紙の本
まじ「黒い」
2020/01/08 11:03
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投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここまで人間の「黒さ」を淡々とした筆致なのに感じさせられる本を書けるのは、すごくないですか?
読み終えて、ちょっと鳥肌ものでした。
「老い」「老後の生き様」をすごく考えさせられる一冊でもあります。
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努力と競争を過剰にもてはやす「ネオ実力主義」が台頭し、働かないヤツは人間の屑、と糾弾される社会で、思いがけず病気になってしまった男。(「人間の屑」)気軽に受けた新型の出生前診断で、胎児の重い障害を宣告されて中絶するか悩む夫婦。(「無脳児はバラ色の夢を見るか?」)医療や技術の進歩の先に見える、幸せな人生は幻想なのか。救いなき医療と社会の未来をブラックユーモアたっぷりに描く7編で綴る作品集。
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どの物語も、そう遠くない未来に実際に起こりそうで怖い。さらには、大人になり切れない大人が増えている気がしてならない昨今、医者でさえも例外ではないと、改めて気づかされて、空恐ろしくもなる。何に頼ればいいのか不安になるが、しょせん医者も人間であるということだ。ブラックすぎるユーモアで、到底笑えないが、自分の身は自分で守らねば、との思いを改めて強くさせられる一冊でもある。
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努力と競争を過剰にもてはやす「ネオ実力主義」が台頭し、働かないヤツは人間の屑、と糾弾される社会で、思いがけず病気になってしまった男。(「人間の屑」)気軽に受けた新型の出生前診断で、胎児の重い障害を宣告されて中絶するか悩む夫婦。(「無脳児はバラ色の夢を見るか?」)医療や技術の進歩の先に見える、幸せな人生は幻想なのか。救いなき医療と社会の未来をブラックユーモアたっぷりに描く7編で綴る作品集。
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軽く読めてしまうが,その実,医療問題の本質的倫理観を突きつける.医療技術は発達するが,それに付随すべき倫理観念はむしろ退化している現在,既に人としての種の終焉を迎えており,技術の発達は人を真綿のごとく絞め,緩やかな絶滅に向かわせているように思える.
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久坂部羊 著「黒医」、2019.12発行。期待しましたが、2016.8刊行の「反社会品」のタイトルを変更し(なぜ変更するのですか?)文庫化したものでした。人間の屑、のぞき穴、老人の愉しみなど7つの短編が収録されています。改題前の「反社会品」読んでましたが、読んでて、内容を思い出すと言いますか、あまり好きな内容でなかったことに気づきました。著者のブラックユーモア、はまることもありますが、本作品は私にとっては読後感の悪さが目立ちました。
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「医療ミステリ」というのとはちょっと違うかな。医療周辺ではあるけど。どちらかと言うと…SF寄りのスラップスティック?うーん。筒井康隆とかヴォネガット…いや、ヴォネガットはちと遠い。短篇だから星新一か。
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後味の悪さは一級品!
随分と意地悪な目線で書かれてる気がするけども、優しさという名前の無関心の薄皮を剥ぎ取れば、ぎゅうぎゅうにこんな感情が詰まってるんだよね、人間。
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久坂部羊さんの短編集好きですが、
BLACK 2 × HUMOR
ブラック感半端ないです。
登場人物が心の闇にのまれていく描写を読んでいると疲れてしまう。
だいたいラストにどんでん返しが出てきますが「不義の子」は最後2ページ驚きました。まさかね〜と。
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医療をテーマにしており、作者も医者なので設定に矛盾などを感じず素直に読める。
対立する立場を描いており、自分だったらどちらの立場かを考えながら読んだ。生々しい話もあるが医者の苦悩が少しわかる気がした。
骨髄ドナーについて興味を持って調べた。今までの自分の知識が刷新されたので読んでよかった。
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初めて読んだ気がしないと思ったら、‹反社会品›の文庫本だった
名前変えて文庫本にするの、知らなかった
でもやっぱり読んでしまった【のぞき穴】は私の地元の海岸のことだったので、題材にされて嬉しいような悲しいような…
いろいろブラックすぎて二度よみでも満足しました!
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作者が医者なんで、医療が前面に出てるのは、そうやけど医療ミステリーやないな。イヤミスでもない。
後味が悪いという意味では、かなりやけど…
世間の矛盾というか、気にしながらも、どうにもなってないのを強烈に皮肉る感じ。
タイトルも何かありそうな感じ。
「無脳児…」は、タイトルからして、おい!そんなタイトルええんか!って思うけど…中身は、間違いでしたで済ませられんオチ。
何にしても、絶対はないのは分かるけど、医者に言われると不安になる…そうしか言えんのやろうけど。
「のぞき穴」は、安易に電車で読めない…覗かれたら、色んな文言で誤解されそう…
にしてもあかんやろ!この医者!
って感じの短編集7つでございます〜
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なんというか…面白くもないし、すっきりするわけでもないし、腹が立つわけでもない。もちろん感動なんかしない。どうしてこんな本を書くの?
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誰も悪くはない、ないからラストはポッカリ穴が開く「無脳児─」。嫌らしさにゾクっとする「のぞき穴」。この男にとって最高の自己満足、まさに黒医。この二篇は出来がいいと思った。見えない部分が綺麗じゃないことは誰しもわかってる。この短編をどこか楽しんでいる君も黒いんだよって? それもわかってる。