紙の本
知らなかった
2020/05/25 03:03
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投稿者:藤 - この投稿者のレビュー一覧を見る
三浦按針という人を私は知りませんでした。
なんとなく表紙に惹かれて、読んでみたらなかなか興味深い人だなと思いました。
かなり大変な思いをされたようで、想像すると…。
航海は命懸けなんですね。
外国人目線での当時の日本も面白かったです。
紙の本
夢を追って波乱万丈な人生を生きた男の物語
2020/06/18 17:21
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
スペイン、ポルトガルの大航海時代に遅れて乗り出してきたイギリスから、夢を追って航海に出た、ウィリアム・アダムス。2年近くに及ぶ航海の末、ようやくジパング、日本に辿り着く。
ちょうど関ヶ原前夜であり、天下を狙う家康に見出だされることで、日本で思わぬ待遇を得ていくことになる。
妻子を残し、妻の反対に合いながら夢を選択し、航海に乗り出したアダムスだが、家康からは侍・日本人になれ、と選択を迫られ、日本人の妻との関係にも葛藤する。
手軽に海外に行けるわけでも、情報がすぐに入るわけでもない時代に、並大抵の決断ではなかったと思うが、家康から説かれた平和に貢献したいという想いを貫いていく様が清々しい。
また、スペイン、ポルトガル、イギリス、オランダやアジアとの関わり、国際情勢の中の日本という観点からも楽しめる。
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三浦按針。
個人的に三浦半島と縁があり、年々その縁が深くなってゆく個人的事情から(出身ではないし住んでいるとかでもない)この本を手に取る。
京急に乗るとアンジンヅカという駅がある。というか通過する。
普段ならば電車の中でアナウンスを気にもとめず本を読んでいるものの、ある時「ヅカってなによ。アンジンってなによ」なんて思ってしまい、路線図を目を細めて見上げると「安針塚」とある。
はぁ、人の名前みたいだなぁ(安 針塚さん?)とまったく無教養なことをポケッと考えつつ、個人名がそのまま駅名になる訳がないなぁと、しらべると、三浦按針という人物に行き当たる。
驚くべきことに彼は大航海時代に流れ着いたイングランド人であり、しかも徳川家康に重用されたとある。
そんなことがあるのかね、と思っていた矢先、『按針』なる歴史小説が発売された。
歴史モノはあまり好まない。
なぜなら歴史的登場人物が過剰に人間臭く描かれていたり、或いは、偉人と偉人との関係性がこれもまた過剰に親密・信頼しあっているような描写がこそばゆい場合が多々あるからでもある。
そして、この『按針』もそのきらいがある。
けども、物語としてとても面白い。
大航海時代のイングランド人がそんな訳ないだろ!とかいちいちツッコミを入れてはならない。
日本の歴史の中でも驚嘆すべき戦国時代とその終焉、江戸幕府のはじまりである。
物語はまるでSFのようだ。
恒星間航行中にワープシステムが故障して見知らぬ惑星に不時着、戦争に巻き込まれる。
現代の?感覚ではそのくらい奇想天外な人生だったのではないか。
そして、これも驚いたが「八重洲」はこの三浦按針と共に漂着したオランダ人「ヤン・ヨーステン」の名から取られていたという。
知らなかったぞ。
この物語では三浦按針とその周囲の人たちは魅力的で暖かく、ユーモアに満ちて熱心な人たちび描かれている。
ほっこりなんて言葉は使いたくないがほっこりする。
エンターテインメントとしては楽しめる。
P.245に誤植?DTPのミスなのか構成ヌケなのかがあるのはいまどき珍しいご愛敬。
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2020年4月発行。
498ページに及ぶ長編の文庫だ。
時代は、豊臣秀吉が死んでからのこと。
徳川家康が次の殿上人となるであろうと認められつつあった。
そんな時にオランダ船で5艘の船団を組んでオランダを出発したのは、
日本と交易をしようと言う目論みであった。
御多分にもれず、旅は困難を極めた、天候ばかりでなく、
水や食料を求めた島では反対に襲われ何十人もの船員を殺される。
食料がつき、船自体もボロボロな状態でしかもたったの一艘で豊後の港につく。
そこから航海士ウィリアムアダムスの人生が大きく変わる。
先見の明があった徳川家康に重用されるきっかけも、素晴らしい。
歴史の中で家康の哲学がアダムスを日本人にした。
実に読み応えがあり、素晴らしい作品だった。
読む楽しみがなくなってしまうので詳しくは書けないが、
当時の世界情勢、日本が占領されなかった理由、
世界は日本の何を欲していたか、日本の中の話であって、実は世界の話でも。
家族愛も伏線として綴られている。