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キナコの残酷な過去とそれにかさなる52の虐待。
家庭内の虐待を警察や学校に訴えるのは、とても勇気がいる。キナコと52。これからどうやって生きていくのだろうか。幸せになってほしい。
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ずっと読みたいと思っていて、やっと手元に。
一気読みでした。
誰にも届かない心の声を52ヘルツのクジラと表現した素晴らしさ、感動しました。
キナコが背負ってきたものは彼女を酷く痛めつけたけれど、物語の終わりのその先で、彼女はその傷を強さと優しさに変えて生きていくのだろうと想像した。晴れやかな気持ちで読み終えた。
声にならない、または声にできない心の叫び…誰の心にも52ヘルツのクジラはいるような気がする。
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うーーんどろどろ。
すっきりとした読み終わりじゃないよ。考えさせられることがたくさん。いろんな問題が出てくるの。追いつかないな、考えちゃって。
愛がなんだ。
ほんとうの愛ってなんだ。
自分でも分からないのにそれを他人に求めるなんて難しいことだよね。
私はいつも助けてくれる人が周りに絶対いる。どんなに小さくても周波数が違くても絶対に気がついてくれる。なんで私のことそんなに見てくれるんだろ。きっと私がかけた愛なんだな。
そう思える私は幸せ。
いつもありがとう。
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ファンタジーのようでした。傷を負った二人が光の差す方に進んで行けるのはよかったな、と思えました。二人の家族はありえないほど酷いのに、他人は温かいですね。アンさんは置いといて、美晴ですよ!こんな素晴らしい人いますか?至宝です。彼らの温かさに包まれて、前進して行けたらいいです。しかし、キナコの恋愛には、出会いも付き合い方も???だらけ。大変申し訳ないですが、こういう風にもっていってしまう性(さが)というものはあると思います。
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信頼するには時間が必要だし、距離感も必要だよなあ。この人だっ、と思える人じゃなけゃなかなか話せないものだと思う、ましてやイジメや虐待とかされたら行き場に迷う、良い人が沢山いる事を願って、発する事を諦めないで欲しいね
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キナコだから聞こえた、52だから聞こえた、そして届いた。でも、多分、何かが違ったらきっとすれ違ってたんじゃないかな。だからこそ、これからは笑っていてほしい。少しでもいいから、昨日よりも。そう思う、そう願う。
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52ヘルツのクジラ
本著で知った。
人には一頭しか確認されていないから、世界で一番孤独だと言われている。
52ヘルツだと届けられないかもしれないけど、他の人間が感知できない手段を持っていたりしないのかな?
とか考える
一番孤独だとか、“勝手に”言わないでほしい
一番孤独ということば
嫌だな
キナコ、愛は、誰かに届いてよかったな
帯から
52ヘルツのクジラ
他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚(きこ、キナコ)と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年…
凪良ゆう~なんて痛々しく力強い物語。人と交わることで生まれる歓び、哀しみ、後悔。それらを抱えて生きていくこと。描かれる命の循環に胸を衝かれました。
愛:いとし
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「王様のブランチ」で紹介されていて興味を持ったので読んでみた。初めての作家さん。
貴瑚と愛の育った家庭環境が本当に酷すぎて、リアリティがないなあと思ってしまったけど、実際にこれに近い生い立ちの人って存在しているかもと思いハッとした。自分こそ52ヘルツで鳴くクジラに気付くことのできない大多数のクジラなのではと。
「52ヘルツの鯨」の存在自体、この本で初めて知った。とても興味深くて少し調べたりした。神秘的だけどとても寂しい存在だなぁ。
トランスジェンダーが出てきたり、最近こういった「マイノリティ」を取り上げる本が増えてきたと感じる。
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「人というのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん。いつまでも、貰ってばかりじゃいかんのよ。親になれば、尚のこと。」
ー 自分の人生を家族に搾取されてきた女性と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。 ー
終始号泣しっぱなし。
世の中にこんなに酷い親や家族がいるのだろうか、、
10ヶ月お腹の中で大切に育てて痛い思いをしてやっと会えた我が子にこんな酷い仕打ちができることが理解不能だし、本当に信じられない。
私がキナコの立場であったら、きっと同じことをするだろうなとは思ったけど、思うことと、それを実行することは全然違うし現実的にとても難しい選択だろうな、キナコは凄いなと思った。
