レファレンスの実態と機能を垣間見る
2020/07/04 18:12
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投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書館員のレファレンス業務の実態がよく分かる本。正直、司書になったとしてもこんな質問に回答できるのかと不安を覚えるような問い合わせが多数よせられる実態が分かり、レファレンス業務に腰が引けてしまう。司書の専門性の高さと、レファレンスの奥深さを垣間見た。
レファレンスが、情報を利用者に有効活用してもらえる様に提供して社会課題の解決につなげるとともに、憲法の知る権利、基本的人権の実現にも寄与する社会的機能であるという言に、改めてその意義を学んだ。
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図書館員のレファレンス業務の実態がよく分かる本。正直、司書になったとしてもこんな質問に回答できるのかと不安を覚えるような問い合わせが多数よせられる実態が分かり、レファレンス業務に腰が引けてしまう。司書の専門性の高さと、レファレンスの奥深さを垣間見た。
レファレンスが、情報を利用者に有効活用してもらえる様に提供して社会課題の解決につなげるとともに、憲法の知る権利、基本的人権の実現にも寄与する社会的機能であるという言に、改めてその意義を学んだ。
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『ある図書館相談係の日記 都立中央図書館相談係の記録』の増補版。昔図書館で借りて読んだが、今回は購入。索引や当時の都立中央図書館のレファレンスマニュアル、国立国会図書館小林晶樹氏の解説対談もある。以前も読んでレファレンス事例に驚いていた。今回は著者の特別区協議会調査部での調査事例に特に驚く。特別区協議会は各区の行政問題の協議や財政調整などを行うところであり、協議する上で様々な資料が必要だった。そこで著者は事前に協議会で設定されたテーマを調査し、論文・記事検索、調査レポートの作成、重要な論文・記事等のコピーを付けたそう。図書館司書の本気度がうかがえる。自分もそれぐらいしないと…。所蔵目録を「小説のように読め!」というようなエピソードもかなり好き。
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図書館司書を仕事にする方へおすすめしたい、レファレンス事例集+αです。
日々、司書がカウンターや電話で受ける質問や相談ですが、その内容は十人十色、千差万別。
とても難しく奥が深いのです。
著者の様々な経験や失敗談、補足説明やインタビュー、役立つ内容が満載でした。
司書になりたいな、司書でよかったなと思える一冊。
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図書館の役割は本の貸出とレファレンス。この2つはまったく違う機能。ゴッホの筆跡が分かるものを探してほしい、とか言えるらしい、びっくり。
図書館のレファレンスセンターは確かに行かなかったです。行ってみようと思います。
札幌市図書・情報館について
https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/report/120600218/
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東京都立図書館のレファレンス担当だった著者の現場での実態を日記風にまとめたもの。1994年に刊行された「ある図書館相談係の日記」を2019年に増補改訂したもの。1988年の出来事を扱っているので内容的にはやや古くなっている箇所はある(Internet普及以前なので、今ならもっとネットが活用されているだろう)だろうが、具体的な手順やノウハウは興味深い(ただ索引が揃っている図書館という施設を最大限に活用した調査法なので、個人の調べ物にそのまま適用できるかは微妙なところか)し、業界内幕的な読み物としても楽しい内容。
読んでいて一箇所気になるところがあって、都立図書館では子供に変わり親が図書館に調べてものの相談にくることを「有栖川の母」と呼称しているという記述があって、これの元ネタが判らない。図書館に相談してみるべきか?
