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危機と人類 セット みんなのレビュー
- ジャレド・ダイアモンド (著), 小川敏子 (訳), 川上純子 (訳)
- 税込価格:3,960円(36pt)
- 出版社:日本経済新聞出版社
- 取扱開始日:2019/10/30
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- 商品タイプ:セット商品
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紙の本
考える
2019/11/30 11:00
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:怪人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
7つの国を対象に国家と危機的状況における対応について論考したものである。7ヶ国とはフィンランド、日本、チリ、インドネシア、ドイツ、オーストラリア、アメリカである。フィンランドやチリについては知ることも多く勉強になる。国家とは何かも改めて考えさせられる本である。
日本は2つの章に亘り、過去(明治維新期)と現在の状況について論じられている。日本以外の国々についてはそのようなことかと思える内容だが、日本については日本人としての知識や感情があるので首肯しかねるところもあり素直に受け取れない 内容もある。特に歴史事実、認識に関わる事柄はなかなか難しいところだ。しかし、そもそもそのような点に関する自覚の欠如が現代日本の問題なのだと著者は言っている。著者の見解は世界各国の多くの研究者などの研究成果や著作等を基に検討して発せられているのものとすれば、世界の見方を集約しているともいえそうだ。虚心坦懐に話を聞く耳を持つ態度も必要だが、指摘された内容、課題について点検、確認も必要だろう。
例えば、核兵器も世界の大きな課題と説明している。平和的利用の原子力発電については気候変動とエネルギー問題を解決するためには選択もやむを得ない施設としている。理由として、ソ連や日本では事故が起きたが、フランスや韓国などの原発国では事故は起きていないこと挙げ、安全に対する確実性は気候変動の不確実性に勝っているという。しかし、核燃料の処理の問題や万一原発事故が発生した場合のリスクは考慮されていない。気候変動の不確実性と現時点での事故防止の確実性とを比べているだけであり、原発の総合的な安全性について議論している訳でもなく、論理に無理筋があるようにも思う。
アメリカ生まれの白人アメリカ人研究者なのでアメリカに関する論考内容はおよそ問題は少ないのだろう。では、アメリカ以外の6ヶ国の国民もこの本を読んでどのような感想を持つのだろうか。
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