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万国の労働者よ団結せよというところまでは行かなかったけど、自分が資本主義に十分毒されてることは理解できた。
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資本論、これまで何も理解していなかった。
人間は人間として存在しているだけで意味があるはずなのに、
新自由主義のもと、資本を生み出す存在こそが価値が高い、という
リベラリズム的な考え方に侵食されている。
今の自分がいる階級よりも上の階級にいくことが幸せであるとされているが、本当にそうなのか?
寅さんの話がわかりやすかった。
AIが発達しても、人は楽にならない。
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今後を生き延びるためにどうすればいいかをマルクスの資本論をもとに著者が述べている本。
自分にとってマルクスの資本論などは未知の領域であり、最初は中々取っ付きにくかったが、読み進めていくに連れて歴史との関連が理解できて面白かった。この本は資本論の入門書であくまで資本論のたった一部を述べたものだそうだが、自分にとっては知らない世界に少し足を踏み入れる事が出来て良かった。
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資本論のゼミを受講しているかのよう。資本主義は余剰価値を増やすために発展するしかない点がよく理解できた。
ただ資本論から未来を予見するのは難しいのでは?
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格別にわかりやすく、しかしそれでも難解な資本論解説。頑張って読めば、マルクスがまるで現代の閉塞感を予言しているかのよう…
広く世の中を捉えるための必読書。
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私にとって教科書です。資本論は難解で浅くとらえるのがやっとです。この本ですとんと落ちたことが多々ありました。資本の側が階級闘争をたたかい、労働者側が今のように押し込まれているとの指摘には、これではいかんと思います。やっぱり「連合」はそういうことだったのだ。
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話題の本なので読んでみた。自分が新卒の頃にマルクス経済を学んでいた上の世代がいたが、むしろバブルの恩恵を受けていて、自分たちの代が割を食っていてなんだなあという印象だった。
内容はわかりやすく、専門的な話は飛ばしながらでも読める。どんな立場でも、読んで損はないと思う。
印象的なのが、寿司屋の修行期間は無駄ではなく業者の競争過多を防ぐため、寅さんを理解できない若手が増えたのは時代の価値観や暗黙の了解が変わったから、自分から価値がないというのでなくもっと贅沢していい、という点。
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2度読み中。商品、商品が商品を生産する、富と商品は違う、労働力の商品化、土地と人間の商品化、封建制の崩壊で自由な労働者が誕生
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「資本論」は古くなっていない。今こそ読まれなければならない。と著者は熱く語ります。難しい言葉をできるだけ避けて、そのエッセンスから導かれる「現代の課題」を明らかにして、その「処方箋へのヒント」を書こうとしています。経済学者ではなく、政治・社会学者としての「資本論入門書」でした。
例えば、「商品によって商品の生産」がなされるようになった近代以降の現代では、やがては「優秀な遺伝子が欲しい」という欲望に勝てなくなり、そういう「商品」をつくるだろうと予測しています。倫理とか、愛とか、がそれにブレーキをかけるだろうというのは幻想だというのです。
例えば、新自由主義が蔓延している現代では既に「寅さんがわからない」若者が増えているといいます。「資本による包摂の深化」により、『資本論』は「私たちの知性と感性、魂までもが資本主義のシステムによって呑み込まれてゆく事態を見通していた」というのです。(←わかりにくよね。わかりやすく解説していますが、うまくまとめられない。でも、寅さん映画に共感出来ないという人が万が一これを読んでいたならば、是非本書を読んで反論を試みて欲しい)
「 AIが働いてくれるから、人はもう働かなくてよくなる」のか
いや、「資本主義のもとでは絶対そうはならない」
と、おそらくマルクスは言うだろう。これは現代の若者も同意できるのではないか。
その仕組みは「商品と労働の二重性」「特別剰余価値の獲得」から来る。
それに関連するのですが、「本源的蓄積の持続性」もそこからやってきます。必ず資本家は労働価値のダンピングを行う。脱正規化、アウトソーシング、外国人労働力の受け入れ等々がそれに当たります。「働き方改革」も「資本」の要請です。ここまで来て「人口の再生産」ができなくなってきているから唱えられた訳です。
マルクスは「資本は、増えることによって人々が豊かになることが目的ではない」と喝破します。「増えることそのものが資本の目的なのです」。つまり資本主義は、人々を豊かにすることが目的ではない、というのです。
「だって、うちの社長さんは社員の幸福を願っているし、社会への利益還元活動にも積極的だよ」
と、異論を唱えても、マルクスは「それは貴方の幻想だよ」とバッサリするでしょう。マルクスさん、そんなに敵を作らない方がいいよ、と私は心配しますが、結果的にはその「厳しさ」が必要だったと私は思っています。反対に言えば、未だにこういう反論があること自体が、現代にマルクスが必要とされている証左なのかもしれない。
処方箋は何か。
現代は新自由主義の時代だと、白井さんは言います。
「新自由主義とは、実は「上から下へ」の階級闘争なのだ」(デヴィッド・ハーヴェイ)
わたしたちは、知らないうちに「上から」の階級闘争を仕掛けられて負けていた、とのことです。
マルクスは革命を失敗して、ロンドンで「資本主義とは何か」を明らかにするために「資本論」を書き始めました。よって「資本論」に「階級闘争」の具体的記述はありません。
決して、資本家を全員牢屋に入れたら革命が成就するわけではありませ��。でも、ロンドンに来る前は革命の闘志であり指導者だったので、それ以前のマルクスを読んできた人は、暴力革命がマルキストの資格みたいに考えている人もいました。
現代は、革命を起こすべき労組も選挙も暴力革命も難しくなっています。上からの階級闘争の成果ですね。どうすればいいのか?結局、労働者階級による階級闘争の成功しかない。ただこれもダメ、これもダメ、と書いていて、全然明らかになっていない。
それがかえってホッとします。秘密の言葉を見つけたらゲームオーバーになるなんて、夢物語です。資本論には、現代も通用する「世界の構造を理解するための処方箋」があります。そうやって努力して、世界を理解するための技術を磨いた後にこそ、労働者階級の勝利を導くための処方箋があるのかもしれない。
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2020.11.10 考えさせられる。とても考えさせられる。学生時代に読んでいたことが朧げに思い出され、再び問題意識が高まった気がする。今の自分の状況で何ができるか。何をするべきか。少し考えなくてはならないと思った。やはりリベラルアーツは大切だと思う。
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示唆深い本でした。
赤地に黒字の表紙、でかでかと筆者の顔、あれやばい本かな?と思いつつ、中身は非常に分かりよい。
・マルクスの立場としては、資本主義は超歴史的(はるか昔から)というよりは、土地と労働力が商品となった時に生まれた、という話。
・資本主義の「包摂」は、労働の過程だけでなく、人間の魂までも飲み込んでいく。
・労働者層の権利を守る方向に働いた時代を経て、現在は新自由主義の時代。スキルやら生産性やら、資本家にとっての余剰価値を作るためのものが価値があるとみなされている。この主義を打倒するためには、闘争しかないのか?
