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火の鳥2772 愛のコスモゾーン カラー完全版 みんなのレビュー
- 手塚治虫 (原作), 御厨さと美 (イラスト)
- 税込価格:5,500円(50pt)
- 出版社:復刊ドットコム
- 発売日:2019/11/16
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コミック
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紙の本
『火の鳥』のアニメーション映画のコミカライズという、ちょっと特殊なマンガとその成立事情を教えてくれる復刻版
2020/03/28 23:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
『火の鳥』と言えば、手塚治虫。手塚治虫と言えば、『火の鳥』
というくらい、手塚治虫の代表作である『火の鳥』はまた、いくつかのメディアで発表されてきた。マンガはもちろんのこと、小説やアニメなどなど。実写とアニメを合成した映画は市川崑が監督だった。
そんな『火の鳥』で唯一のアニメーション映画が、手塚治虫自身が陣頭指揮をとって創った『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』である。
その映画をコミカライズしたものが、発表から40年を経て復刊されたのが本書である。しかも、発表当時のカラーページまで復刻された完全版である。
原作はもちろん手塚治虫だが、作画は手塚自身でなく、映画のスタッフでもあった御厨さと美というのが、他の『火の鳥』特にオリジナルのマンガとはかなり趣を異にしている。ストーリーは映画を踏襲しているが、細かなところは異なっている。そのあたりの事情は本書に収められている作者のインタビューで語られている。
映画自体が、手塚自身が陣頭指揮をとっていたにも関わらずいわゆる手塚マンガらしいタッチではなく、火の鳥の描かれ方もとてもオリジナルのようには見えなかったので、結局公開当時には観に行かなかった覚えがあるが、このコミカライズはそのタッチともまた異なる御厨マンガそのままになっているのが、今になればとても斬新に見えて面白かった。
作者の御厨さと美は、1970年代にアメコミ風のタッチのマンガをいくつか手がけた人だが、私はそれよりも小学館の学年雑誌『小学六年生』で読者コーナーのようなページを担当していたみくちゃんとしての覚えの方が強いので、その時とこのマンガとのギャップに驚きつつ楽しめた。映画ではメカニカルなどの設定を担当した御厨だということだが、そんな人にコミカライズを任せた手塚治虫は、どこまでいっても劇画と名づけられるようなマンガにコンプレックスというか対抗心を持っていたということではなかったのかと想像してしまう。手塚マンガでおなじみのロックや猿田、ブラックジャックが御厨タッチで登場するのは、なんだか妙な感じだったけれど。
まあ、ともかくこんな『火の鳥』もあったのだ。という資料的価値としてもこの1冊はいろいろと面白い。なんだかんだで楽しめたし、「火の鳥』にこだわらずに見れば御厨さと美の作品としても十分に楽しめたように思う。
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