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著者の本を以前に読んだことがあったのと、本の帯に「これが、今の、日本だよ」と書いてったので、思わず買ってしまった1冊。
でも、どうでしょうか。ほとんどの日本人が知らない日本の姿が書かれているように感じるかも知れません。少なくとも私はそう感じました。
日本のことを一番知っているのは日本人のような気がしますが、実は、見えてない部分があるのかも知れません。
客観的に、いや、別の視点で日本を見直してみようというときに、この本は一つの視点を私たちにくれるかも知れません。
p.241 「日本では権利と義務はセットとして考えられていて、国民は義務を果たしてこそ権利を得るのだということになっています」
この言葉は、コロナ禍の今、考えさせられました。
同p.241 「例えば英国では「権利」といえば普通は国民の側にあるものを指し、「義務」は国家が持つものだが、日本ではその両方を持つのは国民で、国家と国民の役割分担がなされていない。」
コロナ対策を全て国民の自粛に委ね、国は何ら義務を果たしているように感じられないのは、こういうところに原因があるのかも知れません。
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少し前の本として読んだ。
色々と勉強になったが、いちばん印象に残ったのは最終話のカトウサンである。ジーンときて終わった。
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ブレイディさんが日本に1か月滞在して感じた日本の今を語る。働けなくなったらすぐに生きるのが大変になる下流層にいたとしても、働けている間は自分って中流だな、と思ってしまうのは人間ならみんなそうだろうなと思った。NPOで働いていても、政治というところまで目が届かない、純粋な人助けでやっている人が多い、というのはやはり小さい頃から政治について語ることがなんとなくタブー視されている日本特有のものではないかと思う。人権は生きているだけでそこにあるもので、支払いという義務を果たすからあるものではないという主張は、心が折れないためにも大切なことだと思う。保育園と幼稚園のカリキュラムの違いが時代遅れも甚だしいと思っているが、「保育園落ちた、日本死ね」の主張のように、ムーヴメントが起こるのも確かに保育園の現場からだと思う。日本の将来は、子どもたちが良くも悪くも担うものなのだから。
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日本の保育園では保育士1人に対して3歳児20人(イギリスは1人に対して8人)ってありえなすぎる。。
遠目でみんなが無事か監視するしかないよね、、
いや国もっとなんとかしてー
知らない事がたくさんで、反省。。
もっと自分の国に興味持たないとな。。
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組合が企業別なのもさることながら、職場意識が労働者を分断する。元従業員が未払い賃金を要求しているだけなのに「働けよ」と罵声を浴びせる同業界の男たちは「共存」ということを知らないのか?キャバ嬢を差別するとは/英国在住には「病児保育」という言葉が耳慣れない。子の病気に両親のどちらも休めないというのは「労働者」にはありえない/左翼は高齢化している、英国と同様。しかし’98政権奪取した労働党政権は格差是正で幼児教育を強化。保育士の多様性確保/2010政権を奪回した保守党は「定年廃止」打ち出すなど二大政党制が機能
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米国在住時の周囲のリベラル感覚がよく分からなかったが、日米のギャップの整理の中で腑に落ちたところがあった。
存在しているだけで「人権」を主張する価値観と、「働かざる者食うべからず」の価値観。
ミクロの活動とマクロのリンクはどうできるのか。
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1ヶ月の滞在で、これだけのことをネタとして仕入れて、発信できるのがすごい。
御徒町のキャバ嬢の賃金不払いに対する抗議に対しての、同業者のやり方が汚いけど、そうやって守るしかない実態があるんだよね。
日本の保育事情も平等という良い点もあるんだな、とは思った。
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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』よりかなり難しくて、半分ぐらいしか理解できなかったと思う。けど、言いたいことはビシバシ伝わってきて、「ホント そう思うわ~」という部分多し。
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僕はイエローでちょっとブルーと子どもたちの階級闘争を読んでから、これを読み始めたため、保育の日英比較を期待していたので、その話が一章しかなく残念でした。