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資本論について全く不勉強であったので、本書はポイントが非常にわかりやすかった。自分が新自由主義に知らず知らずに毒されている事を客観的に理解できた。ただこれは資本主義の流れに完全に飲み込まれているということであり、階級闘争を自分事として考える必要性に気付かされた。
以下、気になったフレーズ:
ウェーバーの官僚制約的支配と人格的支配:資本家は労働者に、あるいは上司は部下に命令して従わせることが出来るが、それは後者が前者を人間として尊敬しているからではない。
ネオリベラリズムの価値観に支配されている。それはすなわち資本による労働者の魂の「包摂」が広がっているということ。
教育の荒廃の最大の原因は教育の商品化である。
工場法:これをしなければ資本が搾取する相手である労働者がいなくなってしまうから、この法律が定められたのだ、とマルクスは言う。働き方改革も同じようなもの。
特別剰余価値とは、高まった生産力によって商品を廉売することによって得られる利益、イノベーションによって獲得される期限付きの剰余価値であり、ある商品の現在の社会的価値と未来の社会的価値との差異から生まれる、と定義できる。よって技術革新の目的が特別剰余価値の獲得にあるため、無駄なPDCAが繰り返され、ブルシットジョブが山積。
フォーディズムとトヨティズム
資本が労働者を取り込んだ体制
相対的剰余価値の生産への労働者階級の形式的包摂が実質的包摂に近づいていく。
かつて日本を侵略戦争に駆り立てた農村における過剰人口を吸い上げ、使い尽くした時点で、莫大な剰余価値を生んでいた労働力のプールがなくなってしまった。これこそが高度成長が終焉した本質的な理由ではなかったか。アジアでも日本と同じ事が起こり終焉を迎えるだろう。
労使協調型で、経営側が主導して戦闘的な労組と対抗させるために作られた組合が、第二組合。これによって資本側を否定するようなラディカルな組合の力を弱体化させることに成功したが、結果として資本側は労使協調型組合の存在をむしろ積極的に認めざるを得なくなり、組合にお伺いを立てないと経営問題を決められなくなった。
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真っ赤で扇動的な表紙とは裏腹にやさしく「資本論」について教えてくれる一冊。著者の意見も色濃く反映されているとはいえ、どちらかというと参考書に近いトーン。ポイントごとにわかりやすく、資本論の要点を学ぶことができる(たぶん)。
「階級闘争」に賛同するしない関係なく、現代社会を考える一つ新しい視座を得ることができたので星4つ。とはいえ最後は多少駆け足な感じで、現代の経済のあり方に即した考察がもう少しあってもよかったかも。
追記:
・何を「必要」とみなすか、はコロナ禍でどう変わったのか、変わっていくのか気になる
(・八代亜紀のくだりがなぜ太字になっていたのか気になる)
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これ以上無いぐらいの平易な文体で『資本論』のエッセンスを抽出した良著。『資本論』を文脈通り読み解く(そんなことが凡人にできるかはさておき)のには別の入門書を当たった方がたぶん良さそうであるものの、身近な例や時事問題にも触れながら話が進んでいき、それでいて原典もかなり引用しているのでとても勉強になった。
新自由主義の名を借りてやってくる資本の側からの「実質的包摂」から逃れるためにはじゃあどうすればいいの、というところで話が「人間としての感性」のような情緒的なところまで下りてくるのは、この手の本ではあるあるではあるように思う。ただ労働者の側にもはやそれしか取り分が残されていないと読むならもはや薄ら寒い思いがした。(ちょうど読んだばかりのオードリー若林のエッセイに影響されてすぎてるか。。)
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「生産性を高めよう」
とする社会の流れ。
「市場価値を高めよう」
と声高に叫ばれるこの時代。
資本主義の歴史を知らないまま、
こんな受け売りの言葉を盲目的に信じていいのか?
“商品化されていない人間の基礎価値”を歴史から見出し、自分に与えてあげる。