周りに1人でも力になってくれて味方してくれる人がいることの大切さ、有り難さも感じることができた。
そして52ヘルツのクジラは実在すること、
数十年も泣き続けているのに他のクジラに声が届かず世界で一番孤独だと言われていることを知って、泣き声を聞いて、涙が溢れた。
2021年読了、5冊目。
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王様のブランチで紹介されていて興味を持ったので
手に取りました。
主人公の女性の半生が
家族から虐待や搾取されていたこと、
母親に虐待されていた少年の事を読んでいたら
こんなにも残酷なことなのに誰にも
本当の事を言えず声をあげることが出来なかったということに
とても心痛み涙を何度も流しそうになるのを堪えて読んでいました。
主人公の女性は人生のどん底をずっと歩いていても
何度か彼女の心の声を聞いてくれる人が表れた時には
本当に良かったと心から思えましたが、
自分で心の底から尊敬していた人物が
実はそれが仮の姿であったことを知ってしまっい、
それからの彼女の心境もまた一波乱あってしまい
本当の事を突き止める前にまた一つの苦しみを抱えながら
生きていくことになってしまったことが本当に読んでいて
辛かったです。
虐待された少年を何とか救い出そうしている様子が、
自分が虐待をされて心を痛めたということもあり、
色々なことを考慮しながら少年の心に寄り添いながら
心の距離を縮めている様子がとても良かったです。
ラストの二人にはこれからの未来を
明るく背中を押して応援してあげたくなるような
気持ちになりとても微笑ましい姿でした。
52ヘルツのクジラというのは、
世界で一番孤独だと言われているクジラ。
その声は広大な海で確かに響いているのに、
受け止める仲間はどこにもいない。
今もどこかの海で届かない声を待ちながら
自分の声を届けようとしているクジラのことです。
クジラだけでなくこの作品のテーマとして虐待やネグレクト
といった社会問題になっていることがこのクジラの事を
例えとして声をあげているので、まだ見知らぬ場所で
苦しみを抱えている子供たちの声が少しでも
聞こえるよう社会になれば良いと思いました。
それ以前に虐待やネグレクトといったことが起こらない
社会や家族を作ることも大事だとも思いました。
町田さんの作品を初めて読みましたが、
心理描写や情景などか繊細に描かれていて、
舞台となっている大分でののどかな風景などは
目に浮かぶように美しく描かれていたので
読んでいて心地良かったです。
この作品をきっかけに他の作品も読んでみたくなったので、
これから注目していきたいと思いました。
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幼少期のハードな描写に怒りが何度も湧いてしまいました。元を辿れば親の親まで辿りつく。毒親、老害ばかりか…と思うと、大分の人や風景は長閑で優しくて、田舎に住んでいるからこそ、このリアル感が本物だとわかる。ザクザク切り込むような文章の中に笑える愛嬌があって、その緩急に中毒になりそう。はじめから散りばめられた伏線が、最後、海を見ながらの光景で見事回収されて、もうはじめの辛さが吹っ飛んで涙涙。ムームー族の会話、田舎で生きるってこういうことだよねって…本当に最高でした。
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52ヘルツのクジラは正体不明の種の個体であり、他のくじらよりも高い周波数で鳴く。そのため、個体間での意思疎通はできず、世界で最も孤独なクジラとされている。そんな孤独をモチーフにした小説。
主人公の貴瑚は、子どものころよりネグレクトを受けている。成人してからも家にしばりつけられ、限界になっているところを友人の美晴と美晴の同僚のアンさんに助けられる。なんとか自立をし、幸せをつかもうとするが…
傷ついた貴瑚は祖母が最期を過ごした大分に引っ越すが、そこで同じように虐待されている少年に出会う。少年をなんとか助けたいともがきながら、自分も前に向かっていく。
貴瑚のキャラクターの不安定さはあえてなのかな。わりと強め。そこだけがちょっと気になった点。
アンさんのところが本当に切なかったなあ…そこがとてもよかった。
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面白かった。
聴こえないはずの声を聴こうとする主人公。
それは果たして自分自身を幸せにするのだろうかと思う。
自分ではない誰かの事なら、感動的で素晴らしいと思う。
でももし自分がそうなら。
日常的に周りの人間の表情を気にして生きることが必要になる。
気付かなくて良いことに気付き、心配する。
聞こえないはずの声を聴くのは、大切な人だけにしておいた方が身のためだと思う。
アンさんには幸せになって欲しかった。
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痛々しさが伝わる、リアルな描写に心打たれました。
タイトルに興味を持って買いましたが、「人間関係」がこんなに生々しく、かつ前を向けるように書かれた作品を読んだことがありません。
恋愛でもない、友情だけでは済まされない、そんな人間と人間の関係に名前をつけられないけれど、大切な人がいる方にもっともおすすめしたいです。
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虐待された子供の話、自分の過去を投影するのはわかるけれど、あまりに親の愛情のなさが気になる。モンスターと言われる昨今の親御像はここまで酷くなっているんだろうか。元町内会長が哀れでならない。