私の知識が足らず、理解できない点もありました。(左翼とか右翼とかをなんとかなくわかるけど、具体的にはわからないなどの基礎知識の不足)
ただし、日本の教育は思考力を育てるには難しいんだなということがあり、どんどん従順な人たちが育ってると思ったら
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「自分で考えない人たち」の存在。
コロナ禍でより存在感を増していて、自分にとってとてもタイムリーな題材だった。
保育園での英国との違いが興味深い。
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僕はイエローで〜、を読み、同じ著者ということで読んでみた。こちらは日本とイギリス社会制度の話ばかり。日本の閉塞感と意識の無さ、イギリスの制度説明と歴史。
日本には、自分たちは中流階級にいると思っている、実際は下層階級の人たちが多く、彼らが他人事のように捉えているから日本の社会保障制度はなかなか進まない。イギリスは、階級社会だからこそ、「自分たちは労働者階級である」と自覚し、声を上げる。
毎日派遣で働き、派遣を切られてアパートの家賃が払えなくなって、やっと相談に来る。参加者の高年齢化。牛乳パック、なんでも手作りの保育園。20人の3歳を見る保育士とチェック機能。声を上げるものと傍観するものの歩道を隔てた距離の広さ。「日本の左翼は金の話をしない」「金と力が平等に行き渡るべきだと信じるものの集団」
日本で社会活動をする人は、社会から外れた人という意識が強く、団体同士の風通しや結束が弱くて、結果的にカリスマがいないと萎んでしまうので、もっと気軽に日常にそういう風土があればいいのにと思う。
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イギリス在住のブレイディみかこさんが、20年ぶりに日本に長期滞在し、非正規労働者の支援、貧困者支援、母子支援、子ども支援などの分野で働いている人たちを取材する。
「すべて国民は、個人として尊重される。」と憲法にあっても、ふだんの生活の中では「人権」というものが、どうも実感に乏しいもののように思っていた。そこで国際人権NGOの元事務局長の寺中さんの言葉はしみじみ「人権」というものの意味を感じさせてくれた。「お金があるならお金を使いなさい。友達がいるなら友達に頼りなさい。体力に自信があるならそれを駆使して頑張ればいい。でも、それが全部なくなって頼るものがなくなったとき、そこにある蓋が人権です。」自分が何もない状態になってもそこにあって、何もない状態の自分も受け止めてもらえるもの。
なんだか肩の力が抜けて、ほっとする気がした。
それが社会の中でのどんなことと結びつけてどうしていくべきかを知ることはまだまだ課題ではあっても、身近な人たちと接する中でも、「人権」を考えるもとになる言葉だったと思う。
エピローグのカトウさんの話には驚いた。世田谷の自主保育の場でこんな光景が見られるとは。
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「地べた」と表現するフィールドにしっかり根を張っているからこそ、ミクロとマクロを繋げて世界を見れる。
英国と日本を比較するからこそ、日本の「ヤバさ」もリアルにわかる。
けど「どっちがいい悪い」を結論づけるわけではない余白の残し方。
解説の「風景の共有は議論の礎となる」がしっくりきた。
ブレイディみかこの文章は、「ニュース」や「概念」ではなく「風景」を共有するからこそ、読み手に「自分ごと化」させ、胸に手を当てて考えたくなるような文章なんだと思った
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良書。貧困と人権を英国と日本の地べたの視点で捉えた骨太なルポ。本書が刊行されたのが2016年8月、5年後の日本はコロナ禍も加わり更に格差が拡がり、人権が顧みられない事案も増えている。政治に対する不信、不満の空気も膨れ上がったが…。自分の身の周りにあることに目を向けない、絶望するのが怖くて考えたくない、それは自分のことでもあると思い知る。貧困や人権に対する理解があやふやであったことも。もっと考えながら一歩踏み出したい。
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日本のシステム(政治)の問題点を再認識させれました。 著者の「日本人は現実を見ていないです明確なことが目に入っていない感じ」という指摘にショックを受けました。日本の学校教育って「考える力」を育てるようにはできていないので判断力があまりなかったり、ある程度分かっていてもそれを表現したり行動に移せる人が少ないと思います。最近は小学校のテストも記述式の問題が増えてきて変わろうとする動きがあるようですが。日本の将来を担う子供達の事、まずは「保育園の環境」からもっと考えていかないといけないですよね。