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日本の神話や古代史における有名なエピソードについて、『古事記』と『日本書紀』の記載にどのような違いがあるかを紹介した本。きちんと構成された叙事詩となっている『古事記』に対して、『日本書紀』は記事を集めたもので、本文のほかに異説や異伝も大量に収録されていて複雑らしい。
内容としては、
・天地のはじめに現われた神が異なる
・『日本書紀』ではイザナミが死なない
・高天原を追放されたスサノヲはどこに降り立ったのか
・天孫降臨を命じたのは誰か
・『古事記』には伊勢神宮の創建神話がない
・記紀におけるヤマトタケル像の違い
など。
あくまで紹介というレベルで、深い考察はないが、日本神話にまつわる各地の神社が紹介されているのが面白い。また、『古事記』や『日本書紀』のあらすじを解説したものではないので全体像をつかむのにはあまり向かない。
以下は気になった神社。(カッコ内は祭神)
・奈良県十津川村、玉置神社(クニトコタチ)
・三重県熊野市有馬町、花窟(はなのいわや)神社(イザナミ)
・滋賀県赤神山、太郎坊阿賀神社(アメノオシホミミ)
・宮崎県日南市宮浦、鵜戸神宮(ウガヤフキアヘズ)
・長崎県対馬市豊玉町、和多都美(わたつみ)神社(ヒコホホデミとトヨタマヒメ)
・京都府八幡市八幡土井、飛行神社(ニギハヤヒ)
・大阪府交野(かたの)市私市(きさいち)、磐船(いわふね)神社(ニギハヤヒ、天磐船(あまのいわふね))
・大阪府羽曳野市誉田(こんだ)、誉田八幡宮(日本最古の八幡宮)