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柚木麻子さんは女性の描写がとても上手な作家さん。一見自分とは全く関係ない世界にいる女性を描いているようで、どこか共感できる部分があると誰でも思ってしまう。
柚木さんのナイルパーチの女子会や早稲女、女、男 もそう感じた。
それとこの小説、バターに関する美味しいものが沢山出てくる
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あたたかいものに合わせればじゅわりと溶け、舌にのせればふわ〜と広がるバター。どんな料理にも人さじ追加するだけでコクのある味わいになり、これを知ってしまったらもう入れる前には戻れない。まさに病みつき。しかし“病みつき”になってることすら感じさせないのもバターの魅力のひとつ。
きっとどこの書店でも『BUTTER』は平積みされているのではないだろうか。なぜならこの本は誰かに読んでほしいと声なき声を発しているから。
実際にあった事件をモチーフに書かれている本作は、事件のように事件の真相を解いてはいない。その直前まで行き着くことは出来るが、そこは追及されていないのです。語られているのは、加害者がなぜ事件を起こしたのか、そしてその時の心境。
加害者にも被害者にもなれない傍観者である人にとっては、事件の原因はとても単純なもののように思える。気に食わないから殺した。それだけ。でも人間ってそんなに単純明快じゃないよね。生きている中で、自分で自分を偽っていることはよくある。
途中までは事件の解明を心待ちにしている自分もいたけれど、終盤に差し掛かるにつれてそんなことはどうでもよくなってしまった。事件解明より、誰でも加害者になり得る人物背景を知ることのほうがよっぽど納得がいく。
「この本ってどんな話なの?」と聞かれたら、美味しくて、でも悲しくて、泣き笑いしたくなっちゃうような話と答えたい。
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とにかくエシレバターが食べたい!
○嶋○苗をモデルにしたということで楽しみにしていたので正直、、期待していた感じではなかった。
私は玲子と里佳とかよりもっと梶井に焦点を当てて欲しかった。
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夜中に読むとお腹が空くのでおすすめしません。
周りの人を狂わす人物というのはかならず存在する。その人物は堂々としているけれど、それは得てして自信のなさの裏返しなんだよなあ。
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食べることは日常のこと。だからこそ、「食」との接し方に、人が見えてくる。カジマナ、怜子、そして里佳。食を通じて、女たちの性(さが)をあぶり出していくことが、この作品のおもしろさだと思う。
『BUTTER』というタイトルが秀逸。物語のキーとなる食材であるだけでなく、バターそのものの濃厚さ、ほんのりつきまとう背徳感など、読書中のイメージを一層深めてくれる。
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知人らの評価が高かったため購入。
情景描写の巧みさ、舌触りまで具体的にイメージさせる食の表現、主人公と友人の恋愛関係にも似た深い絆など、細部に丁寧さが宿る一冊。
特に女性が背負わされているあらゆる呪いが、ぞっとするほどリアルで悍しく、しかしてそれが現実にも蔓延っていることに歯がゆさを覚える。
社会問題となりつつある女性の権利、あり方の問題を日常に落とし込んだ良書だと思います。
ただしサスペンス、ミステリー、ホラー好きな人が手に取ると、期待はずれに感じられるかもしれない。
(推理小説好きな私には、少なからず物足りなさや消化不良の節があった。)
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アッコちゃんシリーズや、その他の柚木先生の作品は、
いつもどこかぶっとんでいたり、傷つきながら進んでいくような作品ばかりを手に取っていました。
この作品は…読むのにとても消耗する一冊でした。
とにかく続きは気になるのに、こってり重たくて、
仕事の休憩中に読むと、切り替えができず、苦労しました。苦笑
木嶋佳苗の事件がニュースになったときって、
私は何歳だったんだろう。
本作に登場する梶井真奈子。
付き合う男性たちの財産を奪い、殺人容疑をかけられる。
週刊記者の里佳は、インタビューを重ねるうちに、どんどん梶井真奈子の言葉や食事に翻弄されていく。。
とても奇妙で、
とても違和感だらけで、
とても歪なんだけど、
どれもこれもがわかる気がする。
「男性」「女性」「結婚」「夫婦」「子供」「恋人」
役割や概念がほんとうなのかわからなくなる。
とても苦しい。
みんなコンプレックスがあって、
誰もわかりあえなくて、
それでも一人ではいられずに支えあって。
とにかく食事の描写がすごい。
それがまたさらに、もったりこってりしているんだけど。苦笑
体が食事でできていることがわかる。
そして精神にも影響することが。
里佳は、梶井真奈子の呪縛というか念みたいなものから解放されるんでしょうか。
解放という言葉が適切かはわからないけど、七面鳥を焼いている姿はなんとも言えない気持ちだった。
みんなが前を向いて関係性が変化していっているのに、なんか奇妙な気持ちだった。
どんな形でも状況でも、時間は流れていくなら、
明日はもう少しましに、と思わずにはいられないです。
一番心に残ったのは、本編とは大きく関係しないけど、
「ロックだよね、掃除とか料理とかってさ。愛情ややさしさじゃなくて、一番必要なのは、パワーっていうかさ……。なまくらな日常にのみこまれないような、闘志っていうかさ……」
ほんとそれ!!
