紙の本
AI戦争勃発
2020/07/16 08:34
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
トランプ大統領さえ動かしてしまう、アメリカ国内のIT大手の影響力にビックリです。共産党の下で成長を続けてきた、アリババや百度との競争も激化しそうですね。
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AIの簡単な歴史から説き起こし、現在はGAFAとIBM、マイクロソフトの米国6社、それに中国のバイドウ、アリババ、テンセントの3社、計9社がビッグナインとしてその先導役を努めていて、今後もその傾向は続くだろうとしている。そしてこの9社主導の傾向を放っておけば、それぞれが勝手な方向に進んでAIの将来は収拾がつかなくなる、というのが著者の問題意識だ。AIの将来像は、今後の対応によって3つのシナリオが考えられるとし、最善の方向はビッグナインのみに任せずにもっと国家が関与を強めると共に、国際的な機関による倫理を重視したコントロール体制を敷くことであるとしている。この様な論拠に立つAI論は特に独自のものではないが、この本では今後のAIに囲まれた我々の未来像がかなり具体的に記述されているので、その点では興味深く読むことができた。それにしても、今の米国人は中国をかなり敵対視していることが、この本から窺われる。
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AIの簡単な歴史、そして懸念点が記載されている。
☆AIの歴史
1955年に数学者や技術者、科学者などが集まり、ダートマスのワークショップが開催された。この中で、考える機械は人工知能と名付けられた。
まず、人間が教えることにより、ゲームに勝つなど狭い範囲のタスクができるAIが誕生した。その後、ネットワークを使ってコンピュータが自己学習(ディープラーニング)をするAIが誕生した。このAIは人間の認知能力や想像力の制限を受けないため、人間には予測不能な判断をすることができた。
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AIの将来については、なるほどそれなりに考えられたストーリーが示されるが、そのベースにアメリカのリベラルエリートの浅薄な価値観が充満していて、どうにも鼻白む。ページのどこを開いても多様性の大切さが強調されているにもかかわらず、将来の楽観シナリオでは遺伝子マッチング出産が嬉々として語られる。
啓蒙思想2.0を読んだばかりなので特にそう感じるのかもしれないが、著者の主張するような理性の勝利によるAI制御などはとても起こりそうに無いシナリオだろう。哲学や倫理を重視するなら、もう少し深みのある議論が読みたかった。