紙の本
20世紀のフランス現代哲学を代表する哲学者ジル・ドゥルーズの思想の核心を読み解いた作品です!
2020/04/12 14:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、20世紀のフランス現代哲学を代表する哲学者であるジル・ドゥルーズの思想を分かり易く解説した入門書です。ジル・ドゥルーズは、ジャック・デリダなどとともにポスト構造主義の時代を代表する哲学者とされる人物で、数学の微分概念を哲学に転用して、差異の哲学を構築し、スコトゥスの存在の一義性という視点から、ヒューム、スピノザ、ベルクソンらの著作を読み解いたことで有名です。同書では、ドゥルーズの哲学が今という時代にどのような問いを投げかけているだろうかということをテーマにして、生命、テクノロジー、マイノリティといった領域で、彼の思想の核心を読み解こうとした一冊です。
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後半も楽しく読めた感じ。この数年でずいぶん研究が進んでいるらしく、こういう新しい入門書も複数あって勉強しやすそうだ。
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2002年に出版された第1部に、ほぼ同量の第2部を増補したドゥルーズ入門書。
第1部でドゥルーズについて大雑把なイメージができたような気がする。
第1部では、ベルクソンの継承者として、ドゥルーズが生成をどう扱おうとしたかが概説されている。
知識や行動の拠り所となる拠り処や根拠がうまく機能しない時代にあって、根拠に依存することなく新しいことが産出される生成の現場とどう向き合っていくか。
カントや現象学のスタンスと対比させてドゥルーズを位置づけることで見通しがよくなっている印象。
第2部では、『千のプラトー』での「マイナーサイエンス」「機械状系統流」を解説することで、マイノリティとテクノロジーの問題を取り上げている。
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解けない問い、というタイトルからしてもグッときたし、とても読みやすかった。ドゥルーズ、デリダ、ハイデガーの関係がわかりやすく述べられていて、大変に助かった。少しずつ、ドゥルーズ、デリダ周辺の流れを追いながら自分の探究に連結していきたい。さて次は何を読むか。
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初ドゥルーズ入門書
自分なりにまとめると、
定点をもたず、「絶え間のない生成の動き」の中に
私たちは生きていて、決して同質のものや永続的な自己同一性というものはなく、
すべて生成の中で意味付けられていく。
その意味では、マジョリティなものがマイノリティたり得るし、逆も然りである。
とはいえマイノリティな文脈に自分がいることを発見したとき、私たちはそれを能動的にマジョリティなものへと接合し、狂って生きる(=抵抗)していくのが理想である。
それがすなわち、解けない問いを揺らぎと共に生きることである。
金属と遊牧民や、自然とテクノロジーに対する考え方も面白く、
農業から既にテクノロジーは始まっているが、
それを否定するのではなく、
むしろ私たちがテクノロジーと考えているものは、
自然の延長線上にある。
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入門書として最適。でも、結局ドゥルーズの作品そのものに触れなければ意味がないような気がしてきました。勇気を出して読んでみるか。