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コロナ感染禍のなか令和流スタイルはどうなる?

2020/07/24 12:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る

編著者は「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」座長代理御厨貴氏。「天皇ビデオメッセージ」を経て令和改元までの3年分の雑誌論文、インタビュー、新聞記事を丹念にフォローし、論点毎に様々な見解を公平に提示する手法である。氏は各論点の議論にコメントを付しているが、十分に議論されなかった論点や自分の考えとは異なる見解にも、あたかも彼らと議論をしているかのように丁寧に対応している。オーラルヒストリーの権威である氏ならではの仕事である。
「生前退位」に焦点があたったが、個人的には「天皇制」と天皇が「日本国民統合の象徴」であることの議論に関心を持った。
昭和は天皇の戦争責任問題が天皇制の議論には付きまとっていた。しかし、平成になってからは、この軛を免れて議論ができるようになったのではないか。天皇制は憲法上の制度であるが、そこにいるのは個人としての天皇・天皇家という重層的な構造がある。基本的人権がない人間が天皇制を担うならば退位問題が今後も出てくる可能性はある。そのためには、個人としての天皇に「脱出の自由」を認める奥平康弘氏の議論がまた現実味を帯びてくる。また、「女性天皇」や「女性宮家」の問題は今後の課題である。
一方で上皇・上皇后陛下の二人による新しい平成時代の「象徴としての務め」、すなわち天皇家の私事としての国民の幸福を祈る祭儀、そして戦没者・国民に寄り添うために戦地・被災地の訪問、とくに後者はその映像を見た国民が感化されるという「平成流」スタイルを確立したといえる。変わって間もなくのバブル崩壊、まさに日本経済の「失われた20年(30年?)」という負のイメージがあったが、この「平成流」スタイルが平成のイメージを決定づけたといっても過言ではない。
平成と同じく、令和はいきなりの負のイメージ、コロナ禍に刻印づけられつつある。天皇皇后両陛下「令和流サイクル」を生み出し、このイメージを払拭できるだろうか。
コロナ禍で、水害被害者、医療現場スタッフのねぎらう姿を見せて、人々が感化されるという「平成流」のサイクルが物理的に出来なくなった。露出がないと、コロナに対する生活防衛に忙しい国民は、皇室への関心が薄れてしまうのではないか。それでも豪雨被害を受けた熊本県に対し、侍従長を通じて県知事に犠牲者を悼み、遺族や被害を受けた人たちへのお見舞いや、災害対策に従事している関係者へのねぎらいとお見舞いの気持ちを伝えたという(7月20日)。しかし現地を訪れそれが全国民の目にふれるスタイルでないと、平成流サイクルが機能しなくなり、かえって御簾の奥で神格化されてしまうのではないか。
令和では雅子皇后がキーパーソンになるだろう。皇后は今年初めて、歴代皇后に約150年にわたって継承されてきた「御養蚕納の儀」に臨んだ(6月10日)。天皇家の私事を引き継がれたわけである。また、天皇とともにコロナ禍でウィルスの感染拡大で経済的影響を受ける生活困窮者支援の現場を知るために、NPO法人から話を聞いたという (7月16日)。国民の中の弱者への寄り添う新たな姿勢を示し、分断されている国民を統合しようという「象徴としての務め」を模索されているようだ。さらに障碍者・受刑者などにも範囲を広げていくのか、また、外交官経験を活かし日本在住難民などの外国人弱者にも目を向けられるのか、今後の「令和サイクル」の方向性に注目したい。
最後に欧州型立憲君主国モデルとなった近未来日本の姿を描いた論稿を、「ディズニーランドのような」「夢物語」と批評し、かつての皇統対立の歴史を喚起させている。ディストピア暗示しているようで、何か不気味な終わり方である。

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2020/03/23 16:30

投稿元:ブクログ

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