高校で真剣にその科目を勉強しない。今後もそんな実用主義的な人生を送る事になるのかと、自分自身が社会の歯車になったような味気なさを感じた。地学は、受験に必要ないからと消えていった科目。学び直せて良かった。下記はメモの一部。
引力は地球の中心から、距離の2乗に反比例して小さくなっていく。従い地表からの高さとともに重力が小さくなっていく。重力は引力と遠心力の合力、引力は地表から地球の中心までの距離の2乗に反比例するので、両極で最大になり緯度が低くなるほど小さくなる。赤道では最小。遠心力は赤道で最大。重力は引力が大きいほど大きくなる。従い重力は両極で最大、赤道で最小。
定期的に起こる地磁気逆転で、地軸はN曲とS曲がひっくり返る。通常、地球の磁場がバリアになり宇宙線や太陽風から地球を守っているが、地磁気がゼロになるこの逆転期間は1000年ほど続く。そのためこれが生物の大絶滅の原因の1つになったのではないかと言う説もある。
海洋プレートはわずかずつだが休みなく沈み続けるので年月を経ることに、たわみはどんどん大きくなっていく。このたわみに耐えきれなくなった時、大陸プレートが大きく弾かれて地震が起きる。
受験に関係なく学ぶ事の爽快な気持ち。読書には、そんな一面もある。