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ここで描かれるレファレンスの現場は昭和と平成の端境期で、インターネット前夜の話だ。しかし本書を読み進めながらレファレンス業務の実態を掴んでゆくと、誰もがインターネット経由で世界中の情報に触れられるはずの現在でも、レファレンスという存在が重要であるということがわかってくる。
おぼろげな情報、質問者の背景や気持ちと膨大な知識、プロセスを結びつけ必要な情報へと掘り下げていく知恵にはただ驚くばかり。
一方で、犯してしまった失敗や横柄な態度をとられたことにより感じた不快感など人間的な部分についても書かれており、実にリアルな「レファレンス」業務の実態が垣間見える。
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司書さんの仕事をちゃんと知った一冊。
今はネットが普及しているのでかなり方法は変わっているけれど、知りたい情報を正確に早く見つけるという任務は今も変わらない。
また自分も含め、学生の利用教育不足はこの時代から顕著であり、もっと問題視されるべきである。
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一般的なレファレンス論と異なり、相談係として利用者との会話を通して、より実践的なレファレンスの方法を提示している。
調べ物のスキルはもちろん、悪手と言われる方法を知ることで、より効果的な文献検索の方法を学んだ。
何より読みやすくレファレンスについての入門書として最適。
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昔に出た本の復刊本らしい。よって日記の内容は古いもの。
しかし様々な問い合わせがあってそれに答えていく顛末というのも面白い。
巻末に現在の対談があったが、現在のレファレンスというのはどうなっているのだろう。
こんなに毎日何百件も電話問い合わせはないのではないだろうか。
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公共図書館でのレファレンスサービスの日記。
マニュアルだけでなく、著者の経験から得た情報検索力を駆使して、日々のレファレンスサービスを記録したもの。
失敗談や、日記らしくふと質問を受けたことに著者が疑問に思った点などが書いてあるのが面白かった。
古い日記のため、現在のレファレンスサービスとは異なる点が多いかもしれませんが、情報提供者としての図書館員の姿がはっきり見えてきます。
最後の対談にある、人々の「知る権利」に奉仕する役割を担うという点が、まさに公共図書館員の姿なのだと納得しました。
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93年刊行のものの復刊
対談などを追記
早稲田文学部→73年から都立図書館に勤務
88-89年のレファレンス対応記録
当時は相談係に配属の司書10人で年間6万件を処理
営業日で鳴らすと8-9分に一件の電話相談がある勘定になると。
早番遅番もあり、シフト作成、ローテ引き継ぎが大変。調査の途中ても時間で切って次の当番に引き継ぐ。一つの調査にのめり込むことは許されない。
リテール商売なので、あわただしい職場だったようです。(大学図書館との違い?
“九時半になると、待ちかねたかのように電話が鳴る。あとは、戦場のような騒ぎで、特に火曜日は電話が多く、いつも誰か話をしていて、調査のために歩き回り、端末の前でキーボードを叩いていて、合間に電話が鳴り、気忙しく時がたっていく”
4
一方で専門職としての司書の矜持も
“先輩司書から、「1人で覚えることができる本の数は、5,000冊だ、君も覚えるようにしたまえ」と言われたことがあったが、ともかく本の背を見て書名を頭に入れ、本の背の色や特徴なども同時に頭に入れる”
3
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図書館司書のレファレンスの記録。
少し古いものなので、今はまた少し違う点もあるのだろうが司書の仕事が垣間見えて面白い。
こんなこと聞いていいんだ〜と目から鱗。図書館の利用の仕方が変わるかもしれない。
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司書資格を取るため読み始めたが、とても読み物として楽しかった。レファレンスって、図書館相談係って、大変でものすごい仕事だ!!
「図書館は本を貸し出すだけの場所じゃない!レファレンス現場の「ジグザグ」な実態を描く名著、『ある図書館相談係の日記』を大幅に増補復刊。」
目次
はじめに―相談係の1日
ある図書館相談係の日記(はじめに;1988年(昭和63)9月 ほか)
思い出に残るレファレンス相談質問事例(東京室での事例から;社会科学室での事例から ほか)
解説対談 レファレンスの理論と実践、そしてこれから(『ある図書館相談係の日記』成立前史;「でもしか司書」からの脱却 ほか)
参考(東京都立中央図書館参考課相談質問・回答件数;東京都立中央図書館資料部参考課回答事務処理基準とマニュアル ほか)
著者等紹介
大串夏身[オオグシナツミ]
東京都出身。早稲田大学文学部卒業後、1973年東京都立中央図書館に司書として勤務。1980年から85年財団法人特別区協議会調査部、その後、1993年東京都企画審議室調査部から昭和女子大学に勤務。現在、昭和女子大学名誉教授。文部省地域電子図書館構想検討協力者会議委員などの委員等を多数つとめる。著作多数
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1988、89年の図書館レファレンス状況がわかった。ネットが今ほど普及していない時代だから、当時は重宝されただろう。
図書館利用や蔵書についての知識はもちろん持っておかなければならないし、理不尽なことにも対応しなくてはならないので、難しい仕事だと思った。
図書館の利用者として、もう少し利用方法を知っておかなくちゃと思った。