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初めての柚木麻子さんの作品。
どういう結末を迎えるのか全く読めなくてわくわく感があった。
梶井真奈子にもう少し踏み込んでほしかった、というのが正直な感想。ちょっと物足りない。590頁弱あるけどなんかぼんやりとしてる。読了後、何だったのだろう感が拭えない。だけども、食べ物の描写がとても良い。バター醤油がけのご飯の描写が特にお気に入り。
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率直な感想、しんどい。
移動用に新幹線の駅でちょっと軽めの社会派?サスペンス?と気軽に買って読み始めたけど、柚木麻子って「終点のあの子」の柚木麻子…と気づいた時には遅く。
全員が全員見事に生きづらくてしんどい。
でも一度崩れてしまってもゆるやかに立ち上がる彼女たちに勇気づけられる。
人はとても簡単に道を見失うけど、再び歩き出すのは思っているほど難しいことではない。
柚木麻子、「終点のあの子」がしんどすぎたから距離を置いてたけどやっぱりすきだ…
あとバターめっちゃ食べたいしジョエル・ロブションのキャビアの前菜はビジュアルが怖いから苦手です(トライポフォビア)
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まさに物語の中心はバターだった。
作中にもあるが、バターは熱がないと溶けない。
けれど、人間関係は急速に熱してもバターのようにはすぐに溶けない。
常温でも日常のなかで徐々に溶けていくことで、友情や信頼は築かれていくのだろうと思う。
読んでくうちに食べてもないのにバターの虜になりそうだったのは、文章表現の素晴らしさもあるが、すでにあのバターの魅力を覚えてしまっているからだろうな。一度味わった美味しさはそう簡単には忘れられないのだ。
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現実に起こったあの「木嶋佳苗事件」を
連想させる内容です。
ライターである主人公が、獄中の婚約者
や交際相手を何人も殺した容疑者との
対話が繰り広げられ場面が続きます。
その中身を通して現代の女性の生きづら
さが、これでもかというくらい突きつけ
られます。
男性が読むべきは、前半のこれらの女性
の苦悩を理解するべきところ。女性は後
半に、それでも主人公が大切なものを取
り戻すところを読むべきと思います。
男女共に必読の一冊です。
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実際にあった事件のモデルというところには興味あったし、お腹の空く本でした。
でも、どこか自分と通じるところもあったので面白かったのですが、前半が面白かったので、後半が少しスーッと終わったイメージでした。
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もっとノンフ寄りのものを期待していた自分としては、ちょっと物足りなく感じたかも。あと、料理/グルメ小説が好きじゃない、ってのもあるかな。結構が巧妙だから、どんどん読み進めさせられはするんだけど、600ページはちょっと長く感じてしまいました。
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読みやすかったけど、サスペンスではないかな?
ただただ、料理をしたくなった…
結局は、何を言いたかったのかも分からず。
女同士のヒエラルキーなのか?
発育早い女子の話なのか? 定まらなかったのが残念
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ぐんぐん読み進めることができ、あっという間に読めた。
美味しそうな食べ物や作る工程の描写が食いしん坊にはたまらない。