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「愛着障害」という言葉を聞いたことはありますか?
乳幼児期や学齢期に十分な愛情を注がれなかった子どもに発現します。
過度な触れ合いを求めたり、人や自分の痛みに無頓着だったり、過度に反抗したり…
いかに愛されるということが大切か。
そして愛に飢えた人たちが、どうして死に向かってしまうのか。
科学的に事例も踏まえて記載されています。
教育関係者の方や、子育てに悩んでいる人はぜひ読んでみてください。
おすすめです!
「その根本的な不幸を、太宰は克服することなく、自分の人生に終止符を打つことになる。」
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私たちの多くが愛着障害を抱えていることがよく理解できた。そしてその要因もよく理解できた。
子育てしてきて、なんとなく勘でそうなんじゃないかと思っていたことが、ズバリと書かれていて、私自身の中にも愛着障害を感じたし、母、祖母、と時代背景と共に遡って当てはめて納得できることがたくさんあった。
そして、回復!薬なしで回復できる可能性があるということ。
それから予防!愛着障害の内容が明らかになれば、当然予防に向けた取り組みができる。
希望の持てる本だと思った。
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死に至る病とは絶望=神を信じられないことだとキルケゴールは言ったがそれだけではない、愛着障害が原因である
で始まり4巻にあたるこちらでは子供の鬱、ADHD、オキシトシンの効果をメインに過去や著名人を例に進む。
1,2巻が愛着障害の説明、3巻が実践編、漫画はその簡略化したまとめ、ときて4巻目はより壮大な感じだった。これから子育てをする又はしているならここまで読むのもおすすめだが、私は3巻が一番よかったのであまり響かず……。
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愛着障害には2つの種類がある。ひとつは回避型で、もうひとつは不安定型だ。どちらも養育者(母親)と安定した愛着関係を築けなかったことが要因となり、引き起こされる。昨今の恋愛指南書で、あなたは不安型?回避型?のような形で扱われているのを見かけるので、知っている人も多いはず。本書では、その愛着障害が大人のADHDや社交不安、気分障害などを引き起こす根本的な原因になっていると解説している。
特に印象的なのは、愛着障害によりアルコール依存になった方が、依存症は改善できたものの、その後自殺してしまうというケース。依存症の治療はできても、依存症を引き起こした要因と考えられる母親との愛着関係が不安定だったがために、死を選んでしまったのだという。
愛着障害は、親子で治療していくことが最も重要なことだ。子が大人になってからでも、治療は十分に行える、そのことに希望を抱いた。
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愛着障害により、生きづらさを抱える人が増え続ける社会。愛着障害とは一体なんなのか。歴史上の著名人たちのエピソードを前じえてそれらの課題と問題点を探る一冊。
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愛着障害を抱える人にとって、人生とは苦痛が多く喜びは少ない。医療が未発達の時代なら、愛着障害から起こる免疫力の低下により早くに死んでしまった人たちが、現在では発達した医療に支えられて生き延びている。そんな時代であるから、様々な症状に苦しむ人たちや、問題行動が目立つ人たちが増えた。これらを治すには、愛し愛される。世話をすることに喜びを持てる社会にすることだと、そう書かれてるのかなと思った。
共感能力を高めて、「ほどよい距離」で人と関わるのって、凄く難しいなと思う。私は他人との「ほどよい距離」がわからないなと、この本を読んで気づいた。
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なんだろう。頭では理解できても感情的に受け入れられないでいる。喪の作業とか、執着しないとか、そういう話かと思ったら真逆で、この世界に生きる意味を見出していくような話。難しいけど大切なことだ、と頭では理解できるんだけど。
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愛着の問題が色々な精神障害に起因する事が実例から学べて良かった。
独身者の増加は人との関わりが消極的になったことからで愛着の問題でもあるいう推測は面白い。
愛着障害は発達障害A.D.HDとの誤診されやすいようだがASDに関する情報はなかった。
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名著。社会の課題、闇の問題に精神科医として言葉のメスを入れた。世話をする仕組みを維持することが、生きることに意味を持つ社会を作るのにもっとも重要であるとのお話に心から同意する。
この本に出会えてよかった。何度も読み返したい。
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一見するとADHDのようなものも、それは生来の愛着から形成されたものが理由かもしれない。
生きづらさという誰しもが抱えていることを「愛着障害」という切り口で分析するのは読んでて面白かった。
かくいう私もコミュニケーションがうまく取れないことが多く、ADHDではと勝手に思っていたが、この本を読んでから自分という人間が形成された過程を思い起こしていた。
ただ、もう少しこの愛着障害の克服を具体例をもって記載してほしかった。
生まれてから最も生き残りやすい方法で人格が形成されていくことは、親という安全地帯が正常に機能しているかどうかで愛着障害になるかが決まってくる。
求めにすぐに応じるのではなく、基本すぐに応じるだけで、すぐに対応できないこともあるくらいの距離感という一文が印象に残った。
そのくらいの距離感を手探りながら探したい。
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後半の愛着障害を克服するために必要な「認知的共感性(メンタライゼーション)」の記述が興味深かった。
安全基地の記述に関して、自分の言動にも重なる点がありもっと認知的共感性を身につけていきたいと考えた。
ただ愛着障害の原因が母親の方に偏った記述だったのが気になった。母親を両親と置き換えた方が良いのでは?
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前半を読んでいるうちは、「科学的ではない」お話だなぁ、と感じるところが多かった。
母親との愛着ばかりに何故か着目し、父親、あるいはその他の周囲の人との関係に関する話、分析が全く出てこないところなどは、その姿勢の偏りだけで、この内容を読み進める価値がないのではないか、と思ったほどだった。
しかし、実のところ、自分自身も、直感的には著者と同種の感覚を持っていたこともあり、読み進めたところ、共感する部分が多く、読後感としては、そのとおりと腑に落ちるものだった。
P99前後の「例えば、幸福になるという一事をとってみても、生物学的な仕組みを超えることはできない。」というあたり、正にそのとおりと思う。
自然に設計された、与えられた肉体で生きていく以上、感覚、幸せの源はロジックや正義では説明できない、与えられた肉体、頭脳が勝手に感じるものでしかないはず。
だから、その法則を理解し、それを前提として、上手にコントロール可能なことがらをコントロールしていくことが、幸せにつながる、ということだと思う。
例えば、ポリコレに沿うことは、多くの人の幸せにはつながらないのではないか、と思う。
昨今、喧しいポリコレが鬱陶しいが、その鬱陶しさを中和する良著でした。