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満洲事変 「侵略」論を超えて世界的視野から考える みんなのレビュー
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紙の本
朝鮮のない空間
2019/12/17 00:14
9人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、この本で取り上げているのは清末から満洲事変までの間なので表題が合わない。康熙朝にはなるが枠を鑑みて「ネルチンスク条約から満洲事変へ」とでもした方がよさそうだ。
著者は「中国」という概念を漢族による他民族支配の歴史を正当化すると見做しているから民国期になると民国という表現が連発する。おそらくは「支那」を使いたいのだろうが版元に言われているのか?一番問題なのは北伐以降を書く際に同じ軍隊なのに対中共戦では国民党軍、それ以外では民国軍としている。正式名称の国民革命軍か通称の国民政府軍または国府軍ではいけないのだろうか?
確かに帝国主義の時代のアジア諸国について簡潔に書けてはいる。しかし朝鮮や台湾の存在が希薄だ。おそらく日本による朝鮮や台湾の支配を取り上げたら「他民族の民族自決を否定する『支那』」と「『満洲国では』少数民族の権利保護をした日本」という図式が崩れてしまうのだろう。著者は分かっていて、「おわりに」で「満洲国での『経験』」は「台湾や朝鮮統治とは異なる新たな時代背景での経験となった」と書いている。しかし昭和20年まで「台湾や朝鮮統治」が変わっていないのだから避けているのはどうだろうか?
だから、この本での朝鮮の記述は簡単で、閔妃暗殺で「三浦梧楼が関与していた」とは書いているが、それも日露戦争までだ。この著者を版元に勧めたという倉山満のような人種は朝鮮を「唐入り」の通路か何かと思っているらしいが、朝鮮での歴史の変遷を軽く見ているのではないか?何しろ宮脇淳子先生が、たった1年で「朝鮮紙の真実」が鎧代わりにしか使えない粗悪な品から日本に油紙と共に輸出したと貴重な御意見を変えているのに疑問にすら思わないのだから。それもサルフの戦いと同じ時期に当たる元和・寛永期に、だ。
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