紙の本
日本語の擬音語、擬態語に秘められた奥深さ、由来、意味を丁寧に解説した興味深い一冊です!
2020/04/26 11:48
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本語に擬音語や擬態語について、それらの奥深い意味や由来について丁寧に解説された一冊です。私も初めて知ったのですが、こうした語彙を総称して「オノマトペ」というのだそうです。擬音語や擬態語は、私たちの日常生活では、赤ちゃん言葉として使うことが多く、何か「幼稚」なイメージがありますが、同書の著者によれば、実は奥が深い語彙だとというのです。『古事記』で登場する「もゆら」とは何の音でしょうか?また川端康成の『伊豆の踊子』に登場する踊子を「コトコト」笑わせたたとはどういう笑いなのでしょうか?同書は、日本語に隠された、知られざる真相を解き明かしていく価値ある、興味深い一冊となっています。
紙の本
改めてオノマトペに注目した。
2020/03/21 15:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日ごろは、あまり意識しないが、注目してみると奥が深いし面白い。
オノマトペ自体の歴史、個々の言葉の歴史、作家独自のものなど切り口もたくさんある。
オリジナルのオノマトペを作って、広まって、皆が使うようになってみたい。
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帯にある通り、「プニプニ、コトコト、もゆら、シュボッ。知れば知るほど奥深い日本語の楽しさに触れる」本でした。
純水な学術書ではないが学術的なことは抑えられていて、時折の脱線がリズムよく読了しました。
日本語はやはり、いいね。
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オノマトペは日本語のへそ その通りだと思った
日常生活で意識はされにくいものの、無いと言語表現に莫大な悪影響を及ぼす。
さらに、漫画や小説、古典文学など様々なジャンルの作品の中で用いられているオノマトペが多数紹介されている。これからは、身近な生活の中で活きるオノマトペを沢山見つけられるようになりそう。
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古事記、日本書紀のころは、外国語(漢字)を使って日本人のこころを表していた。
きちんと、あの漢字まみれの当て字に「こう読め」と言う注釈が入っていたことは知らなかった。
私たちが当たり前に使う音読み訓読みは、変わっている、と言うのも新たな視点だった。
たしかにdogと書いて、イヌと読むと考えたらその不可思議さが分かろうというもの。
ゴルゴ13の話は漫画を読んだことがないが、「シュボッ」がこんなに深いとは思わなんだ。
日本の方言が表すさまざまな言葉。
私は東京育ち、子供たちは東京生まれ東京育ち。
とはいえ、下町言葉なんて使わないわけで、いわゆる標準語、共通語と呼ばれるような言葉を使い、独特の言葉は使っていない(とおもう)。
江戸っ子口調なんて今はほとんどないわけで、「ひ」と「し」の区別もつけられる。
けれど、地方にはその地方の言葉を表す言葉がたくさんある。
共通語は便利だが、それぞれが指し示す心をそれだけで表すのは難しい。
面白いのは三島由紀夫。
オノマトペを使いすぎるなんてダメだ云々と散々言っておいて、はたと気づく。
しまった、これ、婦人公論…慌てて女性と子供が使う言葉は意義があり…と続く。
もしかしたらわざと狙ったのかもしれないが、彼にもちょっと焦るようなところがあったのかもと思うと身近に感じられる。
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擬音語、擬態語を総じて称する「オノマトペ」。誰もが日常的に使っているオノマトペを豊富な例やエピソードを用いながら掘り下げる。
オノマトペについて書いた本です。「ゴーン」などの擬音語、「くるくる」などの擬態語など、日常的に使ってはいるけどその根源は何か。日本語自体についても掘り下げた一冊。
『古事記』に記された日本最古のオノマトペとは、 その地方独特のオノマトペにはどんなものがあるのか、宮沢賢治作品におけるオノマトペの独創性とは、「コトコト笑う」はどのような笑いなのか。
オノマトペの世界を様々な面から切り取り分析することで、やっぱり日本語は奥深いなと再確認できます。
例えば、「笑う」一つとっても、その前に「くすくす」「けらけら」「にやにや」「げらげら」「にたにた」とつけてみるだけでこんなにも表情が変わる。繊細な感性が日本らしさを表している気がしてとても楽しいです。