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エンド
2024/03/08 10:35
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタばれあり。
素敵な人に出会ったから過去の汚れた自分を消しさりたいっていうゆきかの言い分はすごくわかる。
一郎元カノとの再会も良かった。
でも過去をこっそり覗き見られて復縁できるかなぁ…
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「彼女は宇宙一」で、お、と思い、真造圭伍とかいう同業者とご結婚! おめでとう! クソー! と情動動かされた作者の作品。
けっこう夫婦の絵柄が似ているので、いい関係なんだろうなークソー! と悔しさは続いている。関係ないのに。
実際、作風というか、男女や性やテクノロジーに関する手触りが似ているというか。
個人的にはご夫婦そろって隔靴搔痒、合わないポイントがいくつかあって悔しい感じも共通している。
極私的合わないポイントその1、展開のための設定。本作ではVRタイムマシーンという設定。(もちろんコンパクトにまとめるための措置だと思うけれど)
ポイントその2、恵まれたイケメンイケジョが持つルサンチマンの薄さ。本当に不細工を主役に据えるとどうしようもないのかもしれないが、ケッ、オサレサブカルめ、とつい。
連想したのは、倉本聰「北の国から95秘密」の宮沢りえ、花沢健吾「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の植村ちはる。
特にちはるには本気で恋して本気でなぎ倒された過去があるので、ちはるを思い出すということは、本作のゆきかは、琴線に触れたんだなー。
序盤のゆきかちゃんもいいし、終盤の彼女も、違った意味で、いい。
結局、いいキャラクターだなー、と結構満足。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
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ふたりの関係からロマンが剥落することは悲しむべきではない、必ずしも。
相手におぼえた神聖なイメージが自律してしまうと、乖離している現実に過剰な拒否反応を起こしたり、隠蔽したりすることになる。「最高の彼氏/彼女」じゃない側面だって人間にはあるはずなのに。自他の汚さをどう引き受けるか。
本作が出した答えは、ふたりで話し合うこと、ロマンの先の実像を共有することだ。
華やかで手前勝手なイメージで飾られた未来は、むしろ明るくない。
出合いの発端はロマンが取り結ぶのだとしてもそれにいつまでも縋るべきではない。
「私たちは変わる」この言葉をより肯定的に捉えたい。